電子工作製品メーカーの BitTradeOne(ビット・トレード・ワン)より発売されている「USB CABLE CHECKER2(USBケーブルチェッカー2)」を購入しました。
USBケーブルチェッカー2は、スマートフォンやタブレット、PCなどで使用する USBケーブルの抵抗値や対応規格など、結線状況や性能を目視する事ができるデジタルチェッカーです。
先日、タブレットをPD充電中ショートさせてしまい壊してしまいました。充電器側に関しては、常に他の機器にも使っているので、問題は無さそうです。格安で買ったPD充電ケーブルが怪しい。
この機会に、手元に大量にあるケーブルの仕分け・断捨離しようと購入しました。もう怪しいケーブルで端末が故障してしまうのは嫌だ!
という事で、製品レビューついでに安全なケーブルの規格基準についても解説しますね。
ページコンテンツ
USB CABLE CHECKER2
●製造型番:ADUSBCIM
●製造販売元:株式会社ビット・トレード・ワン
●対応 USBインターフェイス
USB Type A(~3.1 Gen2)
USB Type C(~3.2)
USB Type mini B(~2.0)
USB Type micro B(~2.0)
USB Type C(~3.2)
●外形寸法 H13.8xW86.85xD53.7mm(突起部除く)
重量 約45g
●使用電池:CR2032
筐体レビュー
基盤をアクリル板でサンドイッチしただけ。筐体がマニアックでいい感じ▼
サイズは結構小さいです▼
ポートはA側はType-CとTypeA、B側はMicroBとType-C、MIni B▼
底にはゴム足が付いています▼
電池の絶縁シートを抜いて電源を入れると、ん?
いきなり「LOW BATTERY」💦
仕方なくボタン電池を交換しました。CR2032ならマザーボードなどでも使っているので、家を探せば幾らでもあります。
表示項目解説
USB CABLE CHECKER2 に表示される、ケーブルのデータ項目について解説します。
説明を読んだだけでは、何が重要か分からないと思います。安全・性能面で大切な点は後でピックアップして解説しますね。
LED情報
- GND:電源線(グランド電源)への通電
- VBUS:バスパワーの通電
- D-/D+:USB2.0までのデータ通信に対応 (LowSpeed / Full Speed 及びHigh Speed)
- TX1, RX1:5Gbps(SuperSpeed / SS)モード対応、3.1 gen1
- TX2, RX2:10Gbps(SuperSpeed+ / SS+)モード対応、3.2 gen2
- SBU1/2:サイドバンドユース1、2:DP オルタネート出力(SBU) 音声や映像
- CC:コンフィグレーションチャンネル対応
GNDとVBUSは、単純に充電できるかどうかの通電状況(電源管理用のワイヤー)です。ここが消えていたら断線の可能性があります。
またD-/D+は、USB2.0データ転送に対応しているか否かです。Bluetoothイヤホンなどに付属しているケーブルなど、充電専用なので非対応なものが多いです。
CCは、コンフィグレーションチャンネル(Configuration Channel)の略で、USB-PD規格のケーブルでは重要項目となっています。
USB Type-Cのケーブルに対して、7つのステップ (5つがUSB Type-C規格、2つがUSB PD規格で規定)でチェックします。
PD規格では大電流を流しますので、CCが点灯しないケーブルを使うと危険です。
RX1,2/ TX1,2に関しては、3.1 gen1, gen2に対応しているかどうかをチェックする時に使えますね。
ディスプレイ表示
○○mΩ部分の値は、GND線とVBUS線合計の抵抗値で精度は±15%。mΩの数値(抵抗)が少ない程に充電効率の良いケーブルと判断できます。
逆に1,100mΩを超えるとHIGHと表示されてしまい、破棄した方が良いくらいのダメケーブルです。
また内蔵されている抵抗も表示されます。USB-AからUSB-Cのケーブルでは、56Kの抵抗を内蔵されている事が必須です。56K以外の表示がついているようなら危険です。
E-markedと表示されるのは eMarker(イーマーカー)チップが内蔵されているという意味です。USB3.1以上に対応するUSB Type-Cケーブルに内蔵されているICチップで、5A以上のType-Cでは必須です。出力5A以上のUSB-C PDケーブルで、eMarkerと表示されないケーブルは危険です。
またCCプルアップまたはプルダウン抵抗を発見した場合、ディスプレイの表示は通常とは異なって、CC端子の状況を列挙します。sauce:取り使い説明書
またMicroBケーブルであれば、OTGに使用できれば[OTG ENABLE]と表示されます。
「UP10K/SOURCE 3.0A」「UP22K/SOURCE 1.5A」と表示される場合、この抵抗値の抵抗をプラグ内に持つケーブルはUSB規格外です。
あまり使わない方が良いケーブルということになります。
DOWN5.1K/SINK 0.5Aの表示は、Cプラグ内にGND-CC間に接続された5.1kΩの抵抗器を持ち、接続先USB機器は可能であればホストとして動作します。
ケーブルテスト
実際にどのように表示されるのか、幾つかケーブルをチェックした様子をご紹介します。
ダイソー USB-A to Type-C
少し前にダイソーで購入して使っていたUSB-C充電ケーブル。ナイロン編みされていて強度が強そうで、長さ55cmとあまり見かけない長さ。取り回しに便利で、何かと使えるので重宝しているケーブルです。
USB2.0規格対応で通電しています。データ転送にも対応しています(D-/D+)。抵抗は 178mΩと優秀です。
GaN採用65WのPD充電器付属ケーブル
CHOETECH(チョーテック)のGaNを使用したPD充電器に付属していたケーブルです。
最大で20V/3.25Aでの65Wの出力が得られる充電器に付属していたもので、100W出力に対応と書かれていました。
ディスプレイには [E-MAKED] と書かれており、CCもしっかりと光っています。
eMarkerチップは、5A以上の出力対応のケーブルに必須なので、このケーブルは安心ですね。抵抗値も177mΩと優秀です。
ただし100Wの出力に使うには細いので、65Wの充電器用で安全のためにeMarkerチップを内蔵しているのでしょう。
身元不明の怪しいケーブル
引き出しの底から出てきた何も書かれていないType-C to Type-Cケーブル。
何とSBU1/2が点灯しています。DPオルタネート出力(DisplayPort Alternate Mode)対応のケーブルでした。
しかもgen2対応。危なく捨てるところでした。調べて良かったぁ。
使ってはいけないケーブル表示一覧
E-marked表示が無い5A以上出力のケーブル
[UP56K/SOURCE 0.5A]表示が無いA→Cケーブル
CCが点灯しないPD充電用ケーブル
HIGH mΩと表示されるケーブル
まとめ
充電中にショートしたタブレットは、気づいた時は火傷するくらいの熱を持っていました。ケーブルを抜くとコネクタ部が溶けていて、他のケーブルを挿しても反応しなくなりました。
口コミのレビュー欄などを読むと、このようにショートして壊れたと書かれているデバイスを見かける事がありますね。
端末に低評価を入れているケースが多いですが、ケーブルや充電器側に問題がある事が多いと思います。たぶんデバイスは冤罪です。
私はデータ転送が不要なガジェットに付属しているケーブルは、袋から出した途端に捨てています。充電速度が出ませんし、後でデータ転送に使ってダメというケースを避けるためです。
それでも引き出しには大量のUSBケーブルがあります。これ以外にもあちこちに分散して収納しているので、どれくらいの本数があるのか見当もつきません。引き出しを開ける度に、細かったり古そうなケーブルは破棄しているのですが、溜まる一方です。
今回仕分けしましたが、1割程度でギブアップ。これからは必要なケーブルを探す時にチェックしようと考えています。
今回タブレットを壊してしまいましたが、実は今回で3・4 度目です。規格外の偽装ケーブルを使うと危険ですね。
あの熱の持ち方だと、放置していたら火事になりかねませんでした。
このチェッカーを買っただけで凄い安心感です。
USB CABLE CHECKER2の価格は、Amazonで5,180円。楽天だと送料込みで4,999円というショップもありました。
ケーブルをチェックするだけの製品に5千円。高い気もしますが、ケーブルを探す度に挿して確認するのも大変ですし、何より端末の破損を事前に避けけられれば元は取れます。保険のためにもチェックして使いたいですね。
タカシ
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