2020年4月に発売の第2世代iPhone SE(以降SE)は、「スマートホン 売れ筋ランキング」で長い間1位を独占していました。
また新たにiPhone 12シリーズがリリースされましたが、いまだにiPhone内での売り上げ 1位はiPhone SEが独走しています。2位には小型のiPhone 12 Mini(以降12 Mini)がランクインしており、小型 iPhone端末への需要が偏っているのが分かります。
ただし上位モデルと比べ、半額以下の価格でハイエンド端末が手に入るという理由で、コスパ的に小型のiPhoneを選んでいる方も多いと思います。
小型iPhone派の方が機種変更する時、「iPhone 12 Mini」と「第2世代iPhone SE」のどちらを選ぶか悩ましいですね。
そこで今回は、この小型iPhone2台を徹底的に比較してみます。
ページコンテンツ
第二世代 iPhoneSEとスペック比較
異なる仕様のみピックアップしてみます
12 Mini | SE 第2世代 | |
---|---|---|
ディスプレイ | 5.4インチ 2,340×1,080 有機EL |
4.7 インチ 1,334 x 750 IPS液晶 |
画素密度 | 422 ppi | 326 ppi |
アスペクト比 | 19.5:9 | 16:9 |
ディスプレイ素材 | Ceramic Shield | 強化ガラス |
SoC | A14 Bionic | A13 Bionic |
RAM | 4 GB | 3 GB |
HDR | スマートHDR 3 | スマートHDR |
インカメラ | 1,200万画素( f/2.2)広角 | 約 700万画素(f/2.2) |
アウトカメラ | 1,200万画素( f/1.6)広角 1,200万画素( f/2.4)超広角 |
1,200万画素:(f/1.8)広角 |
ナイトモード(カメラ) | あり | なし |
ズーム | 光学2倍 デジタル3倍 |
デジタル5倍 |
手振れ補正 | 光学式手ぶれ補正 | 光学式手ぶれ補正 |
Touchセンサー |
なし | 触覚タッチ |
Face ID 顔認証 |
対応 | なし |
生体認証 | 顔 | 指紋 |
通信方式 | 5G対応 | ギガビット級LTE |
防水等級 | IP68等級 | IP67等級 |
カラー | ブラック ホワイト (PRODUCT)RED ブルー グリーン |
ブラック ホワイト (PRODUCT)RED |
バッテリー容量 | 2,227 mAh | 1,821 mAh |
ビデオ再生時間 | 約 15時間 | 約 13時間 |
MagSafeワイヤレス充電 | 対応 | 非対応 |
サイズ | 高さ:131.5mm 横幅:64.2mm 厚さ:7.4mm |
高さ:138.4mm 幅:67.3mm 厚さ:7.3mm |
重さ | 135 g | 148 g |
価格 | 64GB:7万4800円 128GB:7万9800円 256GB:9万800円 |
64GB:4万4800円 128GB:4万9800円 256GB:6万800円 |
付属品 | ライトニングケーブル | ライトニングケーブル EarPods USBアダプター |
Apple Care+価格 | 16,800 円(税別) | 8,800円(税別) |
筐体比較
ディスプレイ
iPhone SE 2020:4.7 インチ / 1,334 x 750 / IPS液晶
iPhone 12 Mini:5.4インチ / 2,340×1,080 / 有機EL(OLED)
12 Miniは、アスペクト比が19.5:9と縦長なので、Webページを閲覧すると1ページの情報量が多いです▼
12Miniは、発色が美しく彩度が高い有機EL(OLED)を採用していますが、それほど綺麗とは思えません。
12 Mini⇦ / ➡SE
12Miniの画素密度は422 ppi、SEの326 ppiと比べて高いのですが、IPS液晶のSEと比べて大きな差を感じません。
12Miniは画面上部にはノッチ(切り欠け)があり、カメラとセンサー類が格納されています▼
ノッチがあるので、12Miniはバッテリー残量の数値表示やVPNマークが表示されません。
バッテリー残量は、アイコンから推測するかノッチを下に引っ張って確認します▼
ディスプレイ左右のベゼル幅は、12 Miniが3ミリ、SEが4ミリ▼
YouTube動画を再生したサイズ感は、左右が黒塗りになるのでほぼ同じ▼
またiPhone12シリーズは、画面パネルが黄色い筐体があり、私の手元の端末も黄色いのが気になります。
追記:この黄ばみは「設定」>「画面の表示と明るさ」で「True Tone」がオンになっていたことが原因でした。
ガラス強度
12 Miniのディスプレイ素材は、新技術の金属よりも硬い、ナノセラミッククリスタルをガラスに組み込んだ『セラミックシールド』(Ceramic Shield)を採用しています。アップルの発表では「iPhone 11世代に比べて、落下に対する耐久性が4倍」としています。
しかしながら、iPhone12シリーズでは「ひっかき傷(スクラッチ)に弱い」との報告がSNS上で数多く報告されています。
私も画面保護ガラスを貼ろうと、画面を拭いて脱脂していたらスクラッチ傷を見つけました😢
たった1晩です。ケースから出し入れした程度で、落としたり画面を下にして置いてもいません。
これが私が付けた傷ならば、本当にスクラッチ傷に弱すぎます。出来ればノッチ部もカバーするタイプの保護ガラスが良いと思います。
筐体・サイズ
【筐体の素材】
iPhone SE2020:アルミフレーム + ガラス
iPhone 12 Mini:アルミフレーム +セラミックシールド(Ceramic Shield)
iPhone 12 Miniのアルミフレーム▼
12 Miniは、筐体背面もセラミックシールド制なので、傷の心配があります。ケースは必須だと思います。
SEは、iPhoneお馴染みのディスプレイ下のホームボタンあります。iPhone7から採用された、感圧(センサー)式のホームボタンで、物理ボタンを押したような感覚の振動が特徴です▼
ディスプレイ下の部分を比較▼
iPhone 12 Miniの本体サイズはコンパクト設計で、iPhone SE(7/8)と比べても小型化されています▼
12 Miniは角ばっているので厚みがあるように見えますが、iPhone SEとほぼ同じ。かなり薄いです。
iPhone SEの厚さが7.4mm / 12 Miniは7.3mmと0.1ミリ差。見た目では分からないレベルです▼
重ねてみると縦方向に短いのが分かります▼
これだけ小さい。幅も3.1ミリ短くなっています▼
AnTuTuベンチマーク比較
AnTuTu Benchimark (v8.1.0)を使って処理能力をテストしてみます
- iPhone SE(第2世代): 486,658 ポイント
- iPhone 12 Mini : 637,848 ポイント
Geekbenchベンチマーク
Geekbench5でのベンチマークスコア
【シングルコア性能】
- iPhone SE(第2世代): 1,341 ポイント
- iPhone 12 Mini : 1,590 ポイント
【マルチコア性能】
- iPhone SE(第2世代): 2,711 ポイント
- iPhone 12 Mini : 4,108 ポイント
12 Miniのプロセッサー性能は、Androidを含め現在トップレベルです。しかしながらiPhone SE の性能でも十分。どちらの端末でも、グラフィックが美しい3Dグリグリのゲームでも余裕で楽しめるレベルです。
ただし、最新のゲーミングスマートホンは、CPU性能だけでは無く冷却システムに力を入れています。この小型iPhone2台には特に発熱対策が施されていないので、長時間負荷の高いゲームをプレイすると、発熱問題が発生します。
Apple Pay
iPhone 12 MiniのFelica用アンテナコイルは、今までと同じようにカメラの隣付近にあるようです。実際にコンビニで買い物して確かめました。
12 Miniは電源ボタンを2回押すとApple Payが起動します。iPhone 7 / 8 / SE 2020はホームボタンの2回クリックで起動します。
生体認証方式
SEの生体認証は指紋のみで、iPhoneお馴染みのディスプレイ下のホームボタンが兼用しています▼
一方、12 MIniの生体認証は、FaceID(顔認証)のみとなっています▼
昨今のコロナ騒動で、マスクを着用した状況でのロック解除が必須です。マスクを装着したまま顔認証を通す方法などもありますが、精度が低くやはりマスク装着時は指紋認証に軍配があがります。
カメラ性能
暗所撮影に関しては、どちらの端末も綺麗に撮影できますが、SEにはナイトモード機能がありません。
12 Miniでは肉眼では真っ暗な風景でも、照明をあてたように写ります▼
またSE /12 Mini共に、ポートレートモードが実装されています。ポートレートモードでの撮影は、顔を認識すると自動的にピントが合い、その他の前景、背景は自然にボカしての撮影が可能となります。
これは非常に便利な機能なのですが、SEに搭載された当初は、人間の顔以外はボカす事ができませんでした。そのためペットやマスクを装着した状態では、使う事ができず不満の残る機能となっていました。
しかしながらiOS14 で改善され、インカメラを使ったポートレートモードは、人間として認識されなくても背景がぼかせるようになりました▼
この状態でSEと12Miniを撮り比べてみましたが、SEの方がピントが合うまでモタつきがあります。
12Miniは2眼レンズとなっており、120°の超広角レンズが付いています▼
またどちらの端末もスマートHDR(ハイダイナミックレンジ)機能を利用して、逆光で人の顔を撮影した時に暗く写ってしまうことなどを防ぎ、暗い部分の階調もしっかり表現されます。あらゆる撮影シーンにおいて、より肉眼で見たときの印象に近い写真に仕上がるのが特徴です。
SEがスマートHDR、12 MiniがスマートHDR3となっています。それほど撮影画像に大差は感じません。
iPhone 12 Mini-F1.6 / SE-f1.8
まとめ
メリット比較
低価格で高性能
AppleCare+(アップルケアプラス)が安い!※1
バッテリー交換料金が安い!※2
一番人気のストレージ128 GBモデル復活
自撮り・ポートレート機能が充実
iPhone7/8と同じアクセサリーが使える
物理ホームボタンがあるのが便利
※1:Appleの2年間保証サービス『AppleCare+』の価格は、iPhone8は 1万 4,800円、iPhone 11、12と12 Miniは1万6800円。12ProとPro Maxは2万2800円と高額です。高価な端末なので、iPhoneユーザーはデフォルトで加入するのが定番となっています。SE第二世代は超低価格の 8,800円(税別)で加入する事ができます。
ちなみにAppleCare+の保証内容は、画面修理は3,400円、バッテリー交換は無償、その他の修理1万1800円。「盗難・紛失プラン」は、新SEの場合は1万800円です。
※2:AppleCare+未加入でもバッテリー交換が5,400円(税別)
脅威の高処理性能
軽量設計でとにかく軽い
手頃な価格で高性能
人気のストレージ128 GBモデルあり
片手操作にベストなサイズ感
超広角レンズが便利
ナイトモードで暗所撮影が可能
電源ボタンを使ってのApplePay起動が便利
私は、総合的にiPhone 12 Miniの方が気に入っています。1画面の情報量と超広角レンズ、サイズ感など、トータル評価的には当然12 Miniの方が上です。
しかしながら、第2世代iPhone SEとの価格差(3万円)ほどの価値は感じません。Apple Care+の加入料金も大きく差がでるので、それを含めると価格差は3万 8000円になります。
第二世代のSEが低価格を追求した、コスパモンスター端末だと実感させられますね。
私は今後も第2世代iPhone SEを使い続けるつもりでしたが、iPhone 12 Miniに乗り換える事にしました。しかしながら黄ばんだ画面は馴染めませんし、邪魔なノッチと指紋認証の分、iPhone SEの方に心残りがあります。
一つ一つの項目で比較してみましたが、2台のうちどとらかを選べと言われると、価格差もあるのでズバリ決められません。やはり悩ましい。
Apple Store
機種 | 価格 |
---|---|
iPhone 12 mini | 64GB:7万4800円 128GB:7万9800円 256GB:9万 800円 |
第2世代 iPhone SE | 64GB:4万4800円 128GB:4万9800円 256GB:6万800円 |
実機レビュー記事:iPhone 12 Mini / 第2世代 iPhone SE\
タカシ
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