中国新興メーカー「Magic-Ben」からリリースされた、UMPC(ウルトラモバイルパソコン)「MAG1」に、新たにLTE(4G)モデル版が加わりました。
ようやくSIMカードが挿せるUMPCが発売されましたね。
メーカーの方からプロトタイプ(試作機)をお借りする事ができましたので、端末を見ていこうと思います。実際の製品版とは異なる部分がある場合がございます。その点ご留意してお読みください。
Magic-Ben MAG1 Pocket
OS | Windows 10 |
---|---|
CPU | Intel Core M3-8100Y |
GPU | Intel UHD Graphics 615 |
ディスプレイ | 8.9 インチ 2560 x 1600 Pixcels |
RAM | 8 GB / 16 GB |
ROM | 256 GB /512 GB |
microSD スロット |
最大 128 GB |
Wi-Fi | 802.11 b / g / n / ac |
Bluetooth | 4.0 |
バッテリー | 8,600mAh |
対応バンド 4Gモデルのみ |
GSM/GPRS/EDGE: B2,B3,B8 HSPA+: B1,B2,B5,B8 TD-SCDMA: B34,B39 LTE FDD: B1,B3,B8 LTE TDD: B38,B39,B40,B41 |
インターフェイス | 3.5mmイヤホンジャック USB3.0 x1 USB-C x1 Micro HDMI |
サイズ | 207.2 x 146.5 x 17.5mm |
重量 | 690 g |
その他 | – |
端末レビュー
ディスプレイ
ディスプレイは、8.9インチ(2,560 x 1,600)の視野角178°のIPS液晶のタッチスクリーンを搭載しています。
画面占有率は 86% と広く、他のUMPCと比較しても、左右のベゼル幅が細いのが印象的です。その分コンパクト化できているという事なのでしょう。
画面の発色は良好で、光が映り込んでしまう光沢液晶タイプですが、バックライトの明るさも十分にあるので、見え難いという事もありませんでした。▼
ディスプレイは、10ポイントのマルチタッチに対応していますが、Yogaタイプのような折りたたんでタブレット風にしての使い方はできません。
ヒンジ部は130度まで開きます▼
画面スケーリングの推奨(デフォルト)で250%となっていますが、この状態だとカナリ窮屈です。快適に使うなら175 %から目の良い人なら150 %でもいいかも。
← 170% / 250% →
超極小端末ですが、ブログのライティングや表計算ソフト程度なら作業可能なレベルです。
もちろん時間は掛かりますが、それほど苦痛という程ではありません。
スケーリング250%画面での表計算ソフト▼
筐体
筐体はCNCアルミ合金を採用したクラムシェルタイプ。表面は指紋がかなり付きやすく、拭いて綺麗にするのに結構骨が折れます。
幅207.2×奥行き146.5 ×高さ17.5ミリ。重量は約690グラムとやっぱり小さい。
Macbook Airなどでお馴染みの、13.3型ウルトラブックノートと重ねてみます。比較するとサイズ感が分かると思います。
端末底面には大き目の滑り止めが付いており、上部寄りにはファン用の空気口が大きく開いています。
ファンは静音であまり気になりません。処理が重い作業や熱を持った時に「シャー」っと聞こえる程度です。▼
インターフェイス
インターフェイスは、端末右側面にUSB Type-CとUSB 3.0ポート、MicroSDカードスロット。
左側面には、Micro HDMI出力ポートと3.5mmステレオジャックが搭載されています▼
左側面にはSIMカード用のスロットも付いています。しかし手元の試作機にはアンテナとスロットのみでLTEモジュールは未搭載です。そのため実際にモバイルネットワークに接続してのテストはできませんでした。ちなみにLTEバンドは、B1/B3/B8に対応しているのでソフトバンク系のSIMは安定してつながりそうです。
Docomo系のSIMは、プラチナバンドに未対応ですが、都市部での使用には使えると思います。
Magic-Ben広報部によると、日本の技術適合認証は取得済みとの事。技適マークはしっかり本体に付くようです。
ストレージが追加可能という事なので、背面のネジを外して開けてみます。
ファンの横にM.2タイプ(2242)スロット。LTE対応版は、このスロットにWWAN ワイヤレスWANモジュールが挿入された状態で出荷されるようです。
バッテリー
バッテリーは8600mAhと大容量で、約7時間の使用が可能です。USB-Cポートは充電兼用で、USB PD(Power Delivery)充電にも対応しています▼
端末アンロックは、指紋による生体認証に対応しておりキーボード右上に配置されています▼
キーボードは、バックライト付きでブラックのキーが光るので見やすいです。キーピッチは18.2ミリあるので、窮屈な感じはありません。
キートップのフォントに少し癖があって、アルファベットの「O」オーと数字の「0」ゼロが同じマル。それが縦に並んでいるのが紛らわしい。他の文字も丸文字風で少し違和感があります。
キーの配置に関しては6列キーボードを採用しているので、それほど苦労する事なく自然と慣れました。
さすがに小さいので、ホームポジションに手を置いての作業は少し無理があります。それでも暫く遊んでいると、ブラインドタッチ風のキー入力までは出来るようになりました。
トラックパッドは極狭(50 x 23mm)。かなり小さいですが一通りの事ができ、このスペース内だけでも意外と何でもできました。
処理性能
CPUは、UMPCに良く使われているIntelの第8世代プロセッサー「Core m3-8100Y」を搭載しています。
メモリー構成は(メモリー/ストレージ)8GB/256GBモデルと、16GB/512GBモデルの2種類となっています。
手元にある試作機は8GB / 256GBモデル。各種ベンチマークを計測してみます。
ドラゴンクエストXIベンチマーク
標準品質 (1280×1080):スコア 4,510 / 普通
標準品質 (1920×1080):スコア 2,393 / やや重い
CINEBENCH R20:559pts
ストレージのアクセス速度は、読み込みはそこそこ速度が出ますが、書き出しはあまり伸びませんでした。
まとめ・価格・販売サイト
Magic-Ben MAG1は、GPD社の「 P2 Max」と非常に酷似したスペックとなっています。しかしP2 Max では小型化とキーピッチを優先するあまり5列キーボードを採用しました。その弊害として、作業中にキーの同時押しを多用するというデメリットがありました。その点ではMAG1は6列キーボードを採用していて操作性も良いので、 GPD P2 Maxの不満点を解消した上位互換的な印象を持ちました。
UMPCという実用よりロマンを追求したような超小型PCですが、”ごろ寝PC” や出先での簡単なメールや文書作成には面白いチョイスだと思います。
昨今のUMPCブームのきっかけとなった、初代GPD Pockeの7インチ画面では、さすがに文書作成は厳しかったです。8.9インチ画面でも、決して快適ではありませんが、何とかこなせます。コンパクトさと作業性の兼ね合いが丁度よいんですよね。
MAG1の4Gモデルは、SIMカードが挿せるので格安スマホ会社のデータSIMを挿しっぱなしにして持ち歩くと便利そうです。
家中を持ち歩きながらパソコンゲームのレベル上げ。ごろ寝しながらユーチューブ。スマートホンでビジネスメールを打てないタイプの人。
用途がはっきりしている人は、かなり活用できるデバイスです。
MAG1は現在、海外ECサイトGeekbuyingでのみの取り扱いとなっています。
商品名 | クーポン | 価格 | 期限 |
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Magic-Ben MAG1 16G+512GB/通常モデル |
MagicBen4GH | $ 839.99 |
~12/14 |
Magic-Ben MAG1 8G+256GB/4Gモデル |
MagicBen4GL | $ 699.99 |
~12/14 |
Magic-Ben MAG1 16G+512GB/4Gモデル |
MagicBen4GH | $ 839.99 |
~12/14 |
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