Appleより紛失防止タグ「AirTag」(エアタグ)が発売されました。
Appleとしては 新ジャンルの製品で、探し物トラッカー、落とし物トラッカーと呼ばれるガジェットに参入です。鍵やサイフ、カバンなど大切なアイテムにつけることで、失くしても音を鳴らしたり iPhoneから方向や距離を表示させて探す事ができます。また置き忘れた場合でも、「探す」アプリから地図上で確認する事も可能です。
AirTag は “見つける天才” のうたい文句の自信作。できる事を検証して、精度、安全性などを実機を使ってレビューします。
ページコンテンツ
AirTagの特徴
AirTagまでの距離と進む方向を表示可能(IPhone 11以降)
内蔵スピーカーで音を鳴らせる
電池交換可能
IP67等級防水
「探す」ネットワークで世界中のiPhoneで位置の特定が可能
「紛失モード」で見つかった位置を通知してくれる
NFC対応端末で持ち主の電話番号とメッセージが表示される
ペアリングロック機能で盗まれた先でのペアリングができない
AirTagをストーカー目的に使えない厳重な対策
Siriで探す事ができる
自分のではないAirTagを持っていると警告を表示
開封レビュー
Appleっぽいホワイトの箱に入っていました▼
セット内容は、Airtag本体と安全の手引き的な紙類だけ▼
筐体レビュー
AirTagはまん丸の円盤状の白い筐体で、裏面はメタル製になっていてアップルのロゴが描かれています▼
ちなみにエルメスモデルは、デザインが異なります。ボタン電池の裏面のようにも見えます▼
個人的には、通常モデルの方がスタイリッシュで断然好きです。
手にとったサイズ感▼
白い方が表側のようです。碁石のように見えます▼
サイズは500円玉より少し大きいくらい▼ちなみに本体は IEC規格60529にもとづくIP67等級(最大水深1メートルで最大30分間)の防水防塵能力を持っています。
実測で 31.6ミリでしたが、公称値は31.9ミリです▼
マグネットを使ったスピーカーを使用しており、金属にくっつく程に磁力が強力です▼これだけ磁力を帯びていると、クレジットカードなどと一緒に入れた場合、磁気異常の原因にもなりそうです。財布に入れる際には、違うポケットに入れるなどの工夫が必要ですね。
電池交換方法
AirTagは、ユーザー自らが簡単に電池交換する事が可能です。
本体の裏側の金属部分を反時計(左)にグッと押し込むように回すだけで外れます▼
電池は市販されているボタン電池のCR2032でした。ちなみに電池の寿命は約1年間
設定・ペアリング
AirTagは電池の間に入っている絶縁用のビニールを引き抜いて、有効にするだけで近くにあるiPhoneとのペアリング画面が表示されます▼
それ以降、画面上に表示されるウィザードに従って設定するだけです。
Airtagに名前(何につけるか)を決めて「続ける」をタップ▼
AirTagの実力テスト
AirTagを探す
AirTagを探すにはiPhoneの「探す」アプリを使います。アプリを起動して「持ち物を探す」タグをタップ。
そこに「サウンドを再生」「探す」「通知」「紛失モード」の検索モードが表示されますので、状況に応じてタップします▼
AirTagはU1チップに対応しているので、iPhone 11シリーズ以降の端末であれば、AirTagが近くにある時は、iPhoneの「正確な場所を見つける」機能で、AirTagまでの距離と進む方向を表示可能です。
見つけた方向はグレーで表示され、紛失したデバイスの方向にiPhoneを向けると緑色に変わります▼
AirTagに近づいたら 右下のスピーカーアイコンをタップ。するとAirTagから「ピッピッピッピピピ」という音が流れ、見つけやすくなります。
※「探すアプリ」に「持ち物を探す」項目が無い場合、iOSが古い事が考えられます。iPhoneをiOS 14.5以降にアップデートして下さい。
探し物テスト
紛失モードの実力を実験してみました。
自転車のサドルの裏側に貼り付けて、近所のスーパーの駐輪場に放置してみました▼
その後、iPhoneの探すアプリで「紛失モード」を有効にします。アプリを起動して「持ち物を探す」タグから「紛失モード」➡有効にする。
電話番号を入力して「有効にする」をタップして完了▼
ちなみに「検出時に通知」がタップできない状態(有効にできない)の時は、「自分が所有中」となっていると思います。
Bletoothの範囲外にある時のみ通知を有効にできる仕様のようです。
自転車を離れて6分で通知が届きました▼
タップすると探すアプリ上のマップで位置を確認する事ができます▼
何度も「紛失モード」を有効にしましたが、毎回 5-7分以内に見つかりました。ちなみにApple Watchの探すも開きましたが、ウォッチOSには対応していませんでした。
そして他のiPhoneユーザーがそのAirTagのそばを通ったときに、AirTagの位置情報をiCloudに送信し位置情報が通知されます(Find My network)。
このプロセスは完全に匿名で行われ情報は暗号化されるので、プライバシーは守られます。またバッテリーやデータ使用量を心配する必要もないとしています。
この機能を使用するには、検索にiOSデバイスまたはMacを使用する必要があります。 WindowsパソコンのiCloud からでは見つけられません。 暗号化されたBluetoothビーコン信号の解読に、iOS・Macのセキュアチップに格納された鍵情報を使用するためのようです。
NFCで持ち主がわかる
AirTagをNFC対応端末で開くと、AirTagの持ち主の情報が表示される機能があります▼
この機能は、iPhoneに限らずAndroid端末でも有効なので、Androidユーザーも覚えておくと落とし物を見つけた時に役に立つと思います。
子供に持たせる・ストーカー対策・安全対策について
これだけの精度であれば、小型のGPSトラッカーと同様の使い方ができてしまいますね。第三者の持ち物や車に仕込んでおく事で、居場所を把握する事もできてしまいます。
持ち物にAirTagを仕込まれてストーキングされたら怖いですよね。パートナーの浮気調査にも使えてしまいそうです。また、居場所の確認用に子供に持たせておくという利用方法もできそです。
その点について、AirTagの仕様をご紹介します。
ストーカー利用はできる?
自分のものでないAirTagをしばらく持ち歩くとiPhoneの探すアプリに「セーフティ通知」として表示・警告する機能があります。
また AirTagが持ち主から長時間離れたまま(3日間)を超えると、次に動いた時にAirTagから音がなり始める機能も搭載されています。
Apple では、ストーキング行為などでAirTagを使われてしまった場合の対処方法として、電池を取り外す事を推奨しています。
また👆でご紹介したように、NFCをかざす事で持主の情報が表示されるので、調べた上で電池を抜くという作業になりますね。
しかし逆を言えば、持ち主のiPhoneが「探す」機能を無効にしていたり、Androidユーザーであれば3日間以内なら知られずに持たせる事もできてしまいますね。
また子供に持たせるデバイスとしては、十分に実用レベルだと思います。3日間子供と離れるという事も少ないと思います。
APPLE公式:AirTag を見つけた場合や「AirTag があなたの近くで見つかりました」という通知が表示された場合の対処法
AirTagを盗まれて使われる?
AirTagをリセットしてしまえば、他人にAirTagを使われてしまうという心配があります。
しかしながら、実際にAirTagをリセットする手順は、かなり複雑で無断で他人のAirTagをリセットする事は実質不可能です。
またリセットしてもアクティベーションロックされているので、リセット後も他のユーザーが使う事はできません。実質安全対策は万全です。
【AirTagのリセット方法】
- AirTagの金属カバーを開け、電池の交換(抜き差し)作業を連続5回行う(5回起動音を確認)
- 金属カバーを閉める(6回目のサウンドが聞こえる)
- リセットに成功すると、元のユーザーのiPhoneを近づけたときにペアリングの手順が開始
ちなみにAirTagを他人に譲渡するには、元のユーザーが ペアリングの解除操作 を行う必要があります。
まとめ
AirTagを数日間使ってみましたが、見つける天才というだけあって素晴らしい。既存の落とし物トラッカーでは歯が立ちません。
今まで探し物トラッカーの定番「Tile Mate」を使っていましたが、失くしたTileの傍を 他のTileユーザーが専用アプリをインストールしている端末を持って通りかからないと発見できません。
Tileの精度を実験した時は、人の多い都会の街中で数時間に 1回見つかれば良い程度でした。一方 AirTagは、ローカル駅のスーパーの駐輪場でも数分で発見できました。
また、Tileの専用アプリをバックグランドで起動させていると、バッテリーの消費が気になります。私は常時起動をオフにしていました。それでは他の人のTileを探す手助けはできていませんでしたね。
AirTag はiPhoneユーザーがBluetoothの範囲内に入るだけ。日本ではiPhoneユーザーが圧倒的に多いので、あっという間に見つかります。
欠点を探すなら「置き忘れ通知機能」が無い点。探し物トラッカーの Mamorio(マモリオ)は、デバイスと離れると置き忘れ通知がスマートフォンに届く機能が実装されています。Tileはサブスクリプションで置き忘れ通知機能が利用できます。
また通信範囲に関しては、Bletoothの届く範囲内10mでは、手探りでAirTagを探すには少し短く感じました。すぐに「電波が微弱です」と表示されてしまします。ちなみに最新モデルのTileは通信範囲が 60メートルと、驚くほど広範囲をカバーします(実質体感で 20~30m )
盗難や失くしものを見つける機能は圧倒的にAirTagが突出しています。世界中のiPhoneの「Find My」ネットワークを使えるのは大きいですね。iPhoneユーザーは AirTag 一択ですね。
タカシ
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