中国オーディオ機器メーカー OneOdio(ワンオーディオ)のサブブランド「SuperEQ」が発足され、第一弾としてワイヤレスヘッドホン『S1』が発売となりました。
SuperEQ S1は、「ANC(アンチノイズキャンセリング)機能」と「アンビエント(外音取り込み)機能」を併せ持ったエントリーモデルのBluetoothヘッドホンです。
結論から言うと、若者向けのカジュアルなデザインのエントリーモデルですが、細部まで拘って設計されており、素材感から音質までコストカットの為のチープさが全く感じられない名機でした。
ページコンテンツ
SuperEQ S1 スペック
型番 | S1 |
---|---|
対応コーデック | SBC / AAC |
マイク感度 | – |
ハイレゾ対応 | AUXケーブル使用時のみ |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetootthプロファイル | HFP、HSP、A2DP、AVRCP |
ドライバユニット | φ40 mm |
再生周波数帯域 | 20Hz – 20,000Hz 16Hz – 40KHz(AUXケーブル接続時) |
インビーダンス | 不明 |
接続端子 | 3.5mm |
充電時間 | 約 2 時間 |
連続再生時間 | 最大40時間(ANC+BT) 最大45時間(BT) 最大50時間(ANC) |
バッテリー容量 | 380 mAh |
サイズ | 17 x 15 x 14 cm |
重量 | 約 300 グラム |
Android端末に接続すると、AACーデックが確認できました▼
開封の儀
【パッケージ内容】
- S1ヘッドホン x 1
- 3.5mmケーブル x 1
- MicroUSBケーブル x 1
- AirPlaneジャック
- 収納ケース x 1
- 取扱説明書 x 1
取扱説明書はマルチ言語仕様で、日本語による説明もありますが、タイトルのみで説明は英語です。
それでもイラストで説明しているので、分かると思います▼
ざっくり感想
コンパクトに折り畳んで収納ができる
価格帯以上のノイズキャンセリング性能
音が変質しない外音取り込み機能
平均点以上の高音質
解像度が高くクリアな音質
ポップスのボーカルが映えた音質
イコライザーアプリで音質調整可能
通話音質がクリアで自然
テレワーク用途に使える音声通話品質
50時間の長時間再生が可能
入力ジャックがMicroUSB
ヘッドホンからボリュームの調整幅が少ない
筐体
S1は、耳を完全に覆うタイプのオーバーイヤーヘッドホン。
ホワイトのスベスベボディで、内側がレッド。雰囲気的にBeats Solo風の落ち着きがあります▼
カラーバリエーションは、ホワイトとブラックの2色展開▼
SuperEQのロゴが入ったメタルハウジング。高級感があっていいですね▼
ヘッドバンド部分もマットホワイトで、製品コンセプトの「BE FREE」が印刷されています▼
ヘッドバンド裏側もフワフワで頭に負担が掛かりません▼
本体は折り畳みが可能で、ヘッドバンド部が折れてナツメ状にコンパクトになります。
収納ケースはレザー風の巾着が付属しています▼
本体重量は実測で約 285グラム。公称値 300グラムより軽いですね▼
イヤーパッドは低反発素材を使っており、かなり柔らかいです。内側にL/Rがプリントされています▼
充電用インターフェイスはMicroUSB。バッテリー容量は350mAhで、連続再生は最大50時間の長時間再生が可能です。
付属品のアクセサリー類は3.5mmケーブル、MicroUSBケーブルに加えて、航空機内用 3.5mmデュアルジャック変換アダプタ が付属しているのは珍しい▼
操作・機能
右側のハウジング部下側に操作ボタンが格納されており、ボリューム調整(+/-)マルチボタンの3つのボタンに加え、下の方にはANC切替ボタンが配置されています。
ヘッドホン本体から音楽・通話の操作が可能です。音楽に関しては、フル操作が可能です。再生 / 停止、ボリューム調整、音楽コントロール(前後スキップ)に対応しています。
【操作コマンド】
・ボタン | ・・ボタン | |
---|---|---|
音楽操作 | ||
マルチボタン | 再生/一時停止 | |
マルチボタン長押し | 電源オン/オフ | |
短く押す | 音量下げる | 音量上げる |
2秒長押し | 前の曲(動画) | 次の曲(動画) |
通話 | ||
マルチボタン1回 | 通話/電話を切る | |
マルチボタン2回 | リダイヤル |
【ANCボタン】
クリック:ANC / 外音取り込み切替
長押し:ANC / Bluetoothモード(ノーマル)切替
ヘッドホンからのボリューム調整は、スマートホン本体のボリュームとは別で、調整幅が少な目です。ただしスマートホンである程度調整しておけば良いので、大きな問題では無いと思います。
音質・機能
音質
数日間使い倒して、20時間以上エージングした後の感想です。
大口径40mmドライバーを搭載しているだけあって、ヘッドホンならではの音の迫力があります。低音から高音までバランスのとれたクリアな音質で、籠りの無く“抜けの良い” 音質だと感じました。
アコースティックギターでは、弦がはじかれて消えるまでの残響など、綺麗に聞き取る事ができる音の解像度もあります。
このヘッドホンの音質の一番の魅力は、重低音のディテールの再現率。重低音をズンズン強調するだけではなく、EDMを聴くとキックベースの音が弾むような低音を再現します。またポップスでは、ヴォーカルの声を打ち消す事なく、バックでズンズンとベースが鳴り響く感じ。
音楽によって器用に低音を操っている感覚が気に入りました。
ポップスやアニソンなどを聴くと、ボーカルが映えて迫力があります。また音の定位感も表現できているので、立体音響を活かした音楽も楽しむ事ができます。音楽鑑賞に関しては、ジャンルを問いませんが、どちらかと言えばクラッシックやジャズというより、若者向けのEDMやポップスなどに向けてチューニングされているように感じました。
定位感により、目を閉じていても敵の位置を把握できるので、FPSなどのゲーミングヘッドホンとしても使えます。遅延が気になるようなら、ミニステレオケーブルで有線モードでも遊べます。
またS1は、遅延に強いBluetooth5.0に対応しています。動画を再生してみても、人の話声と口の動きの遅延は全く分からないレベルです。
アクティブ・ノイズ・キャンセリング(ANC)
SuperEQ S1 が採用しているANC(アクティブノイズキャンセリング)の方式は、ノイズと逆位相の音を再生して打ち消す「フィードフォワード方式」と、内側に搭載したマイクでノイズを拾って、ノイズと音楽を足したものの逆位相を作る「フィードバック方式」を組み合わせたハイブリッド型です。
通常、エントリーモデルタイプでは「フィードフォワード方式」のみを採用している場合がほとんどで、ハイブリッドタイプは貴重です。
右側のANCボタンで、ノイズリダクションON ➡ アンビエントONが切り替わります。なお、各モードは、音声で確認できます。
ノイズキャンセリングのノイズ(騒音)をキャンセル(打ち消す)性能は、低音域に限られています。最大33dbまでの音量の雑音をカットしてくれます。
ノイズキャンセリング機能の対応周波数は公表されていません。他のノイキャン端末と聞き比べてみると、恐らく上は1,000Hz程度までの周波数に対応していると思われます。ちなみに1,000Hzは、女性の話し声程度と言われています。
ノイズカットとしての実用性は、エアコンの音や電車のモーター音、車のエンジン音などの低周波数のカット程度までですね。
また飛行機内の動画を流して、機内のホワイトノイズをスピーカーで大音量で流してみました。かなりのカット率でしたので、航空機内でも快適にサウンドを楽しめると思います。
音楽を消した状態でANC機能をオンにすると「デジタル耳栓」としても使えますが、この場合も低音域のノイズカットに限られます。
ちなみにSONYなどの数万円クラスのハイエンドモデルは、雑音抑制周波数 40Hz~1,500Hz程度です。
ノイズキャンセリング時の音質に関しては、ノイキャン時でも音が変質したりする事が無く自然に聴けました。私の耳では、ノイズキャンセリング時にホワイトノイズが入って気になるという事もありませんでした。
アンビエント機能(Ambient)
外音取り込み機能(アンビエント)は、イヤホンを外す事なく環境音をデジタル的に聞き取る機能です。
概してアンビエント機能は、デジタル割れしたり環境音が変質しがちですが、S1では自然な音が耳に届きます。ハウジングに穴が開いたような感覚で、音がスルーしてくる間隔で聴こえるようになります。
音楽を止めるとイヤホンを装着したまま会話ができます。このモードを使っても、外音を取り込みながら安全に音楽を聴くには、音量をある程度下げる必要がありますね。通常音量で、車の接近に気が付く程の取り込み機能ではありません。
通話機能
S1にはマイクが内蔵されており、 Bluetoothによるワイヤレスモードでの音声通話機能が利用できます。
内蔵マイクの詳細は不明ですが、こちら側の声が明瞭でマイク付きのヘッドセットで通話していると錯覚する程です。
オンライン授業やテレワークなどでも十分に使える性能だと思います。
ちなみに屋外ではテストしていませんので、通話マイクのノイズキャンセリング機能については検証しておりません。
操作・装着感
装着感に関しては、メガネを掛けていても痛いような事はありませんでした。オーバーイヤーヘッドホンなので、オンイヤー型のように側圧による痛みを感じるような事はありません。
サイズ調整の可動域は広いので、あらゆる頭のサイズにフィットすると思います▼
頭の形にフィットするよう、ハウジング部の付け根に遊びを持たせています▼
まとめ・価格
SuperEQ S1 を使った印象は、デザインと素材感から装着ギミックまで作り込みが素晴らしい。エントリーモデルのヘッドホンは、見せかけだけでプラスチックを多用している場合が多いですが、S1はハウジングにもメタルを使っており安っぽさは微塵も感じませんでした。
また通話用マイクの性能が良く、テレワークやゲームチャットに向いていますね。通話音声を伝える力は、マイク付きの低価格ゲーミングヘッドセット並み。自然な会話が楽しめます。オンイヤーヘッドホンのように長時間装着していても痛くなりませんし、テレワーク用途にも良いヘッドホンだと思います。
マルチポイント対応していますので、パソコンを操作しながらスマートホンでの通話も可能です▼
価格は¥5,999円前後(記事執筆時)。Amazonにて購入可能です。
タカシ
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