Aliexpressなどの海外ECサイトで販売されているスマートホンは、製品名の隣に「中国国内バージョン(Chinese・English Vergion)」「インターナショナル・バージョン(International Version)」や「グローバル・バージョン(Global Version)」などの表記が添えられています。
購入の際、インターナショナルやグローバル版を選べば、日本国内で使っても言語やアプリの問題がほぼ発生しません。
しかしながら中国国内モデルは、下調べと注意が必要です。
中国国内向けのモデルは、国際版と比べて安価に入手可能なので、ついつい手を出してしまい後悔している方を見かけます。
またチャイナバージョンしか無い「限定モデル」を購入してしまうというケースもありますね。
当ブログのお問い合わせやコメント欄では、チャイナバージョンを購入した方から、日本語化ができない、Goolge系アプリが使えないなどのご相談を良く受けます。
今回は中国国内モデル(チャイナバージョン)を購入する際の注意点と対処法について解説します。
※ Version(バージョン)がEdition(エディション)となっている場合もあります。
ページコンテンツ
チャイナバージョンについて
EC サイトでは、製品名の隣や副題にバージョンの表記があります。
たいていの場合「 English and Chinese Version」と書かれているので、一目でわかります▼
中国国内モデルのデメリットは、ずばり言語とアプリ問題。チャイナバージョンは、中国当局の規制に準拠した仕様となっています。
一般的なAndroid は、OS自体が多言語のグローバル仕様ですが、スマートホンによっては、多言語対応用のロケール情報も入っていないので、表示言語の問題もあります。
また中国国内ではGoogle PlayストアやGoogle Map、YouTubeなどのGoogleサービス系アプリGMS(Google mobile service)のインストールが禁止されています。
Google Playストア問題
前述しましたように、中国国内モデルでは、GMSがインストールされていません。
当然「Google Playストア」もインストールされていないため、メーカー独自のショップを利用してアプリをインストールする事になります。
大抵のECサイトでは、バージョンに関わらずGoogle Play Storeの有無を表記しています。
このECサイトの中国国内モデルは、製品のスペック欄の「Other Features」には「Google Play Store:NO」と書かれていますね。
独自ストア
Playストアがインストールされていない端末でも、メーカー独自のショップを使って、ある程度のアプリをダウンロードする事ができます。しかしアプリ数も限定的ですし、Twitterなど中国国内で禁止されているアプリも多く非常に不便です。
ちなみにHuawei(ファーウェイ)の端末では、独自ストア「HUAWEI AppGallery」からGoogle系アプリはダウンロードできませんが、Quick Appとして掲載されています。Quick Appは、ブラウザ上から使用する事が可能なGoogleサービスとなります。
野良アプリ
また「APKPure」などのサイトから、野良アプリと呼ばれる「APKファイル」をダウンロードしてきて、直接インストールして使う事も可能です。
しかしながらGoogleフレームワーク(開発者サービス)がインストールされていないと、動作しないアプリが多数存在します。
この場合も、APKPureからGMSや「Google Play Store」を直接ダウンロード、インストールできるかチェックしてみると良いでしょう。
アプリのアップデートができない
アップデートが毎回手動
中国国内バージョンでPlayストアを使う方法
中国国内バージョンを購入してしまっても、全てのケースでPlay ストアの利用が不可能という訳ではありません。
メーカーによっては、後から簡単にPlayストアをインストールできる端末もあります。
例えば、以前購入したOPPO 製の中国国内バージョン端末は、独自ストア「OPPO APP store」からChromeブラウザのダウンロードが可能で、インストール時にPlayストア(GMS)も同時にインストールされました。
また「グローバルROM」と呼ばれるシステムを書き換えるアプリを配布しているメーカーもあります。中国国内バージョンにグローバルロムを書き込むと、自動的にGMSもインストールされますので、通常のグローバルモデルと同様に使えるようになります。
これはスマホ会社によりますが、例えばXiaomiの場合は、新製品が出て少し経つと公式Global ROMがリリースされます。
少し手間が掛かりますが、MIUIの公式サイトから入手して書き換える事で、自分でグローバルROM化する事が可能です。
またOnePlus では、中国向けモデルは「Hydrogen OS」というOSがインストールされて販売されています。これをOnePlusの公式ウェブサイトからグローバル向けOSの「Oxygen OS」をダウンロードしてインストールする事で、グローバル版にする事が可能です。
メーカーでは、公式グローバルモデル以外のOTAアップデート保証していません。
また後からGoogleサービス(GMS)をインストールした場合、OTAアップデートにより使えなくなるという事も考えられます。
インストールできないアプリ問題
チャイニーズバージョンにPlayストアをインストールできたとしても、中国国内モデルにインストールできないアプリが多数存在します。
Netflixがインストールできないアプリの代表例で、Playストアで探しても表示されません。
無理やり該当ページを探すと「お使いのデバイスはこのバージョンに対応していません」と表示されてインストールが出来ません▼
中国国内バージョンの端末では、このようなインストールできないアプリが多数存在します。
消せない不要な中華アプリの存在
また中国国内バージョンのスマートホンには、メーカーオリジナルのアプリ群や、ウェイボー(Weibo)やTikTok (ティックトック)など、中国版のSNSアプリなどが大量にインストールされている場合があります。
さらにこれらのアプリは、アンインストールする事ができないようにロックされている事が多く、容量を無駄に消費してしまいます。
特にTikTokなどは、情報を抜かれていると話題になっているので、セキュリティ的に不安が残りますね。
言語問題
中国国内バージョンは、言語が入っていない機種も数多く存在します。
例えばこの端末は、英語と中国語しか入っていないので日本語化する事ができません▼
ちなみにグローバル版の説明欄には多くの言語が書かれています▼
しかしながら、中国国内モデルでも多言語に対応している端末も多く、設定が中国語で言語切替の場所が分からなかっただけというケースも数多く見受けられます。
中国語では↓から言語切替を行います。
「チャイニーズバージョン(中華モデル・中国国内版)」で、Googleアプリや言語ロケールがインストールされていない場合、上で解説したグローバルROMを焼くことで、言語もインストールされます。
しかしながら、グローバルROMが無いメーカーや中国国内専用モデルの場合でも、日本語化する手段はあります▼
関連記事:
しかしながら無理やりPlayストアをインストールしたり、日本語化しただけの中国モデルの端末は、中国語表記が結構残ります。
ファーウェイの中国国内バージョンにPlayストアをインストールした端末では、ヴィジェットのニュースが中国語から変更できませんでした。
インターナショナルバージョン
余談ですがグローバルバージョンの他に「インターナショナルバージョン」と表記されて販売されている端末があります。
「インターナショナルバージョン」とは、「中華版端末」として製造されたスマートホンに、ショップが後からGMS(Google mobile service、GooglePlay開発者サービス)、言語ロケールをインストールして販売したものです。
中国国内モデルにショップが、後から公式グローバルROMをインストールして販売している端末を指す事もあります。
グローバルROMをショップが独自にインストールした場合、箱の封印シールが切れて届くので簡単に判ります▼
一方「グローバルバージョン」は、最初からメーカーが中国国外向けに調整した製品で、多言語対応、プレイストアなどがインストールされた状態で出荷された製品となります。Aliexpressなどの「メーカーの公式ショップ」でも取り扱われており「Official Global ROM」と表記されています。
中国国内モデルのデメリットまとめ
以上、中国国内バージョンのAndroid端末についてまとめてみました。
「チャイナバージョンを購入して自分で日本語化、もしくはグローバルROM化できない」というご相談が多いです。
私も分かる範囲でお手伝いしていますが、私の元に来る相談では約半数の方がPlayストアのインストールを断念しています。
中国国内バージョンを購入する場合、ブログや動画などでグローバル化が確認できている端末なら安心ですが、それ以外では覚悟が必要です。
また、たまに中国版と国際版で、対応バンドが違う場合もありますが、その場合「Global Band Version」と表記されている事が多いです。稀にモデルによって基本スペック自体が大きく違う端末もあります▼
Honor 9Xの中国版とグローバル版のスペック差について
タカシ
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