春!GW!観光シーズンという事で、今まで記事にして伝えたかった事を書き起こしてみたいと思います。
それはズバリ「うつ病、引き篭もり、ゲーム依存、ネット中毒には登山療法が有効」というお話です。
今まで私を含め、周囲の人間3人が登山により鬱や対人恐怖症を克服しました。今現在、苦しくてたまらない方の参考になればと思います。
心を病んでから完治の経緯
慣れれば山の圧倒的な孤独感も癖になります▼何かのきっかけで、インターネットやゲーム、SNSなど、デジタルの空間に入り浸ると現実の世界への適応が難しくなります。
そのまま放置しておくと、次第に気持ちが病んでしまい、引き籠りや鬱などスパイラル的に悪化して社会復帰が難しくなります。
実は私も、数年の間パソコン内に仕事漬け状態で、空き時間の遊びもPCゲーム(MMORPG)という生活を続けた結果、対人恐怖症を罹って苦しんでいた時期があります。
外出する事も億劫になり、買い物する時ですら妻の影に隠れ、店員さんの対応をしてもらっていました。最終的にはレジでのお会計の時に、声が出ないほどに対人恐怖症が悪化しました。
対人恐怖だと何もできません。そんな日々が続く事で、どんどん塞いで「気持ちが何か変」なことも多く、仕事以外では外出どころかカーテンを開けるのも辛くなりました。気がつくと時間が飛んでいることもあったので、軽い鬱も患っていたと思います。
そんな中でも家族でキャンプに行く事はあったのですが、キャンプ場の混雑が受け入れられずに、何を考えてか1人でテントを担いで山に登る事にしました。
当時は「とにかく人の少ない山にテントを担いで登って、大自然の中で静かにキャンプして引き篭もりたい」という後ろ向きな思考でした。
無謀にも初心者が20キロ近いザックを担いで、氷点下の初冬の山にテント泊するのですから、心も体もボロボロになりました。
しかしながら、計画を立てて山に突撃したことで何かが変わりました。その苦しさが何故か癖になって、立て続けに山行しました。数ヶ月後には、他の登山客や登山用品店の店員さんとも普通に話せていました。気がつけば人嫌いも治っていて、何を苦しんでいたのかすら忘れていました。
山に行くようになってゲーム全般に興味を失い、それ以来はライトに遊ぶ程度です。
誰とも会話せずにテント内で引き篭もりご飯。ただコレがやりたかっただけでした▼山でテント泊というのは、初心者にはハードルが高いですが、鬱を克服した知人達も今では雪中テント泊を楽しむまでに成長しています。
登山の何が楽しい?
実は私は登山は初心者ではなく、大学のスキーサークルでは夏には強化登山や北アルプス縦走合宿なども行っていました。
でもその当時は 何も知らず、何も考えず、人に計画して連れて行ってもらっていたので「遠足」と変わりません。当時は登山の良さが何も判っていなかったと思います。
今回、登山を勧める記事を書いていますが、良く言われている「山に登るだけで 何が楽しい?」という疑問には未だに答えられません。
私は山頂に登頂しても「綺麗な景色だな」と感じることはありますが、うぉーやったー!というほどの鮮烈な達成感や喜びは感じません。あ、槍ヶ岳の穂先は感動しました。
また、八ヶ岳や日本アルプスを遠くの山頂から眺めた時に、「あそこに立ったんだなぁ」と考えるとジーンと痺れる感覚が何とも言えません。
では、登山の何が病みつきになるのか?というと、物欲、ロールプレイング要素、コレクション要素、計画達成感、など、登山は意外とデジタル(ゲーム)の世界に近い欲求を複合的に満たしてくれます。
もちろん四季を楽しめたり、降って来そうな満天の星空、自然の美しさや野生動物と出会えるのも嬉しいことです。
しかし、そんな綺麗ごとではないんですよね。何がどう?では無く、気がつけば大好きになっていたとしか表現できません。
そうそう、山で作る山メシを考えるのもワクワクしますし、カメラから入る人も多いですね。
山には閉鎖した山小屋などの廃屋がたくさんあります。昭和時代にポイ捨てされた空き缶なんかも見つかります。私は、それらを眺めて思いを馳せる時間が切なくて好きです。
登山の“物欲”
登山を本格的に趣味にすると、そこそこお金が掛かります。
節約して山を純粋に楽しんでいる方も少なくありませんが、私は集めても集めても次に欲しい山ギアが出来てしまいます。
ザックはこれ↓以外にもクローゼットに各サイズがあります。
「物欲」と一言で片付けてしまうと、少し抵抗がありますね。
しかし物欲がモチベーションになるなら、それも受け入れて楽しむべきだと考えるようになりました。
山道具は日々進化しており、最新のザックやマウンテンパーカーなどの機能と便利さは素晴らしいです。
物欲とは言っても「The North Face」や「マムート(MAMMUT)」「パタゴニア」など、アウトドアブランドの高価なギアを欲しいという物欲だけではありません。
実際の山行で足りなかった道具や、不便だったアイテムの買い替え、それらの組み合わせなど、考えるだけでも幸せな気持ちになります。
「これを用意したから、次はもっと円滑に登山ができるはず!」と、傘を買うと雨が待ち遠しいアレに近いです。
初心者は、街使い用のリュックと運動靴、と雨具だけあれば十分です。
一度登って二度と使わない人も多いので、簡単な装備から始める事をおススメします。
その後、運動靴 → トレッキングシューズ → 登山靴、などへとステップアップしてゆく喜びがあります。
学生時代の知人は、以前配属されていた部署の上司のパワハラが原因で鬱を煩っており、Twitterの病み垢に住んでいました。
山に誘うと「コンビニ行く事も出来ないのに、登山なんか行ける訳ないだろ」と断られましたが、根気良く誘ってやっと登ってくれました。
そんな彼も3度目には「モンベルの道具は安いのに性能いいね」と言い出し、4度目には「グレゴリーのザックを買っちゃった」と、暇があれば山用品をネットで調べているようでした。後に彼は「モノが欲しくなるね」と物欲ありきで、登山にはまったと語っていました。
今では学生の頃と同じ本来の彼の性格に戻っていて、私より頻繁に登山に行っています。
しかしながら彼も私も基本はソロ登山(単独行)なので、滅多に一緒に登りません。
コレクション要素
「日本百名山」という言葉を耳にした事があると思います。
百名山の由来などは割愛しますが、この100の山を幾つ登れるか?という事にチャレンジしている「百名山ハンター」という世界が存在します。ハンターの方のTwitterやFBでは「日本百名山:現在52 / 100座」などの記述を良く目にします。
私は「死ぬまでに50座くらい登れればいい」程度に考えていますが、それでも年間最低2、3座に登らないと達成できません。しかも近所の百名山は制覇しているので、年々遠くまで遠征しなくてはなりません。
でもこれが意外とモチベーションになります。
金峰山の山頂から撮影した南アルプス▼南アルプスには百名山が10座あります
アプリの「YAMAP」のGPS機能を使って登山記録をとると、自動的に「登頂した山」が記録されます。私は最近この機能を使い始めましたが、もちろん使用以前に登った山は記録できません。少し残念です。
アプリに登った山をコレクション▼
物欲と重なりますが、登山用品のコレクションも癖になりがちです。山ガールはお洒落を始めるとキリが無いようです。
計画の楽しさと達成感
基本的に私は旅行でも無計画に出かけるタイプです。無計画というよりは、面倒な計画が立てられない横着者です。
しかしながら登山では、登山計画と持ち物リストなど、緻密に計画を立てておかないと大変な事になります。最初の頃は、仕方なく下調べして計画を立てていました。しかし当時の計画は大雑把で、違う山に登頂してしまったり、時間の読みが甘くて最終バスに間に合わすために急いで、凍結した山道で転んで滑落した経験もあります。
そんな面倒な計画でも今では楽しくて、仕事の合間の良い息抜きになっています。
登山ルートをアプリに入力し、紙マップも準備します▼
登山地図にはコースに標準タイムが書かれています。何度か登ると標準タイムと自分のタイムの差が分かるので、ほぼ正確にタイムスケジュールを立てられるようになります。標準タイム6時間40分のコースを4時間24分で歩く人の場合、240分 / 400分 *100=66%。
次の登山では、マップに書かれている標準タイムに0.66を掛ければ、おおよその到着時間が予想可能になります。
タイムスケジュールが計画どおりに進んだ時の達成感はシビれます。
また登山では、基本的に公共の交通機関を使って移動する事が多く、山奥の最終バスの時間などとの兼ね合いを考えるのも楽しくなるから不思議です。
対人恐怖や鬱の症状が軽微になってからは、下山後の温泉や食事を予定に組み込むのも楽くなります▼
毎回、登山から帰ってくると、すぐに次に行きたい山の計画を具体的に考え始めています。登山を趣味にしている人は、年間計画表を作っている人も少なくありません。私の場合は、年末までに「来年登りたい山リスト」を日帰り編、テント泊編、山小屋編などと書き出しています(いつも半分も達成できていません)
ロールプレイング要素
登山を続けていると「装備を揃える」「主人公のレベルアップ」「ラスボスに挑戦!」といった、ロールプレイングゲーム的な要素が強いと感じます。しかも登山は40歳、50歳から始めた方でも、年齢に関係なく日々レベルアップを実感する事が可能です。若い頃から登山している人は、体力の衰えを感じるようですが..
カバンの中には、薬草、エリクサー、毒消し草を装備して…
登山のファーストエイドキットの中身を考えるのも楽しいです▼
ケガや火傷用の抗生物質軟膏や脚がつった時の漢方薬、ストッパ下痢止めEX、バンドエイドはもちろん、修繕用のダクトテープにファイアースターター、ポイズンリムーバーなど▼
私が登山を再開したばかりの頃は辛くて辛くて、登山開始1時間で「下山したら装備は捨てて二度と登らない」と考えながら毎回登っていました。
しかしながら登山での歩き方やザックの調整方法の基本を勉強したり、少し重くしたザックを背負って低い山でトレーニングしいていると、ある日を境に、急に楽に登れるようになりました。
主人公のレベルアップですね!
1、2か月に1回程度、山に登るだけで自然にレベルアップしてゆきます。
早くレベルを上げたい人や、更にハイレベルな登山を目指すなら、高めの踏み台を使った昇降運動トレーニングがおススメ!
慣れたら重いリュックを背負って、アンクル・ウェイトを足首に装着すると効率的です▼
ラスボスは壮大に「ジャンダルム」登頂!とか「日本百名山完全制覇」でもいいですし、「剱岳・槍ヶ岳」「日本アルプス制覇」「八ヶ岳の雪山登山」など、自分に合った目標に設定すれば良いと思います。「富士山ご来光登山」でも十分です。
まずは「旅人の服」を着て「こん棒」を装備してスライムを退治するところからです。トレッキングシューズだけを買って、高尾山の稲荷山コースを登るといったところでしょうか?この程度の山なら、レベル1で装備なし(運動靴)でも登れます。
登山療養のススメまとめ
「登山が疲れた心を癒す」という効果に関しては、雑誌・新聞の記事やテレビの特集でも目にします。たしか「所ジョージさんの目がテン!」では身体と心が健康になるとしていました。しかしながら、私はもともと人懐っこいタイプでしたので、対人恐怖症に登山が有効かどうかについては疑問が残ります。
私が感じた一番の心への効果は、自然とマイペースな生活のリズムが身についた事です。先行者に追いついたり、後から来た人に追い抜かれたりしても気にならなくなりました。口から心臓が飛び出るくらい辛い時、前後の人の事なんてどうでも良くなります。
休もうが休まず進もうが自分のペース次第です。最初の頃、標準タイムや他の人のペースが気になって、必死になって追い抜かれないように頑張っていた自分が可笑しいです。
その事が実生活でも役に立っていると実感できます。つまらない事で言うと、以前の私はレジで後ろの人に気を使って小銭を出す事ができず、小銭が貯まる一方でした。それが今では、財布の中の小銭を処理する快感へと変わりました。いろいろと、心を患う以前の自分より充実している気がします。
また「鬱は感染する」と言われていますが、それは事実だと思います。
手を差し伸べて相談に乗り続けている間に、自分も鬱を煩ってしまった人も居ました。
素人が容易に手助けできるものでは無い病気です。
だから私は彼らの悩みや相談は一切聞かない事にしています。相談に乗っても答えの無い問いがループするだけ。何度も身をもって体験済みです。
私は単に一緒に登っているだけです。
最近も、友人の奥さん(心を病んで退社)と山にリハビリ登山に行っています。下山後のお酒の席では山の話が止まりませんね。
彼女は、そろそろ一人で山に行けそうです。
山小屋は基本的に雑魚寝なので、対人恐怖症の私はテント泊1択でした▼
心が弱っている方は、何も考えずに思い切って登山を始めてみては如何でしょう?
外に出るというだけでも大変ですが、悩んでいる暇も無いほどに やりたいことがてんこ盛りになります。
最初は山に連れ出してくれる人が居ると一番良いのですが、それが叶わなければ脳内登山から楽しんでみて下さい。
ボッチで一緒に登る仲間が居なくても問題なし。基本的に登山はみんなでワイワイ行く観光登山ではなく、単独登山がベースです。
心が病んでいたら、複数人で山に行ったら疎外感で鬱が悪化しそうですしね。
漫画「ヤマノススメ」を読んでみると、登山の「いろはのい」が理解できます。アニメ版もあるようです。
またYoutubeでも、たくさん登山動画を配信している方がいます。視聴すると夢が膨らんで、山に登る自分ががリアルに想像できるようになります。
その後、低い山から実際に登ってみてください。オススメの登山系Youtuberは、JINさんやITAGAKI .TV 、meucoracao7、ウルトラライト装備に拘って登る壱号さんなんかもよく見ています。登山を最高に難しく楽しむ「アルパイン・クライミング」のKei Fujimotoさんの動画は、仲間とのやり取りも最高に楽しいです。
このブログの読者の方で、山で癒されたい人を集めて「リハビリ登山オフ会」とかできると良いですね。
うー…気持ちが落ち込んでいる人達は、人が集まる所が苦手でしょうから実現は難しいかな?
でもいつか、この記事を読んで登山を始めた方と山ん中で会えたら嬉しいです。
とにかく死ぬことを考える位なら、山に登ることは死ぬより簡単です。
タカシ
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