先日「Huawei Honor 9x」の実機レビュー記事を投稿しましたが、私がレビューしたモデルは中国版で、この端末には後発されたグローバル版が存在します。
読者の方から「中国版(Cn)とグローバル版のどちらが良いのか?違いは何ですか?」というご質問を頂きましたので、2つのモデルの違いについてまとめて記事に起こしてみます。
中華スマートホンの多くは、中国版とグローバル版、インターナショナル版というモデルに分かれています。モデルによる違いは、採用OSや GooglePlayストアがインストールされているか否かというソフトウェア上の違いがほとんどです。
稀に対応バンドが違う「Global band model」という特殊なケースもありますが、処理性能や搭載カメラなどのベーススペックが異なる端末は滅多にありません。
しかしながらHonor 9xはレアケースにあたり、中国版とグローバル版のスペックに大きな違いがありますので、購入の際にはご注意下さい。
中国版とグローバル版スペック
チャイナ版 | グローバル版 | |
---|---|---|
モデル名(型番) | HLK-AL00 / HLK-TL00 | STK-LX1/STK-LX3 |
発売日 | 2019年 7月 | 2019年 10月 |
OS | EMUI 9.1.1 Android 9.0 (Pie) |
|
SoC | Hisilicon Kirin 810 | HiSilicon Kirin 710F |
ディスプレイ | 6.59 インチ 2340 x 1080ピクセル FHD+ |
|
RAM | 4 GB / 6 GB | |
ROM | 64 GB / 128 GB | |
MicroSDカード | 最大 512 GB | |
フロントカメラ | 1,600万画素(F/2.2)広角 | |
リアカメラ | 4,800万画素(F/1.8):広角 300万画素(F/2.4)深度用 |
4,800万画素(F/1.8):広角 800万画素(F/2.4):超広角 300万画素(F/2.4)深度用 |
アンロック | 指紋 | |
防水 | 非対応 | |
Bluetooth | 5.0 | 4.2 |
Wifi | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11a/b/g/n |
対応バンド | 2G:GSM B2/B3/B5/B8 3G:WCDMA B1/B5/B8 TD-SCDMA B34 / B39 4G:FDD-LTE B1/B3/B7/B8/B20 TDD-LTE B38/B39/B40/B41 |
|
バッテリー | 4,000 mAh | |
サイズ | 163.1 x 77.2 x 8.8mm | 163.5 x 77.3 x 8.8 mm |
重さ | 206 g | 196.3 g |
中国モデルの実機レビュー記事▼
2モデルの仕様の違いについて
デザイン的にはアウトカメラが1つ追加された程度の違いですが、サイズ的にグローバルモデルの方が0.4ミリ、幅が 0.1ミリ長くなっています。
チャイナモデル: 163.1 x 77.2 x 8.8mm
グローバルモデル:163.5 x 77.3 x 8.8 mm
重さに関しては、中国版が206グラムに対してグローバルモデル版 196.3グラムと約 10グラム軽くなっています。
指紋認証
中華モデルは端末サイドの電源ボタンが指紋認証と兼用ですが、グローバルモデルの指紋認証は端末背面に配置されています▼
上:中華モデル、下:グローバルモデル▼
カメラ
ディスプレイ周りやフロントのポップアップ式カメラなど、前面に関してはスペック差はありません。
ちなみにポップアップ式のフロントカメラは 1600万画素(F/2.2)のセルフィカメラを採用しています。
フロントカメラのポップアップ▼
リアカメラが中国版はデュアルレンズなのに対して、グローバル版はトリプルカメラを採用しています。
ベースの2つのカメラは同じで、SONYのイメージセンサーIMX 586を採用した4800万画素(F / 1.8)のメインカメラと、被写界深度用の200万画素(F/ 2.2)のサブカメラを採用しています。グローバル版はそれに加えて800万画素(F/2.4)の超広角カメラが追加されています。
通常モードでの撮影は基本的に48MPのメインカメラを使うので、超広角撮影モードが追加されたと考えると分かりやすいと思います。
内部スペック
どちらのモデルも、メモリ構成は、RAMが4GB/6GB、内部ストレージ容量が64GB/128GB。外部ストレージは、最大512GBまでのMicroSDカードに対応しています。
一番の差はプロセッサー。中国版はSoCにはHisilicon 製「Kirin 810」を採用したミドルアップアッパークラスの端末に対して、グローバル版は「Kirin 710F」を搭載したミドルクラスの処理性能となります。
Antutuベンチマーク総合スコアv8で比較すると、Kirin 810が約 28万ポイント、グローバル版に積んでいる Kirin 710Fは約 16万ポイントと大きく差がでます。
どちらの端末でも出来ないゲームはほとんどありませんが、処理の重いゲームをプレイすると中国版が搭載している Kirin 810の方が圧倒的に快適です。
普段使いに関しても処理性能の差は顕著で、2つのプロセッサーを並べて使うとKirin 710Fの方がモッサリ感じてしまうレベルです。
またBluetoothのバージョンも異なり、中国版は v5.0に対してグローバル版は v4.2となっています。
Wifiまわりも異なり、中国版はac(5GHz帯)に対応していますが、グローバル版は非対応です。
CnモデルとGlobalモデルまとめ
Honor 9Xのグローバル版は、9X中国版をベースにしているのではなく、Honor 9X ProのSoCを積み替えたモデルのようです。
9X 中国版:2カメラ + Kirin 810
9X グローバル版:3カメラ + Kirin 710F
9X Pro中国版:3カメラ + Kirin 810
※ちなみに9X Proグローバル版は、スペック的に中国版Proと同じでHuawei AppGallery がインストールされたモデルとなります。
個人的には9Xグローバル版の製品名は、同じ9Xとするのではなく「Honor 9X Pro LITE」と言う表記が相応しいように思います。
商品名が同じでは紛らわしいですからね。
どちらのモデルを選ぶのが良いのかというご質問に関しては、広角レンズ1枚少ないですが圧倒的な処理性能の差がありますので、Play ストアをインストールした中国モデルをお勧めします。
万が一Playストア未インストール版を購入してしまっても、自分で後からPlayStoreをインストールする事は可能です。
追記:グローバルモデルに触れる機会がありましたので、実機を使って2モデルの違いを記事にしました▼
タカシ
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