カシオ計算機は、アウトドア向けリストデバイス「PRO TREK Smart(プロトレックスマート)」シリーズの新製品として『PRO TREK Smart WSD-F30』を2019年1月に発売します。
「PRO TREK Smart WSD-F30」は、カラーのオフライン地図の利用・GPSによる位置情報記録が可能な5気圧防水のアウトドア向けスマートウォッチです。
現行モデルの『PRO TREK Smart WSD-F20』でも同様の機能が装備されており、アウトドア好きには定番のシリーズです。新モデルの『PRO TREK Smart WSD-F30』では、GPSとオフライン地図に機能を絞ることで3日間の駆動が可能な「エクステンドモード」を追加し、普段使いにも耐えられるよう画面を一回り小さくし、かつ画面の解像度が上がっています。
実はPRO TREK SmartWSD-F30 の発表は2ヶ月以上前にありました。発売日が近づいて来ましたので、旧モデルと比較しつつ「PRO TREK Smart WSD-F30」のスペックと魅力をレビューしてみたいと思います。
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PRO TREK Smart WSD-F30スペック
【PRO TREK Smart WSD-F30 仕様】
OS | Wear OS by Google |
---|---|
GPS 機能 | GPS、GLONASS みちびき対応 |
カラー地図機能 | オフライン対応 最⼤5ヶ所まで保存可能 |
ディスプレイ | 1.2インチ 390 × 390 pixcels 2層ディスプレイ カラー有機EL + モノクロ液晶 |
防水性能 | 5気圧 |
耐環境性能 | MIL-STD-810G準拠 耐低温仕様 (-10 °C) |
センサー | 気圧/⾼度 センサー 加速度センサー ジャイロセンサー ⽅位 (磁気) センサー |
Bluetooth | 4.1 |
Wi-Fi | 802.11 b/g/n |
マイクロフォン | あり |
バイブレーター | あり |
充電方式 | マグネット圧着式充電端子 |
充電時間 | 常温で約3時間 |
電池寿命 | 通常使用:約 1.5 日 時計とセンサーのみ: 約 1 カ月 |
ボタン | MAPボタン、電源ボタン TOOLボタン |
サイズ | 約 60.5 × 53.8 × 14.9 mm |
重さ | 約 83 g (バンド含む) |
対応スマホ | Android 4.4 以上 iOS 9.3 以上 |
筐体レビュー
現行モデルに比べ筐体とディスプレイのサイズが一回り小さくなりましたが、解像度が320 × 300 から390 × 390 ピクセルに上がっています。
さらにF30からは液晶に有機ELを採用し、周囲環境の明るさに合わせてディスプレイの輝度を自動調節する照度センサーも初搭載されました。
画面の小型化を補って余りある高精細ディスプレイに進化しています。
WSD-F20との比較▼
WSD-F20では画面の下側が欠けていましたが、F30では真円になりました。
F20のディスプレイ▼
スマートウォッチなので基本的には画面で操作しますが、電源以外にMAP、TOOLのボタンが配置されています▼
充電はマグネット式なので、充電ポートのカバーの開閉による浸水の危険がありません▼
現行モデルと同じ5気圧防水で、米国国防総省が制定する耐久試験MIL-STD-810Gに準拠しており-10度までの低温にも耐えられます▼
オリジナル ウオッチフェイス
F30より新たに2レイヤー画面に表示項目が追加されました。以前は時刻のみの表示だった画面上で気圧、方位、高度の確認が可能となりました。
3つのモード
モノクロとカラーの、 2つのディスプレイを使い分けることで、 効率的に電力のマネージメントする事により大幅にバッテリーの節約が可能になりました。
通常モード
Bluetooth, Wi-Fi、カラー表示、モノクロ表示を全て使う標準のモード。カラー地図の表示に加え、アプリと連携した通知機能など、スマートウオッチとしての機能をフル活用する通常使い用のモードです。
バッテリー寿命は約1.5日。F20は1日でしたので1.5倍に伸びています。ちなみに満充電まで充電時間はF20が2時間でしたが、F30は3時間。こちらも1.5倍に伸びています。
バッテリー容量は公表されていませんが、バッテリーの容量自体も増えていそうです。
エクステンドモード
Bluetoothと Wi-Fiをオフにして、通常はモノクロ表示常態にしておき、ボタンを押すとカラー地図を表示できるモード。消費電力を節約し、バッテリーライフが3日間持つ省エネモード。
※ 各日8時間の行動中にGPS記録、地図表示を行った場合。[使用環境によって変動します]
マルチタイムピースモード
Bluetoothと Wi-Fi、カラー表示、GPS機能も全てオフにしてモノクロ液晶のみで、時刻とセンサー情報などを表示する、約 1ヵ月の長期使用が可能なロングライフモード。
カラーと同胞品
色はブルー・オレンジ・ブラックの3色。ちなみにWSD-F20では、オレンジとブラック(2パターン)の3色でスタートし、後に限定で「WSD-F20-WE (フローライトホワイト)」が追加されました。
新色のブルーが加わり、青がWSD-F30のモデルカラーのようです▼
付属品はACアダプターと専用充電ケーブル。現行モデルは別売りで充電スタンドも発売されています。
カシオ PRO TREK Smart(プロトレックスマート)」の魅力
PRO TREK Smartシリーズの魅力は、高度計・コンパス・気圧計・日の出/日の入り時間・潮汐が判るタイドグラフ機能はもちろん、何と言ってもオフラインでのカラー地図で現在位置が判る機能でしょう。スマートホンと連動する事で、電話やメール、LINEの表示も可能で、ジョギング、バイクツーリングやサイクリングなどで腕だけで確認する事が可能です。
さらにGoogleのWear OS(旧称 Android Wear)というOSが入っているので、スマートウォッチ内にアプリをインストールする事が可能です。GoogleストアからYAMAP(ヤマップ)やRuntastic(ランタスティック)をインストールする事で、スマートホン無しで単独オフライン利用が可能です。
PRO TREK Smartのデメリットについて
カシオ PRO TREK Smartシリーズは、AndroidベースなのでiOS端末で出来る事が限定的です。
例えばGoogleマップを表示する事は可能ですが、ナビ機能が使えません。また Androidでは可能なスマートウォッチ上からのメールの返信などもできません。
PRO TREK Smartは、スマートフォンの位置情報(GPS)に基づいて自動的に高度補正します。しかしながらiPhoneからは標高データを受け取る事ができないため、PRO TREK Smartが単体でGPS信号と気圧センサーから標高を計算するので精度が落ちます。
Android、iOS機能⽐較表▼
さらに心拍計測機能が付いていないので、ジョギングにはGarminなどのGPS付きアクティビティトラッカーの方が向いていると思います。
アウトドアスマートウォッチに「気温センサー」が付いていない事も解せませんが、実はこの機能は腕から外して計測する必要があるので、不要と考える方も多いようです。
現行モデルでは、バッテリーの寿命が1日(新モデルは1.5日)しか持たないことも指摘されていませした。でも、モバイルバッテリーを持っていけば夜テントの中で充電できますので、個人的には問題ないと考えています。
価格・発売日・まとめ
アウトドア好きな仲間達は数人、現行モデルのPRO TREK Smart WSD-F20を腕にはめています。この PRO TREK Smart はゴルフ用の時計としても人気があるようで、ゴルフアプリを入れて使っている人も居ます。
“アウトドアスマートウォッチと言えば PRO TREK Smart シリーズ” と言われるほどポピュラーな定番端末で、私はWSD-F20の購入を本当に悩みました。
というのも 私は驚異的な方向音痴で、中学2年の頃に引越しした時には、学習塾から家に帰る事ができませんでした。
登山でもファミリー向けの低山で余裕で迷子になります。分岐点で道標が壊れていたり、ガレ場でペンキマークを見失うと泣きそうになります…
今では iPhoneで確認する事がほとんどですが、以前は迷うはずのない1本道の登山でも地図とコンパスを出していた程です。
PRO TREK Smartは、方向音痴には必須のスマートウォッチなのですが、iPhoneとの相性が良くない事で購入を見送っていました。
PRO TREK Smart WSD-F30 に関してもiPhoneとの仲の悪さは解消していないと思われます。しかし更に魅力的な端末になりましたので、またまた悩む日々が続きそうです。
最近では新しい山に登っていませんので 、方向音痴の私でもプロトレックは不要です。今後、新しい山にチャレンジするような機会があれば買ってしまうかもしれません。
「PRO TREK Smart WSD-F30」の発売予定日は、2019年 1月で 標準価格は 61,000円(税別)。ちなみに現行モデルの「PRO TREK Smart WSD-F20」は引き続き併売されるようです。新モデルの発表以来、販売価格が下がってお買い得になっています。F20は 旧モデルというより、新モデルの廉価版という位置づけに落ち着きそうです。
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