サウンド機器メーカーSOUNDPEATS AUDIO(サウンドピーツ・オーディオ)から、完全ワイヤレスイヤホン 『Air 3 Pro(エア・スリー・プロ)』が発売となりました。
Air 3 Proは、35dbまでの騒音に対応したANC(アクティブノイズキャンセリング)機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホンです。またヒアスルー(外音取り込み)機能も搭載しており、イヤホンを外すことなく周囲の音と音楽を同時に聞く事ができます。更に、強固な接続の「 TrueWireless Mirroring 」や高音質のコーデック「aptX Adaptive」に対応しており、低遅延のゲーミングモード対応しています。
Air3 Proは、国内最大級のオーディオビジュアルアワード「VGP 2022」において「金賞」と「コスパ大賞」をダブル受賞しています。
手元にやって来ましたので、数週間に日常的に使用してみました。
ページコンテンツ
ざっくりレビューフラッシュ
ノイズキャンセリング機能で騒音を大幅にカット
φ12 mmドライバ搭載で迫力のサウンド
高級感ある落ち着いたデザイン
4マイクでクリアな音声通話
TrueWireless Mirroring 接続で途切れ難い
ゲームなどにも使える低遅延モード実装
1回の充電で最高 6時間の使用が可能
aptX Adaptiveコーデック対応
ケースのバッテリー容量
SOUNDPEATS Air3 Proスペック
イヤホンタイプ | カナル型 |
---|---|
チップセット | QCC3046 |
Bluetootthプロファイル | HFP、HSP A2DP、AVRCP |
接続方式 | TWS / TWS Mirroring |
対応コーデック | AAC / SBC / aptX / aptX Adaptive |
再生周波数帯域 | 非公開 |
音楽再生時間 | 約 6時間 aptX Adaptive視聴時: 2-3割減 |
Bluetoothバージョン | 5.2 |
防水等級 | IPX 4 |
ドライバーユニット | φ12 mm |
インビーダンス | 不明 |
ノイズキャンセリング | アクティブノイズキャンセル |
イヤホン充電時間 | 約 1.5 時間 |
ケース充電時間 | 約 1.5 時間 |
バッテリー容量 |
非公開 |
ケース重量 | 約 36.8 グラム |
イヤホン重量 | 約 4.5 グラム |
ケースサイズ | 6 x 4.5 x 2.4 cm |
開封の儀
【パッケージ内容】
- SOUNDPEATS Air 3 Proイヤホン x 1ペア
- 収納充電ケース x 1
- USB-C充電ケーブル x 1
- 取扱説明書などの紙類
取扱説明書は今主流のマルチ言語形式。日本語でも詳しく解説されています▼
製品レビュー
イヤホン本体
Air3 Proは、イヤホンとデバイス間がワイヤレスで接続し、なおかつ左右が完全に独立した Bluetooth 接続のカナル型のTWSです。
イヤホン本体は、Appleの AirPods に代表されるスティックタイプ。いわゆる”耳うどん”タイプ。
艶消しブラックで落ち着いた質感とデザインです▼
スティック部の長さやデザインは、Apple のAirPods Proや第3世代AirPodsに近いです。
AirPods3と並べてみます▼
ハウジング部のフェイスプレートには同社ロゴマーク「S」が入ってます▼
イヤーピースは楕円形で耳の穴にフィットします▼
イヤーピースは、 S / M / Lの 3種類のサイズが用意されています▼
重さは実測で片側 約 4.6グラム▼
チャージケース
充電ケースは小型で、ケースに入った目薬くらいのサイズ。ポケットに入れても嵩張りません▼
ケースのサイズは、実測で 幅60.8 x 高さ 45.2 x 厚さ24 ミリ▼
リップクリームと並べて見るとサイズ感がわかると思います▼
箱に技適マークがついていました▼
イヤホンを格納したケースの重さは約 37グラム▼
充電ポートはUSB-C。ケースにはバッテリーのインジケーターは付いていませんが、1灯ついているLEDの色で残量を確認できます。
緑点灯:100-50% / 黄色点灯:49-10% / 赤点灯:10%以下
充電時は、緑:100% / 緑点滅:99-70% / 黄色点滅:69-20% / 赤:29-5% / 赤点滅:20%以下
ちなみにAir 2+ではQiワイヤレス充電に対応していましたが、Air 3シリーズからは機能が削除されました。ケースのコンパクト化とワイヤレス充電のどちらが嬉しいかは賛否が分かれそう。
1回の充電で約 6時間使えます。ケースに戻しての充電を含めると合計 24時間。通勤・通学程度でしか使わないのであれば、ケース本体への充電は週に1・2回程度で間に合いそうです。
※ aptX Adaptiveコーデックでの視聴の場合は2-3割減
通話テスト
Air3 Proはイヤホンにマイクが内蔵されており、ハンズフリー通話機能が実装されています。
両方のイヤホンにマイクが2つ(合計4基)実装されており、雑音をカットした快適な会話を可能にしています。
実際に仕事で通話に使っていましたが、自然な会話ができました。声が変質したり途切れるような事もありませんでした。また少し賑やかな近所のスーパーで買い物しながら奥さんと通話してみました。CVCノイズキャンセリング機能により周囲の雑音を取り除いてくれるので、通常の通話のように自然な会話ができました。
使い方
ペアリングはケースから取り出せば、初回はペアリングモードで起動します。
後はスマートホンの 設定を開き、Bluetoothから選択するだけで完了▼
※ケースについた小さいボタンを押す事で、リセットや再ペアリングが可能です。
操作方法
イヤホンの背中側のロゴ部分をタップする回数で操作を行います
左(L) | 右(R) | |
---|---|---|
音楽操作 | ||
1回タップ | 音量下げる | 音量上げる |
2回タップ | 再生 / 一時停止 | |
1.5秒間長押し | 外音取り込み/ANC/ANCオフ 切替え |
次の曲へスキップ |
3回タップ | 低遅延モード切替 | 音声アシスタント Siri、OKグーグル起動 |
通話 | ||
2回タップ | 通話/電話を切る | |
3回タップ | 通話切替 | |
1.5秒間長押し | 通話拒否 |
※ リセット:ケースに戻してケースのボタンを10秒間長押し。赤く点滅したらリセット完了
操作・装着感
操作性について
イヤホンを充電ケースから取り出すだけでイヤホンの電源が入り、ペアリング済みのデバイスに接続する「自動ペアリング」機能が搭載されています。
ケースから出すと「パワーオン」➡「コネクテット」の順でイヤホンから音声が流れます。ちょうど耳に入れた時に、ペアリングが完了するタイミングでした。
またケースに戻すと自動的に充電が開始され、ペアリングが解除されます。デバイスとの接続に関しては、余計なプロセスは必要ありません。
イヤホンの操作感については、背面のロゴマーク部を軽くタッチ(ノック)すれば受け付けてくれます。SOUNDPEATSの定番方式の曲操作方式です。SOUNDPEATS製品をお使いの方は、お馴染みの操作方法ですね。慣れると使い易いですが、1回タップで音量調整なので、手に持った時などに音量が変わってしまう事があります。私は、右耳のイヤホンを外して何かをした時、大音量になって驚く事があります。
装着感
昼間は一日中装着しており、夕方にはスポーツジムでも使いました。一度も落ちたり緩んだりする事はありませんでした。装着感は個人差があると思いますが、私は長時間装着しましたが違和感や痛みはありませんでした。
装着した感じは、黒なので引き締まって見えますね▼
以前よりスティック部分も短くなっていますし、スティックタイプのイヤホンは街で良く見かけるので、違和感はありませんね。
正面から見ても自然です▼
音質
Air 3 Proは、バイオセルロース振動板採用のΦ12mmのダイナミックドライバーを搭載しています
音質の特徴は、全音域でクリアで音の広がりが感じられ、曇りや篭りがありません。
解像度もソコソコあり、エントリーモデルでは埋もれて聞こえないような様な、細やかな音も結構拾ってくれます。
低音は楽器の違いもしっかりと聴き分けられることができる程度の解像度はあります。しかし、カナル型にしては少しパンチが弱い気がします。必要十分な低音は鳴っていると思いますが、ビリーアイリッシュを聞くと、低音で脳が揺れるような力強さ感じませんでした。
それでも、逆を言えば音酔いするような事もないので、長時間聴くには聞きやすいチューニングに仕上がっていると思います。
また、ドンシャリのような余計な味付けをしていないので、原音に近い音が楽しめます。バンドのヴォーカルも楽器にかき消される事なくしっかりと聞き取れます。ポップスやアニソンなどの鑑賞にも良いと思います。
一番の特徴はクリアで綺麗な音質ですね。ピアノの楽曲なんかが聞きやすかったです。
ノイズキャンセリング、アンビエント機能
イヤホンの左耳を1.5秒間タッチする事で、ANCオン ➡通常モード(ANCオフ)➡ 外音取り込み(パススルー)の順で切り替わります。
ノイズキャンセリングのノイズ(騒音)をキャンセル(打ち消す)性能は、エントリーモデルでは低音域に限られています。最大35dbまでの音量に対して効果があります。
Air3 Proに採用しているノイズキャンセリング方式は不明ですが、使ってみた感想は電車や車の騒音に対する打消し率が非常に高いです。
今まで試してみたエントリーモデルの中ではピカイチ。
電車の中で音楽を消してみましたが、「ゴーガタンゴトン」という音が「サー」っという音が聴こえる程度までカットされます。音楽を聴いていると、電車の騒音が全く聞こえなくなります。
ノイズカットの音域は、航空機のジェット音、エアコンの音や電車のモーター音、車のエンジン音などの低音域に効果的です。電車での通勤・通学では電車のノイズが消えるので、自分の世界に入れます。
エントリーモデルのノイキャン機能では、男性の声レベルがギリギリ消せないと言われています。
ノイズキャンセリング時の音質に関しては、ノイキャン時でもノーマル時の音に近く、音が変質してしまう事はありませんでした。ホワイトノイズが入って気になるという事もありませんでした。
外音取り込み機能(パススルー)については、片耳のイヤホンを外したくらい外音が聞こえるようになります。デジタル変換された事も感じさせないく自然な音が聴こえて驚きました。
外音取り込み機能の性質上仕方のない事だと思いますが、風切り音が気になるので風が強い日には向いていないですね。
また電車内でのアナウンスも聞き逃したりしません。外出時には意外と役に立つ機能です。
音切れ・音飛び・遅延
Qualcomm の新受信方式のTWM(TrueWireless Mirroring)接続に対応しており、スマートホンと強固な接続を確立できます。
買い物や・仕事に2週間近く持ち歩いていました。途切れたり音飛びで気になるようなことはありませんでした。ただし、スマートホンに通知が届く時は途切れる事がありますが、他のイヤホンでも良くある現象なので気になりませんね。
遅延に関しては、左耳のイヤホンを 3回タップする事で、遅延を抑えた「ゲーミングモード」に切り替わります。
しかし低遅延モードにするまでもなく、ノーマルモードでも遅延が少なく、動画を観ても人の口の動きと音(声)のズレを目を凝らして見ても分かりませんでした。
一般的に低遅延モードは伝達距離が短いので、動画視聴やゲームプレイ時以外は、オフにしておく事を推奨されています。低遅延モードはセンシティブなようで、外出時に使うと音が途切れる事がありました。
もともとTWS(TrueWireless Stereo) Plusという左右独立受信方式もありましたが、これはスマートホンのSoCに依存していたので、QualcommのハイエンドSoC搭載端末のみで有効でした。
新技術のTWMは、片側のイヤフォンがスマートフォンとBluetoothで接続(マスター側)した際、もう1つのイヤフォンがマスターとミラーリング接続(スレーブ側)します。その後、必要に応じてマスターとスレーブがロールスワップで入替わり、各イヤフォンの素早い切り替えに対応します。また1つのBluetoothアドレスとして管理が可能です。
iPhoneユーザーにとっては嬉しい新技術です。
まとめ・価格
Air3 Proは、先行モデルのAir3より若干価格が高く上位モデルのようなネーミングですが、実際には姉妹モデルのようですね。
- Air3 Pro:カナル型、ANC機能、外音取り込み機能
- Air3:インナーイヤー型、生体感知機能(耳から外すと一時停止)
Air3は、インナーイヤー型なのでANC機能が搭載していませんが、インナーイヤー派の方はAir3、電車の騒音などが気になるとか、カナル派の人はANC機能付きのAir3 Proを選択するべきでしょう。
総括としては、スティックタイプのSOUNPEATS製ノイズキャンセリングイヤホンが大きく進化したという感じです。人の話し声はある程度聞こえますが、大通りでの車の騒音や電車、飛行機内の音は大幅に軽減されます。デジタル耳栓として使えるレベルです。
Air3 Proの価格は¥6,480。発売当初はAmazonでのみ販売されます。その後、少し遅れて楽天などでも取り扱いを開始すると思います。
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