革製品は水が苦手ですが、雨や汗などから完全に守る事は難しいと思います。
また男性なら経験のある方も多いと思いますが、夏になるとお尻のポケットに入れた財布やスマホケースが汗で濡れてしまう事もあります。もともと撥水・防水加工されている革製品でも、防水性能が経年劣化で機能しなくなります。
革製品が濡れてしまうとシミができたり、ひび割れや革が固くなってしまうだけではなく、カビや細菌による劣化を招きレザーの寿命が短くなります。
そこで今回は、スマートホンのケースや財布、定期入れ、バックなどの本革製品を防水加工する方法を解説します。
登山靴用防水レザージェル&ワックス
今回ご紹介する方法は、本格的に革製の登山靴の手入れや防水加工する時の定番の手法を使います。ヌバック革のみならずスムースレザー、スエードなど様々な革製品の防水加工が可能で、ゴアテックスが劣化した登山靴でも、防水効果が蘇るほどに強力です。
今回の工程は革にレザー防水ジェルを塗り込んで、更にキズから守り防水効果を上げるようにレザーワックスを塗り込みます。そこまで必要が無いという方は、どちらか1つの処理を施すだけでも十分に日常防水になります(防水ジェル推奨)
「コロニル」というメーカー製のレザージェル&ワックス▼
1,レザー防水ジェル
レザージェルは、革内部に浸透して革クリーム的な栄養効果と防水に効果があります。こちらのジェルはスムースレザー、起毛系のヌバック、スウェード、ベロア革でも使えます。
レザージェルを手に取って、革に塗り込みます。革が濡れている時に塗り込むと、より浸透して効果が高くなります。しかしながら、登山靴は手入れの時に水洗いするので、水に濡らしても問題ありませんが、一般的な革製品を濡らして良いとは思えません。濡らさないで防水処理も可能です。
また革の中に型紙などが入っている場合、型崩れする事もありますので濡らす際には注意してください。
今回は財布を買い替えたので、古い財布を“レジャー専用“に再利用します。この財布は革とチャック部だけの素材構成なので、徹底的に防水加工するため濡らしてレザージェルを塗り込みました。購入時に1度、防水加工を施していますが、数年経ちますので防水効果が切れています。
スムースレザーの場合、塗り込んでも浸透している気がしないので、私は表面だけでも湿らす程度にブラッシングでけば立ててから作業するようにしています。
水でブラウジング▼
水は拭き取らずに、防水ジェルを手に付けて塗り込みます▼
金具や縫い目などは馬毛ブラシでムラなく塗り込みます▼
※財布やスマホケースならブラシをわざわざ買う必要はありません。リベットなどの隙間に入り込んだジェルは、歯ブラシで掻き出すと良いでしょう。
2,ワックス加工
ワックス加工は、更に防水効果を上げるだけではなく、艶出しとキズ防止にもなります。ただし、ヌバックレザーの場合は色合いが変わってしまい、二度と元の色に戻らないので注意して下さい。使用対象素材は、スムースレザー、オイルレザー、オイルヌバック。YouTubeなどではスエードでも推奨している方が居ますが、私はスエードに使った事はありません。
以前、グレーのヌバック革の登山靴に塗った時の画像です。奥が元の色で手前側がレザーワックスを塗った後。
かなり濃いダークグレーの登山靴になりました▼※個人的には塗った後の色の方が、渋くて気に入っています。
以前、モンベルのアルパインクルーザー2500という薄茶色の登山靴をワックス加工した時は、THE重厚レザーという色味になりました。
木の色で例えると、マホガニー色の靴がチークの色より濃いウォールナット色っぽくなりました。
また登山靴にワックスを塗る事に関しましては、浸透性が失われるなど諸説あります。今回その話は割愛しますが、ボロボロになった登山靴の延命にワックスを塗って甦ってからは、ワックス塗る派になりました。
ワックス塗りは、先ほどの防水ジェルが乾く前に続けて始めます。
手に取って塗り込みます▼※ 画像では分かり難いですが、未だ水でしっとり濡れています
ブラシがある場合、こすり上げながら細かい部位にワックスが入り込むようにブラッシングします▼
べたつきが無くなるまで手の平熱と摩擦で浸透するように塗り込みます▼
この状態で2日間陰干しで乾燥させます。濡らしていない場合、半日程度で良いと思います。
登山靴では、乾いたら水ブラッシングの工程から同じ事を3回行います。今回の財布は「山財布」として酷使する予定なので、この後2回作業しました。
水ブラッシングしていない場合でも、2回塗りは施しておきたいところです。もしくはワックスだけ2度塗りでも良いと思います。
さらに「防水ナノクリーム」で仕上げるという方も居ますが、コストがかかるので私はココまでです。
3,防水スプレー
この財布の場合、チャック部があるので防水スプレーを吹き付けておきます。防水スプレーにはシリコン系とフッ素系の2種類がありますが、革製品にはフッ素系を使います。
直接レザーにスプレーする訳ではありませんが、シリコン系のスプレーが革に掛かるとシミになったりします。フッ素系の防水スプレーは通気性があり革が痛み難く、繊維の細部までコーティングして、油などの汚れからも守りますのでお勧めです。
革製品に防水加工まとめ
3回塗りした後は水をしっかり弾きます▼
私はバックや財布・パスケースなど、レザー製品は何でもこの方法で防水加工しています。知る人ぞ知る加工方法ですが、登山靴にワックスを塗った方は、何でもかんでも防水加工を施したくなるようです。車のレザーシートに塗っているというレビューも読んだ事があります。
我が家では一式が消耗品で、今回の記事を書く際にもワックスを1本買い足しました。
今回使っているワックスは登山靴用の製品ですが、革小物も結局は同じレザー製品!ぬるい防水処理を施すくらいなら、大切な革製品を本格的なアウトドア仕様にしてみるのも面白いと思います。
※ 但し、革の質感や色が変わりますので、自己責任でお願いいたします。
タカシ
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