「【メールの件名】 緊急お知らせ えきねっと個人情報更新お願いします」の件名で送られてくるフィッシング詐欺メール被害が増えています。
その内容と対処方法について解説します。
詐欺メールの情報
- 件名: 【メールの件名】 緊急お知らせ えきねっと個人情報更新お願いします
- 差出人:Amazon.co.jp
- 差出人のメールアドレス:amazon-store@v0flih.shop、amazon-sms@toryburch2.shop、amazon-japan@1zvqlk.shopなど
このメールはフィッシング詐欺と呼ばれるメールなので、絶対にメール内のリンクをクリックしないで下さい
送信者を詐称した電子メールを送りつけたり、偽の電子メールから偽のホームページに接続させたりするなどの方法で、クレジットカード番号、アカウント情報(ユーザID、パスワードなど)といった重要な個人情報を盗み出す行為のことを言います。
海外から送られている事が多く、メールの本文は日本語が不自然なので、落ち着いて読めばインチキメールだと分かる内容の事が多いです。
メール内容
実際に送られているメールです
【件名】【メールの件名】 緊急お知らせ えきねっと個人情報更新お願いします
★。.:*:Amazon会員個人情報更新。★。.:*:
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お客様:
お使いの Amazon アカウントは、システム検出後にアカウントのセキュリティ レビューに合格していません. 1 日以内にアカウント情報を更新してください. 申し訳ありませんが、すぐに情報を更新しないと、システムがアカウントを凍結します.
今後ともAmazonをよろしくお願いいたします!
アカウント更新
このサービスは、Amazonメノバー専用の通知サービスです。このメールの内容
にご注意いただき、不必要な紛失を避けてください。
最近は、自然な日本語のフィッシング詐欺が多かったですが、今回は酷い内容ですね。しかもAmazonで「えきねっと」とは??
迷惑メールの送り主
メールのヘッダー情報から送信元をチェックしてみました。
- Received:by (from Amazon.co.jp (unknown [45.64.52.83])
by v1zvqlk.shop (Postfix) - Return-Path: <amazon-japan@1zvqlk.shop>
- Received-SPF: fail (メールサーバアドレス: SPF record (略)
- Date: Thu, 15 Dec 2022 11:50:06 +0800
正規のAmazonからのReturn-Pathヘッダーは、「〇〇〇〇@bounces.amazon.co.jp」となっています。手続きに関するメールを「store-news(ストアニュース)」というアドレスから送られてくることはあり得ません。
それ以外にもAmazonからのメールには、独自のヘッダー(X-AMAZON-METADATA:、X-AMAZON-MAIL-RELAY-TYPE: notification )が付いているので、ヘッダーをチェックすれば偽物は簡単に見抜く事ができます。
このメールのタイムスタンプは、+0800 となっています。通常日本国内から送れば+0900となるのですが、正規のAmazonが使用しているメールサーバからは GMT/UTC+0000 (グリニッジ標準時)の時間のタイプスタンプが付いて届きます。
ちなみにUTC+0800 (CST)は、中国標準時です。中国国内からタイムスタンプの改変はせずに詐欺メールを送っているようです。
飛び先ページについて
試しに飛び先ページを開いてみました。「https://mp.weixinbridge.com/」を開くと「https://tmiraido.shop」にリダイレクト(URL転送)されました(安全のためにURLを加工しています)
リダイレクト先のURLは複数あるようです。2種類確認しました。
・terradawine.shop
・miraido.shop
これらのURLは、そのままだとJPアマゾンにリダイレクトされるように巧妙に細工されています。しかしながら、メールからリダイレクトされる時は「/mp/wapredirect?url=」から続くコードが追加される事で詐欺サイトへと飛びます。
ぺ―ジを開くとURLの最後にIPアドレスを追加して、ログイン時に記録するようになっていました。
適当なメールアドレスとパスコードでログインしてみました。
「更新するまでアカウントにアクセスできません」の表示とともに、請求先住所を変更するという画面に入ります▼
適当に入力して進めると、次はクレジットカードの情報を求めてきます▼
全ての入力が終わると、正規のAmazon.co.jpに移動しました。
すでにGoogleの方に「フィッシング詐欺の報告」としてURLを送っておきましたが、記事執筆時はまだ該当URLに対策されていません。
このURLは一例です。フィッシング詐欺グループは、次々とドメインを変更しますので、Goolgeやセキュリティソフトのブラックリストに掲載前の新URLで届く可能性があります。
また古いパソコン(ブラウザ)をお使いの場合、フィルターでブロックする事ができない場合もあります。
フォームに入力してログインすると、アマゾンのアカウントが乗っ取られる恐れがあります。また今回の詐欺メールでは、支払いカードの情報の入力を求めています。カード情報を入力してしまうと、不正使用・送金される恐れがあります。
決してログイン・情報の入力をしないようにして下さい
ちなみに「miraido.shop」のドメインは、なんと日本の大手サーバーの「GMOサーバー」を使用されていました。
ドメインの所有者情報はありませんでしたが、地域のみ登録されていました
Registrant State/Province: zhe jiang
Registrant Country: CN
中国の浙江省ですね。
フィッシング詐欺サイトが消されても、メール内のリンクが長期間有効になるように、リダイレクト用のURLを使っているのが特徴です。
飛び先のフィッシング詐欺サイトがブロックされていも、リダイレクト先を変えれば良いように工夫したのだと思われます。
リダイレクト用のURL「 weixinbridge.com 」は、「MarkMonitor というレジストラで登録されており、登録者情報は非公開にする事ができるようになっていました。
対処法
このメールは無視して破棄するだけで構いません
万が一間違えて、ログインフォームにユーザー名(メールアドレス)とパスワードを入力してしまった場合、即時にパスワードを変更して下さい。
カード番号を入力してしまった場合は、カード会社にその旨を伝えて対策を取ってもらってください。
フィッシング詐欺の犯人は、得た認証情報を使って楽天などの他のECサイト、証券会社、銀行など、その組み合わせ(ID/パスワード)でログインを試行して悪用する可能性があります。
同じパスワードを使いまわしている場合、全ての登録パスワードを変更する必要があります。
またフォームに入力していない場合でも、サイトを閲覧した事でウィルスやマルウェア、ワームに感染している可能性があります。
スマートホン、パソコン内のウィルスチェックを実施するようにして下さい。
タカシ
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