スマートホンのカメラは日々高画質になり、手軽に撮影する事ができるので、気が付けば膨大な量の写真や動画が溜まってしまいます。私の周りでも、増えすぎた画像の処理に困っている人が意外と多いですね。独身の方は、とりあえずオンラインストレージに保存しまくって、容量が足りなくなると削除しているという話を良く耳にします。今まで、LABホンテンでも何度かスマホ内の画像整理方法について記事にしてきましたが、保存したメディアにはそれぞれ寿命が存在します。今回は、数十年後でも、安全に確実に画像をバックアップしておくための方法を解説します。
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保存方法と危険性について
スマホ・PC内の画像を保存する手段は数多ありますが、それぞれ消失の可能性があるという事を想定して複数の手段でバックアップをとる必要があります
それぞれのバックアップ方法と、危険性についてまとめてみます
オンラインストレージ
危険性:
ID・パスワードを忘れてしまったり、突然サービスの終了の危険性もあります。また将来有料化される可能性もありますし、数年後・数十年後の状況が読めませんね。また、画像を閲覧したい時にネット環境が必要な事もネックになります。
数年前に「Google リーダー」が突然のサービス終了された時には、ネット上では大騒ぎでした。数十年後、同じ会社が同じサービスを同条件で存続している可能性の方が低いでしょう。
また、契約している人が亡くなった時の問題も、予め対策を取っておく必要があります。
バックアップに使えるオンラインストレージ
iOSをお使い方は、iCloudに画像や動画を保存していると、有料の追加容量を購入しなくては全く足りません。DropBoxやOneDriveを使っていても、無料の範囲内で全て賄う事は難しいでしょう。お勧めの運用方法は、無料の「Googleフォト」で無制限保存が可能な「高画質モード」を保険代わりに使い、DropBoxの「カメラアップロード」機能をベースに、残りの無料容量が少なくなった時に他の物理メディアにバックアップする方法です。
※GOOGLEフォトの高画質モードは、画像・画像を圧縮するので劣化保存する形になります
Googleフォト
価格: 無料
カテゴリ: 写真/ビデオ
DropBoxの容量を増やす方法はこちらのエントリー:
DropBox容量の無料容量を増やす方法・裏技まとめ
追記:Googleの「Inactive Account Manager(アカウント無効化管理ツール)」という機能を使うと、自分の死亡後にも指定ユーザーにアカウントを譲り渡す事ができます。
DVD・ブルーレイなどの光ディスク
危険性:
光ディスクは、数年後に歪みや寿命でディスク内を読めなくなる可能性があります。また、光学ドライブの故障で傷がついて読み取れなくなる事も多いので「DVDに焼いたから安心」と考えていると危険です。無名メーカーのメディアは、数年経過すると読み取れなくなる可能性が高く、メーカー物のメディアでも歪んで読み取れなくなったり、ホワイトラベルが剥がれてドライブが暴走する事もあります。「7・80年安心」としているメーカーもありますが、車の燃費と同じで理論値なので過信すると危険です。
歪んで、印刷できるレーベルが剥がれてドライブが故障した最悪の例▼
9年前に動画を保存した無名メーカーの読み取れなくなったDVD-RW▼
保存方法
そのままファイル形式で保存したり、DVD/Blue-rayムービーに変換してバックアップする事ができます
Blue-rayやDVDメディアにAVCHD形式※で動画を保存する方法は下記エントリー:
今さら聞けないiPhone・スマホで録画した動画をDVD・ブルーレイに保存する方法 | スマホLABOホンテン
USBメモリ/SDカード類
危険性:
フラッシュメモリ系のメディアは、小さいボディサイズで大量の情報を保存する事ができるので非常に便利ですが、バックアップ手段としてはカナリ危険です。フラッシュメディアは何度も書き込むほど劣化が進み、やがて寿命を迎えるとデータの読み書きができなくなります。また、長時間放置すると、寿命を迎えデータだけが自然に消えてしまう現象も起こります。一時的な保存領域と考えて使用してください。
HDD
危険性:
PCやNASなどに大量の画像・動画を保存している人も多いですが、ハードディスクには寿命あり、ある日突然アクセスする事ができなくなります。通電しない状態で外して保管していても、記録面の腐食や稼働部の劣化によって読み込めなくなる可能性があります。
写真印刷して保存
アナログで原始的な方法ですが、物理的に残るので火事にならない限り安心な方法ですね。しかし、インクジェット印刷だと水による滲みや経年によって、インクが消えてしまう可能性もあります。保存版にしたい写真は、互換インクを使わずメーカー物の100年プリントインクなどを使って印刷します。
私の保険バックアップの流れ
ここまで紹介してくると、完璧な方法が無い事を再認識してしまい書いている本人でも怖くなりました。保険バックアップしておいても、どれも寿命で消えてしまう可能性がありますね。この事を踏まえて、画像は複数の手段に分けてバックアップ保存する事を考えて下さい。
一例として、私のバックアップの流れを書いておきます
1、スマホ・コンデジ内ストレージ
2、ネットストレージに自動バックアップ(Googleフォト・DropBox)
3、DropBoxを通じて3台のPCに自動ダウンロード同期
4、DropBoxの使用容量が15ギガを超えたらNAS(ネットワークHDD)に分類保存
年別フォルダーを作成▼
年別フォルダー内にイベント毎のフォルダーを作って画像を分類▼
5、画像や動画はファイルのまま光メディア(DVD/Blue-ray)に保存
6、長編動画はAVCHD(Blue-ray形式)オーサリングして焼く
・子供関係の写真・動画は2枚焼いて、1枚は妻の実家に送る
・HDD内のメディアファイルは、消さずに保存済みフォルダーに移動
結局、画像・動画などのメディアファイルの保存先は4箇所に同じ物がバックアップされています
・Googleフォト内に今まで撮影した全ての動画・写真
・NAS(HDD)内に数年分の保存済みと未バックアップのメディア
・DVD/Blue-ray 各2枚
その後、10年経ったら光メディアから順にコピーして、劣化対策を取るのが最善なのでしょうが、面倒くさいですね。
後記
最近、妻が知り合った方で「亡くなったご主人が管理していたので、大量にあったハズの子供達の写真や動画のありかが判らない」という奥さんが居そうです。PCやスマホにはロックが掛かっていて、何ともならないと嘆いていたようです。
私は、テレビにつながっているプレイヤーで再生できる形式で保存していますが、PC内やネットストレージだけで撮影した画像を管理していたら、遺族の方は見つける事が難しいですね。
今はまだデジタル写真の歴史が日が浅いので、それぞれが自分の世代の画像を管理出来ています。しかし、これがもし、亡くなった親や、おじいちゃん・おばあちゃんの世代のデジタル画像なら?自分が撮りためた写真が、子供や孫の代まで受け渡す事ができるのか疑問です。
メディアに保存した形式のままだと1世代も持たずに寿命を迎え消失してしまいますし、オンラインストレージは個人契約。プリントしない限りは、茶ばんだ先祖の写真が代々受け継がれるような事は無くなってしまうのでしょうね。
タカシ
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