「テストメールの送信 / Test Email Sending」の件名で送られてくる迷惑メールが増えています。
その内容と対処方法について解説します。
詐欺メールの情報
- 件名: テストメールの送信 / Test Email Sending
- 差出人:日本メールセキュリティ協会
- 差出人のメールアドレス:support-kqatb@service.ltwuv.cn
このメールはフィッシング詐欺と呼ばれるメールの情報収集です。絶対にメールに返信しないで下さい
送信者を詐称した電子メールを送りつけたり、偽の電子メールから偽のホームページに接続させたりするなどの方法で、クレジットカード番号、アカウント情報(ユーザID、パスワードなど)といった重要な個人情報を盗み出す行為のことを言います。
海外から送られている事が多く、メールの本文は日本語が不自然なので、落ち着いて読めばインチキメールだと分かる内容の事が多いです。
メール内容
実際に送られているメールです
【件名】テストメールの送信 / Test Email Sending
こんにちは、メールアドレス
2025/7/11 20:29:14
これはテスト用のメールです。内容に特別な意味はありません。受信できたかどうかをご確認ください。
Hello,
This is a test email. There is no special meaning to the content. Please confirm whether you have received it.
よろしくお願いいたします。
Best regards,
[あなたの名前 / Your Name] 日本メールセキュリティ協会
やはり日本語が不自然です。
迷惑メールの送り主
メールのヘッダー情報から送信元をチェックしてみました。
- Received:from hinet.net (43.165.129.96)by service.ltwuv.cn id he41q00001gh for
- Return-Path: <support-kqatb@service.ltwuv.cn>
- Received-SPF: pass (xxxxxxxx.jp: SPF record at service.ltwuv.cn designates 172.245.72.131 as permitted sender)
- Date: Fri, 11 Jul 2025 20:29:02 +0800
このメールのタイムスタンプは、+0800 となっています。
ちなみにUTC+0800 (CST)は、中国標準時です。中国国内から「日本メールセキュリティ協会」がメールを送ってくる事自体不自然ですね。
※そもそも日本メールセキュリティ協会は存在しません。
Received-SPFの項目は、メールの送信ドメイン認証のひとつで、メールが正規のサーバ(ドメインからの送信が許可されているサーバ)から送信されているのかどうかを判断するのに有効です。以前の詐欺メールは、これがfail(失敗)と出ていましたが、今回はpass (メールサーバアドレス: SPF record (略)」していました。
送信元のメールドメイン
送信元のメールドメイン「ltwuv.cn」を調べてみました。
ドメインは中国のドメイン(.cn)を管轄する認証機関であるCNNICに登録しており、「ltwuv.cn」の持ち主の情報は「陈礼吉」、会社名「大连市中易互联科技有限公司」と堂々と表示されています。
同社はAIで大学のテストの採点などを行う会社のようです。日本の司法の手は、中国国内には及ばないと考えているのでしょうか?
対処法
このメールは無視して破棄するだけで構いません。返信しないでください。
このメールが届くという事は、既にメールアドレスがフィッシング詐欺用のメールリストに登録されていると思われます。
更に、フィッシング詐欺メールに信憑性を持たせるため、氏名を収集していると思われます。
例えば、今までは下記のようなフィッシング詐欺メールが送られて来たと思います。
この「お客様」の部分が正しい氏名だったら?つい信じてしまうかもしれません。
タカシ

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