クアッドコア1.8GHz/ROM32G/RAM4G/有機ELディスプレイ..スマホ選びの時に良く目にする用語ですね。
以前はキャリア(Docomo/au/SOFTBANK)が用意している数機種の中から選んで購入する程度でしたが、今ではMVNO(格安SIM)などの台頭で、様々なシムフリー端末や型落ち白ロム端末までもが選択肢に入ってきました。その為、ユーザーが自身がスペックを読み解いて自分に合っている端末を選ぶ力が必要です。
もちろん、スペックの各数値が高く高価なハイエンド機が良いものである事は間違いありません。しかし、メールやLINE/ネット閲覧・動画鑑賞、程度しか用途の無い人にとっては明らかなオーバースペックです。
そこで、今回はスマホのスペック表の読み方と、数値の基準を小学生でも理解できるよう解説してみます
CPU・RAMが重要
最初にざっくり、スマホ選びで重要なスペックのポイントをご紹介します。
CPU・RAMの性能がスマホの能力を決める上で重要な項目です。昔からCPU/RAM/ROMの関係を「RAM=机 / ROM=引出し / CPU=人間の性能」と例えられていますが、「RAM=まな板 / ROM=冷蔵庫 / CPU=料理人の腕前 / 食材=アプリ」と例える方が分りやすいでしょう。
まな板(RAM)が小さければ、料理人(CPU)の腕が良くても作業領域が小さいので、食材(アプリ)を処理する為に時間が掛かってしまいます。例えば3DのCGがグリグリ動くゲーム(大きな魚)を捌こうとした時、大きいまな板と腕の良い料理人(CPU)が必要になります。ローエンド端末では上の絵のように食材がはみでてしまい、更に素人料理人が調理しますので、処理する為には膨大な時間が掛かったりフリーズして止まってしまったりします。
逆にLINE・ネットショッピングとカメラ程度の用途がない人が、ハイエンド端末を使っているという事は、毎日一流シェフを雇って巨大まな板を渡して小魚を1匹だけ料理してもらうといった所でしょうか?▼
Android端末の場合、冷蔵庫(ストレージ)は別に大きい物(MicroSD)をもう一台買ってくれば事足ります。「RAMとROMの違いが分らない」という方は上図でご理解いただけると思います。
このように自分に合ったスペックの端末を選ぶには、CPU/RAMの性能が中心になります
CPUの選び方
ここではスマホ選びで重要なCPUのスペックについて解説します。
出典:iFixi
上記のようにCPUとは処理する能力、人間の体で例えると「脳」部分にあたります。CPUは「クアッドコア2.0GHz」などのように「コア数」+「クロック周波数」で表記されます。
コア数
コア数とは、スマホの中にCPUが何個搭載されているかというのを表すもので、デュアルコア(2個)、クアッドコア(4個)、ヘキサコア(6個)、オクタコア(8個)というような表記になっています。
当然、コア数が多い方が処理能力が高く、スマホで同時に多くのアプリを動かさなければならない場合でも、複数のコアでその作業を分担することが出来ます。
クロック周波数
クロック周波数とは、CPU の名前の後に「1.3GHz」「2.0GHz」などと書かれている数値の事です。単純にこの数値が大きい程、処理能力が高いと考えて問題ありません
エントリーモデル(ローエンド機)
デュアルコア端末 or クアッドコア ~1.2GHz
ミドルレンジモデル
クアッドコア1.3GHz~オクタコア1.8GHz
ハイエンドモデル
オクタコア 2.0GHz~
※CPUは処理能力が高くなる程、消費電力も上がります
RAM(メインメモリー)
スマートホンのスペック表ではRAMと表記される作業スペース部分です。アプリをRAM上に呼び出して処理を行いますので、数値が高い程、CPUが効率よく処理する事ができます。スマホが突然再起動してしまったり、アプリが落ちる場合のほとんどがメモリ不足が原因で起こります。
エントリーモデル(ローエンド機)
1G
ミドルレンジモデル
2G~3G
ハイエンドモデル
オクタコア 4G~
最新の3Dを使ったゲームアプリは、最低RAM3Gは無いとカクカクしてしまい厳しいでしょう。パズドラやツムツムなど軽いゲームアプリや、ネット動画を観る程度でしたらエントリーモデル1Gでも十分間に合います。
ROM
これは内部ストレージの容量を示す表記で、iPhoneでは外部ストレージ(MicroSD)を挿す事ができないので重要な項目ですが、Android端末では外部SDカードにアプリをインストールする事もできますので、特に神経質になる必要はありません。
もともとPCでROMとは(Read Only Memory)の略で、記録されている情報を読み出すことのみ可能なメモリのことで、CD-ROMなどと書き込み不可なメモリを指していましたが、何故かスマホでは内部ストレージをROMと呼びます。ちなみに、RAMはRandam Access Memoryの略
バッテリー容量
バッテリー容量は3,000mAhなどと表記され、数値が大きいほどスマホを稼働し続ける時間が長くなります。しかし当然、大型ディスプレイの端末では消費電力が高くなりますし、CPUの性能が高いほどバッテリーの消費も激しくなります。
出典:iFixi
バッテリーの持ちについては、数値で単純に読み取る事ができません。メーカーのスペック表でも「連続待ち受け○○時間」などと確認する事ができますが、これは車の燃費と同じであくまで理論値なのであてになりません。口コミサイトで実際に使われている方のレビューを参考にするのが一番正確でしょう
ディスプレイ
ディスプレイについて説明すると複雑で長くなりますので、簡単に解説します。
ディスプレイ方式
スマホのディスプレイは、TFT液晶と有機ELに大きく分かれ、TFT液晶は更に4つの方式が存在します。
有機EL
電圧をかけると発光する有機EL現象を応用した表示装置で、液晶のようなバックライトを必要としません。その為、消費電力を少なくでき、端末も薄くする事ができるメリットがありますが、製造コストが高くバックライト式の液晶ディスプレイに比べ明るさも劣ります。
TFT液晶
TFT液晶には「TN方式・VA方式・IPS方式・IGZO方式」という4種類の方式が存在します。
それぞれの性能を比較してみます
視野角(ディスプレイを斜めから見た時の見える広さ)
TN方式 < VA方式 < IPS方式
鮮やかさ
TN方式 < IPS方式 < VA方式
現在、TFT液晶ではIPS方式が主流で、TFT液晶の方式で選択を悩む事はないでしょう。
ピクセル数(画面解像度)
ピクセル数は分かりやすく言うと、横と縦にどのぐらいの点・区画があるのかということです。このひとつの点・区画を画素(ドット・ピクセル)と呼びます。例えば 1280×1024ならば、横1280:縦1024のピクセル(画素)があるという事になります。
これは画面上の総画素数を表し、ピクセル数が多いほど、細部まで綺麗に映像を表示する事ができるという意味になります。
エントリーモデル(ローエンド機)
854×480など
ミドルレンジモデル
1,280×720
ハイエンドモデル
1,920 ×1,080~
※ただし、現在の価格レンジでは、ピクセル数での差は明確ではないので、ミドルレンジでも1,920 ×1,080の端末も存在し、エントリーモデルでも1,280×720の端末も増えてきました。
その他スペックについて
今回はスマホ選びの重要スペックについてのみ解説しましたが、自分の用途に合ったポイントを抑えておけば、他のスペックに関しては自分の好みの問題になります。
スマホではLINEくらいしか使わないが、綺麗な写真を撮影したいのでカメラの画素数を重視する人も居ると思います。スマホカメラの画素数は、どの端末も高画素数で単純に画素数では判断する事ができません。好みの問題もありますので、撮影写真をアップロードしているレビューなどを参考にすると良いでしょう。
ちなみに私が先日購入した「Vernee Thor」という99ドルの格安スマホのスペック表です▼
スペック | Vernee Thor 4G |
---|---|
CPU | MediaTek MT6753 1.3GHz オクタコア |
RAM | 3GB |
ROM | 16GB |
ディスプレイ | 5インチ |
解像度 | 720×1280 |
カメラ | 背面1320万画素/前面210万画素 |
バッテリー | 2800mAh |
OS | Android6 |
画面ガラス | ゴリラガラス3 |
ぎりぎりミドルレンジ?という感じです
雑感
今回ご紹介したスペックの読み方は、自分の用途に必要なスマホの最低スペックを知るためにお役に立つと思います。MVNO(格安SIM)を利用する際、端末付きプランや自分で端末を用意する時などは、選択肢の価格幅が広すぎて、どの程度の端末を選べば良いのか判らないと思います。
しかし、ライトユーザーだから安物端末で十分だという事ではありませんね。実際のところ超ライトユーザーでも安物端末を持つことには抵抗がありますので、オーバースペックでもブランドとデザインで選んでいる方がほとんどでしょう。私の周りの女性達は、一切ゲームをプレイしませんが、良いモノが間違いないだろうと超オーバースペック端末を使っています。
逆に親のお古端末を使っている子供達は、高スペックを求められる3Dゲームを貧弱なスペックの端末で無理やりプレイしています。
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