「あなたのアカウントは停止されました」の件名で送られてくるフィッシング詐欺メール被害が増えています。
その内容と対処方法について解説します。
詐欺メールの情報
- 件名: あなたのアカウントは停止されました
- 差出人:Amazon
- 差出人のメールアドレス:自分のメールアドレス
このメールはフィッシング詐欺と呼ばれるメールなので、絶対にメール内のリンクをクリックしないで下さい
送信者を詐称した電子メールを送りつけたり、偽の電子メールから偽のホームページに接続させたりするなどの方法で、クレジットカード番号、アカウント情報(ユーザID、パスワードなど)といった重要な個人情報を盗み出す行為のことを言います。
海外から送られている事が多く、メールの本文は日本語が不自然なので、落ち着いて読めばインチキメールだと分かる内容の事が多いです。
メール内容
差出人と宛先が同じメールアドレスという稚拙な詐欺メールです。
【件名】あなたのアカウントは停止されました
新しいデバイスからアカウントサービスへのサインインが検出されました。
誰かがあなたのAmazonアカウントを他のデバイスからログインしようとしました。Amazonの保護におけるセキュリティと整合性の問題により、セキュリティ上の理由からアカウントがロックされます。
アカウントを引き続き使用するには、24時間以内に情報を更新することをお勧めします。それ以外の場合、あなたのアカウントは 悪用される恐れがあります。
確認用アカウント←リンク
© 2020 Amazon.com, Inc. or its affiliates. All rights reserved. Amazon, Amazon.co.jp, Amazon, Prime およびAmazon.co.jp のロゴは Amazon.com , Inc.またはその関連会社の商標です。 Amazon.com, 410 Terry Avenue N., Seattle, WA 98109-5210
日本語が不自然ですが、24時間以内と慌てさせる要素は入っていますね。
お年寄りだと慌てて入力してしまうケースもあり得ると思います。
迷惑メールの送り主
メールのヘッダー情報から送信元をチェックしてみました。
- Received: from lhsumfowd (unknown [182.16.41.26]) by agafpfb.cn (Postfix)
- Date: Fri, 18 Dec 2020 10:48:39 +0800
- Return-Path: <admin@agafpfb.cn>
送信元ドメイン「agafpfb.cn」の所有者を調べると、cnnicという中国のレジストラで管理しているドメインのようです。
どんな細工をしているのかわかりませんが、ドメインの持ち主が「阿里巴巴云计算(北京)有限公司」アリババのクラウドファンディング会社となっていました。
ちなみにメール内のフィッシング詐欺ページのドメインは、「esdvqvz.cn」となっており、こちらも全く同じ登録状況でした。
ちなみに正規のAmazonからの[Recived:from]ヘッダーは、「〇〇〇〇@bounces.amazon.co.jp」となっています。
またAmazonからのメールには、独自のヘッダー(X-AMAZON-METADATA:、X-AMAZON-MAIL-RELAY-TYPE: notification )が付いているので、ヘッダーをチェックすれば偽物は簡単に見抜く事ができます。
このメールのタイムスタンプは +0800となっています。ちなみにUTC+0800は香港・中国も含まれるので、タイムスタンプの改変はせずに送っているようです。
通常日本国内から送れば+0900となるのですが、Amazon.co.jpが使用しているサーバは GMT/UTC+0000 (グリニッジ標準時)の時間のタイプスタンプが付きます。
飛び先ページについて
試しに飛び先ページを開いてみました。
「https://amz.serviceslc-jp.info.esdvqvz.cn/」となっていました(安全のためにURLを加工しています)
ちなみに飛び先URLを開くと、既にブラックリストに掲載されており、ブラウザでブロックしていて開く事ができませんでした。
しかしながらフィッシング詐欺グループは、次々とドメインを変更しますので、ブラックリストに掲載前の新URLで届く可能性があります。
また古いパソコン(ブラウザ)をお使いの場合、フィルターでブロックする事ができない場合もあります。
フォームに入力してログインすると、アマゾンのアカウントが乗っ取られる恐れがあります。また今回の詐欺メールでは、支払いカードの情報の入力を求めています。カード情報を入力してしまうと、不正使用・送金される恐れがあります。
決してログイン・情報の入力をしないようにして下さい
対処法
このメールは無視して破棄するだけで構いません
もしも、詐欺メール対策に強力したい場合、Google社の方にフィッシング詐欺ページとして報告できます。
こちらに飛び先のアドレスを貼り付けて報告して下さい▼
万が一間違えて、ログインフォームにユーザー名(メールアドレス)とパスワードを入力してしまった場合、即時にパスワードを変更して下さい。
カード番号を入力してしまった場合は、カード会社にその旨を伝えて対策を取ってもらってください。
フィッシング詐欺の犯人は、得た認証情報を使って楽天などの他のECサイト、証券会社、銀行など、その組み合わせ(ID/パスワード)でログインを試行して悪用する可能性があります。
同じパスワードを使いまわしている場合、全ての登録パスワードを変更する必要があります。
またフォームに入力していない場合でも、サイトを閲覧した事でウィルスやマルウェア、ワームに感染している可能性があります。
スマートホン、パソコン内のウィルスチェックを実施するようにして下さい。
タカシ

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