2018年1月、アンカー・ジャパン(Anker)のオーディオブランド「Zolo」より左右分離ワイヤレスイヤフォン「Zolo Liberty+(プラス)」が発売となりました。このイヤホンは、17年12月24日に発売された「Zolo Liberty」のハイエンドモデルとなり、クラウドファンディングのKickstarterでは、約25,000人から計3億円以上ものの支援金を集めた事で話題になりました。
「Zolo Liberty+」は「Zolo Liberty(以下は無印モデル)」に比べ、ドライバーが5.6mm → 6.0mmにサイズアップされています。また無印モデルでは「音切れが少ない」と評価が高かったのですが、+(プラス)ではBluetoothバージョンが4.2→5.0になるなど、更に音切れ対策が強化されています。加えて「外部音の取入れ機能」が搭載され、周囲の音を聞き取る事ができるなど魅力的なイヤホンに仕上がっています。
今回は1月下旬よりZolo Liberty+の限定色ホワイトが販売開始となりましたので、そちらを購入して使用感などをレビューしてみます。
ページコンテンツ
スペック
再生周波数帯域 : 20Hz ~ 20kHz
Bluetooth:version5.0
防水規格:IPX5
入力:5V⎓1.5A
連続再生時間:約3.5時間
ケース充電使用時:約48時間
ドライバーユニット : φ6mmグラフェン(ダイナミックドライバ)
マイク:MEMS(EC / NRテクノロジー)
対応コーデック:SBC, AAC
充電:Micro USB (5V / 1.5A)
開封の儀
【セット内容】
Zolo Liberty+イヤホン本体、充電ケース、GripFitジャケット(x 4ペア)、イヤーチップ(x 5ペア)、Micro USBケーブル、取扱説明書
Zolo libery+ 実機レビュー
イヤホン本体はハウジングが丸く厚さがあります▼
左右にマルチファンクションボタンが各1個▼
ノズル口は5.5mm。耳の穴が小さい人でも大丈夫なサイズ▼
イヤーピース(チップ)は5段階のサイズが入っています▼※サイズは直径と浅さが違います。2ペアだけ別に袋に入っていました。Amazonの販売ページを確認しても3セットとなっていますので、耳に合わない人の為に2サイズ追加したようですね。
GripFitイヤージャケットは3サイズ+デフォルトの計4個▼
専用のケースは結構大きめで、サイズを計ってみると79 x 41 x高さ24mm▼
ちょうど握りしめて隠れるサイズ▼
イヤホンを収納した重さは約118g▼
イヤホンは1つ約6.2g▼
ケースはMicroUSBケーブルを使って充電します▼
ケースには4つのインジケーターが付いており電池残量の目安になります▼
ケースはマグネットで固定されるので逆さにしても落ちません。
機能
接続・ペアリング
ペアリングは簡単で、初回はケースからイヤホンを取り出すだけでペアリングモードに入ります。後は接続するスマートホンやオーデオ端末のBluetooth画面から接続するだけ。
2回目以降はPUSH AND GO™機能で、バッテリーケースから取り出すだけで接続が完了します。接続にモタつき感ありません。つながらなくてもケースに戻してリセットすれば大抵は解決します。ケースに戻すだけで電源が切れて充電が始まります。
【左側のイヤホンがつながらない時の解決法】
ケースから出す時のコツは、左側を出して「しゅーっポ」と音を確認してから右側のイヤホンを出して接続します。左右をほぼ同時に出したり右→左の順でケースから出しますと、片耳モードで起動してしまい左側が認識しない事があります。これは右耳側に通話機能が格納されているのが原因で、このイヤホンに限らず完全ワイヤレスイヤホンでは良くある現象です。
【音楽操作】
(左右のイヤホンのマルチファンクションボタン)
操作 | L | R |
再生 | どちらか1回押す | |
停止 | どちらか1回押す | |
次の曲へ | 1秒押し | |
前の曲へ | 1秒押し | |
音声ガイダンス | どちらかダブルタップ |
曲送り・曲戻しの時には確認音が入りません。自分の感覚で1秒程度でボタンを離すと、確認音が鳴り成功します。
【通話】
操作 | L | R |
電話を受ける | どちらか1回押す | |
通話終了 | どちらか長押し | |
通話拒否 | どちらか長押し | |
スマホ⇔イヤホン 通話切り替え |
1秒押し |
【接続リセット】
左右のタッチパッドを同時ダブルタップ
音切れ・音飛び
iPhone7で使っていますが、驚く程に音切れがありません。毎回ケースから出して接続したばかりの数秒のみ左側が軽く途切れますが、それも一瞬で終わります。
雑踏・満員電車の人混みでも途切れる事がなく、今まで音切れしたのは片手で数えられる程度です。また驚くほど遠くまで届くので、家の中で違う階に行っても途切れないで聴き続けられ、音楽の操作まで出来てしまいます。
私はかなりの数の完全ワイヤレスイヤホンを試用してきましたが、接続に関しては間違いなくナンバーワンの安定感です。
今回試したiPhone7はBluetoothのv4.2での接続になりますので、v5.0に対応しているiPhone8やXなら更に安定した接続が期待できそうです。
※ただし、Bluetoothバージョンが4.0の古いAndroid端末は結構切れました
通話テスト
このイヤホンには通話機能が実装されています。LINEの「通話テスト」機能を使って内蔵マイクの感度と通話音量を試してみます。
完全ワイヤレスイヤホンは、マイクがイヤホン(右)に内蔵されているので耳元に来てしまいます。しかしZolo Liberty+はマイクにMEMS(EC / NRテクノロジー)を採用していますので、クリアな声を拾って相手に伝えてくれます。実際に何度か通話しましたが、静かな室内では問題なく通話できます。
ただしテレビが付いている部屋や屋外では、雑音も拾ってハウリングしてしまい結構厳しいものがありました。ちなみに、通話中にイヤホンを1秒長押しすることで、スマートホン本体での通話に切り替える事が可能です。
使用感
装着デザイン
ハウジングがまん丸で大きめなので少し目立つかな?私が買ったのは白でサイズ的にもマシュマロを耳に詰めて歩いている人のようです。自分的には、その丸い白の風貌がむしろ愛嬌があって気に入ってます。
母親には「あなた耳どうしたの?痛い?」と聞かれました。中耳炎で詰め物をしているように見えたようです。いいんです。いろいろ知らない人には、分かってもらわなくていいんです。。
フィット感
最初は何をやっても安定せず、ポロポロ外れてしまいトイレの水やマンホールの穴に落としそうで、見るだけで恐怖感を抱くほどでした。 しかし付属のイヤーピースとフック(GripFitジャケット)の組み合わせを調整して、グリグリ動かしてイヤーフックを耳の内側に引っ掛けると落ちなくなりました。
一度フィットしてしまうと大きさも感じなくなり、首を振ったり小走りに走っても外れる事はありませんでした。当然フィットする事で密閉間が増して音質も上がりますので、最初の組み合わせフィッティング作業は念入りにしてみて下さい。
ちなみにIPX5の防水に対応していますので、スポーツジムの汗やジョギング中の雨でも安心です。
バッテリー
バッテリーは3.5時間の連続再生が可能で、AirPodsの5時間を除くと完全ワイヤレスイヤホンとしてはトップクラスの持ちです。仕事や勉強中に音楽を連続で長時間聴く時以外は、毎回ケースに戻すだけで充電されますのでバッテリー切れになる機会は少ないと思います。
充電ケースに戻すだけで最大48時間使えます
音質
「Zolo Liberty+」はドライバーにグラフェンを採用しています。これはダイヤモンド以上の硬度を持つという「グラフェンコート振動板」炭素素材のグラフェンを振動板にコーティングしており、強度、熱伝導率、電気伝導率の高さが良いとされています。このグラフェンコート特性を活かす事で、歪みのないクリアな音を実現するとしています。
左右完全独立型のBTイヤホンとしては、比較的解像度が高いです。特にジャズやクラッシックを聴くと、面白いように似たような楽器の音の違いが聞き取れます。音にメリハリがありハッキリているので、最初は聞き疲れするのでは?と思いました。しかし変な味付けをしていない素直な音質なので、慣れると長時間聴いても音酔いや聞き疲れする事がありませんでした。
後述しますが、専用アプリをインストールする事でイコライザー機能を使った音の調整が可能です。
ノイズキャンセリング機能が付いていませんが、フィットすると雑音が気にならない程に密閉間があります。ジャケット部がシリコン製なので遮断されている気がします。
対応コーデックはSBC、AACのみで、api-xには対応していません。Android端末で使用する場合はapt-x対応が欲しいところですが、BOSE, SONYなどの人気メーカー製を含めても、apt-xコーデックに対応した完全ワイヤレスイヤホンはほとんどありません。頭一つ抜けたERATO Apollo7S まで高スペックを追及しない限り、今の段階で求められる機能ではないのかもしれませんね。
動画の遅延について
動画視聴の時の音の遅延に関してiPhoneを使って観てみました。YouTube、Abema TV、プライムビデオでチェックしましたが遅延を感じませんでした。YouTubeは目を皿にして口元を見続けると、一瞬だけ遅れている気もしますが普通に視聴していて違和感は感じません。
専用アプリ「Zolo Life」
Zolo Liberty+では、専用アプリをインストールすることでイコライザなどが利用可能になります。
イコライザー機能
設定できるのは予め用意されているモードのみで、細かい設定はできません。
「ポップ」「ジャズ」「EDM」「クラッシック」「バランス」の5セット▼
各モードを聴き比べてみましたが、よくチューニングされていると思います。欲を言えば自分で微調整できると良かったです。アプリで設定したモードはアプリを落としても有効で、一度セットしたモードは変更するまで変わりません。
紛失防止機能
この機能は、AirpodsのようにGPSを使ったイヤホン検索機能ではありません。イヤホンの信号が弱くなると、スマートホンに自動的に通知されます。
イヤホンとスマホが離れると通知が来ますので、置き忘れ対策になります。
ちなみにアプリからファームウェアを確認するとv0.3.1.7、ハードウェアはV0.3になっていました。発売当初からはいろいろ改良されていそうです。
周囲音取込み機能
どちらか片方のイヤホンのボタンを3秒長押しすることで「周囲音の取り込み」が可能です。この機能は音楽を流しながら外の音を聞き取る事が可能で、買い物した時に店員さんとの会話をしたり電車のアナウンスを聞いたりする時に役に立ちます。
使ってみた感想は、環境によっては不快な音も増幅されて取り込んでしまうので、長時間使い続けるのは辛いです。例えば自分が鼻をススル音や物を食べる音、マウスのクリック音、コンビニ袋のシャリシャリ音のような音が強調されます。そのため私は室内では使わないようにしています。
音切れのないハイエンドイヤホン
Ankerが満を持して発売した完全ワイヤレスイヤホンという事で、発売前から気になっていました。今回、偶然+の限定カラー「白」の発売を聞きつけて、ついに我慢しきれずに購入してしまいました。
1万円台半ばのハイエンドイヤホンは「AirPods」や「ERATO VERSE」「AMPS AIR」など人気機が多い激戦区です。私はどれも試してみましたが、ずばり「Zolo Liberty+」はアリだと思います。
イヤホン本体でボリューム調整ができない点だけが物足りませんが、個人的には曲送り/曲戻りが可能なだけで合格点です。とにかく抜群に接続が安定して音切れが無いのが一番の魅力で、満員電車でブチブチ途切れてイライラさせられる事がなくなりました。
ケースが大きいと言われていますがポケットが少しポッコリする程度です▼
音質も綺麗でクリア、バッテリーの持ちもトップレベルなので、完全ワイヤレスイヤホンに求められる用件を満たしています。「Zolo Liberty+」は総合的なポテンシャルの高いイヤホンだと感じます。1万円台の完全ワイヤレスイヤホンの中では、明らかに選択肢の上位に入るモデルで、個人的には一番好きですね。Zoloブランドの今後が楽しみになりました。
タカシ
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