米Evernoteは現地時間6月28日、一般ユーザー向けの料金プランの値上げと無料版「ベーシック」の機能縮小を発表しました。今回の機能縮小の内容は、無料版「ベーシックプラン」では、従来はノートを複数の端末で同期できましたが、今後は同期できる端末が2台だけに制限されます。
その発表を受けて、Evernoteの代替アプリとしてOneNoteに乗り換えるライトユーザが多数でている模様です。今回は、無料のOneNoteがEvernoteの代わりになるのか機能を比較レビューして、乗り換え方法を解説してみようと思います。
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Evernoteの課金圧力
筆者は仕事用のアカウントは「プレミアム」プランを利用していますが、プライベートで使用してるベーシックプランのアカウントには下記のような警告のメールが届きました。
Evernote は、ユーザの生産性を最大限高めるためのお手伝いをすることだけではなく、弊社のビジネスを可能な限り透明に運営していくことをお約束します。本日は、無料版の Evernote ベーシックに関する、重要な仕様変更についてご連絡差し上げました。
今後、Evernote ベーシックで利用可能な端末の数を 2 台までに変更させていただくことになりました。例えばパソコン 1 台とスマートフォン 1 台、パソコン 2 台、あるいはスマートフォン 1 台とタブレット 1 台といった具合です。お客様は現在、2 台よりも多い端末で Evernote をお使いいただいております。この仕様変更には 30 日の移行期間を設けさせていただきますので、お手数をおかけいたしますが、ご利用端末数の調整をお願いいたします。なお、Evernote プラスまたは Evernote プレミアムの場合、引き続き端末数の上限なくご利用いただくことができますのでご検討ください。
無料の「ベーシックプラン」の転送量は月60Mと極端に絞られており、ノートのオフライン利用もできません。もともとEvernoteは、無料で使うには肩身が狭く、課金圧力の強いアプリでしたが、今回の機能縮小で「ベーシック」は更に利用価値が少なくなってしまいました。
先日は、Evernoteの有用アプリであったPC版のSkitchとChrome拡張のClearlyのサポートも打ち切りを行い、ユーザー達からは大ブーイングを受けたばかりですので、Evernoteの台所事情が厳しい事が伺えます。
Microsoft OneNoteに乗り換え
私はプライベートではテキストメモとWEBページをクリップしていた程度ですので、最低限の機能しか必要としません。しかし、同期を取っている端末はPC3台・スマホ2台・タブレット1台・Kindle1台の合計7台。2台に絞り込む事は到底できません。課金する程でもないので、今までインストールして放置していたMicrosoft「OneNote」に乗り換えてみる事にしました。
※以前のOneNoteは、フル機能を使用するにはOffice365を購入する必要がありましたが、昨年2月制限を撤廃し、全て無料で使えるようになりました。
Windows版とiOSアプリをダウンロードして使ってみます
公式サイト:http://www.onenote.com/
Windows版
OneNoteは「ノートブック」>「セクション」>「ページ」の三層構造になっています▼
タグ機能(タスクノートシール)
OneNoteにはタグ管理機能と同等の「タスク ノートシール」という機能があります
「ホーム」メニューで表示▼
チェックリスト形式でページ内に埋め込まれる形です▼
検索も同様に「ホーム」>「ノートシールを検索」▼
ノートブック/セクション/ページ単位で検索する事が可能で、チェックの有無でも絞り込む事ができます
Excel文書を挿入
OneNoteはスプレッドシートをファイルから挿入する事ができます。Officeドキュメントをシームレスで使えて編集・連携できる事が最大のメリットでしょう
Evernoteではテキスト形式でしか挿入できなかったExcel文書もデザインを保持した状態で貼り付け可能▼
この機能は非常に嬉しい♪
画像注釈アプリ
アプリ単体での配布を中止した画像注釈ソフトの「Skitch」ですが、引き続きEvernote内では使用する事ができます。OneNoteでは、画像では無くページ内に注釈を描き込む事ができます。画像編集に関しては移動・回転・サイズ変更のみとなっています
画像の注釈を入れたい場合、PCなら「Screenpresso(スクリーンプレッソ)」の機能が特出しており、全てにおいて「Skitch」以上でオススメです
iOSアプリでは「Annotable 」▼
※無料で使える色は赤のみですが優秀です
Annotable — Ultimate Image Annotation Tool
開発: Ling Wang
アプリ版OneNote
アプリ版(iOS)のOneNoteも使ってみました。
直観的に使えるので特に不便は感じませんでした▼
ページ表示▼
Evernote同様にWebページをクリップも可能▼
OneNoteが無料でできる事
筆者を含め、やはり使い慣れたEvernoteがを使い続けたい方が多いと思いますが、今回の機能縮小に加えて無料で出来る内容を比較すると、差の大きさに愕然としてしまいます。
OneNote | EverNote | |
モバイルのメモにオフラインでアクセス | ○ | X |
無料アップロード容量 | 無制限 | 60M |
メモにメールを保存 | ○ | X |
名刺のデジタル化 | ○ | X |
OneNoteで名刺をスキャンして管理する方法の記事を公開しました▼
OneNoteにスマホカメラで名刺をスキャンして管理する方法 | スマホLABOホンテン
EverNoteからノートのインポート方法
Windows版のインポートソフトは、こちらのページから無料でダウンロードできます▼
画面の指示に従って、Evernote/OneNoteにログインして「インポート」をクリックして完了。階層が違う事もありますので、ノートが少ない方はコピペで移動した方が早く綺麗に整理できると思います。
※Mac版も近日中にリリース予定です
少し使った感想は、リマインダーが無い程度でそれほど不便は感じていません。しかし、使い慣れたインターフェイスを他のソフトに変えると、しばらくの間は非常に手間がかかってしまい仕事に支障が出てしまいますね。
追記:ソースネクストの「EVERNOTE(エバーノート) プレミアムパック」は、3年間で8,900円(税抜)の格安価格で発表後も販売されています。
Evernoteの課金圧力に対して厳しい意見を書きましたが、それでも私は「Evernote」が嫌いにはなれません。ただ、広告収益を考えず、サービスのみでビジネスを成立させるという形では、ビジネスモデルが成立していない気がします。Evernoteではライトユーザーの取り込みの為に「プラス」プランを開始していましたが、それでも思うように取り込む事ができなかった結果、今回の値上げ+機能縮小の発表になったようです。ノートは半永久的に残したいものですが、会社の体力も考えて、このまま管理を任せ続けて良いのか、少し疑問を感じましたので一部アカウントをOneNoteに移動しました。使い勝手が良ければ仕事で使っている有料プランも、次回の更新時に継続しない予定です。
タカシ
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