オーディオ機器ブランド「1MORE」の完全ワイヤレスイヤホン 『PistonBuds PRO Q30』の、日本国内での発売が開始されました。手元に来ましたのでご紹介します。
Q30は同社のエントリーモデル「PistonBuds PROシリーズ」の最新モデルです。エントリーモデルも関わらず「空間オーデオ」を実現した完全ワイヤレスイヤホンです。
また42dbまでのANC(ノイズキャンセリング機能)、パススルー機能、イヤホンを外して一時停止機能、遅延を抑える「低遅延モード」などを搭載しており、最新ハイエンドTWS並みの機能モリモリのコストパフォーマンスの高いイヤホンとなっています。
実売価格は約5,000円!この価格で本当にスペック通りに機能しているのか?実際に使い倒してみましたので、使用感を共有したいと思います。
ページコンテンツ
ざっくりレビューフラッシュ
ノイズキャンセリング機能で騒音を大幅にカット
外音取り込み機能が秀逸
ダイヤモンドライクカーボンドライバー搭載
深みのある重低音
全音域で整った音質
装着検出機能
10分の充電で120分の再生が可能
ハイセンスなデザイン
6マイクでクリアな音声通話
ノイズリダクション機能の調節が可能
個人の耳に合わせたチューニング機能搭載
耳から外すと一時停止・再装着で再生機能搭載
DNNインテリジェントアルゴリズムHD風切り音耐性機能搭載
1回の充電で最高 7.5時間の使用が可能
Qi(チー)ワイヤレス充電に非対応
1MORE PistonBuds PRO Q30スペック
型番 | EC305 |
---|---|
イヤホンタイプ | カナル型 |
チップセット | ー |
Bluetootthプロファイル | HFP / A2DP / AVRCP |
対応コーデック | AAC / SBC |
再生周波数帯域 | – |
音楽再生時間 | 約 7.5 時間 ケース込:30時間 |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
防水等級 | IPX 5 |
ドライバーユニット | DLC(ダイヤモンドライクカーボン)製振動板 |
インビーダンス | 16Ω |
ノイズキャンセリング | QuietMax |
通話 | 6マイク通話ノイズキャンセリング |
装着検出機能 | あり |
イヤホン充電時間 | 60分 |
ケース充電時間 | 120分 |
バッテリー容量 |
イヤホン:43mAh ケース:410mAh |
ケース重量 | 34.8 グラム |
イヤホン重量 | 約 4.6 グラム |
ケースサイズ | 24 × 43 × 62 mm |
開封の儀
【パッケージ内容】
- 1MORE PistonBuds PRO Q30イヤホン x 1ペア
- 収納充電ケース x 1
- イヤーピース 3種類
- USB-C充電ケーブル x 1
- 取扱説明書
※ 取扱説明書は今主流のマルチ言語形式。日本語でも詳しく解説されています
製品レビュー
イヤホン本体
Q30はイヤホンとデバイス間がワイヤレスで接続し、なおかつ左右が完全に独立した Bluetooth 接続のカナル型のTWSです。
イヤホン本体は、Appleの AirPodsシリーズに代表されるスティックタイプですが、スティック部が棒状になっているのが特徴的です。
艶アリホワイトで1Moreのロゴの「1」がデザインされています▼
カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色展開。
イヤーピースはAirPods Pro風の楕円形。市販のイヤーチップは使えません▼
IPX5の防滴仕様。汗や雨程度の水から防げる防水等級です。
※ ケースは防水ではありません
イヤーピースは、 S / M / L の3 種類のサイズが用意されています▼
重さは実測で片側 約 4.8グラム▼
チャージケース
充電ケースは縦型の自立するタイプ
ケースのサイズは、実測で 幅62 x 高さ 43x 厚さ24. ミリ
リップクリームと並べてみます。サイズ感が伝わるかな▼
充電ポートのUSB-Cはケースの底、技適マークとリセットスイッチもここについていました▼
イヤホンを格納したケースの重さは約 43グラム▼
充電ポートはUSB-C。ケースにはバッテリーのインジケーターは付いていませんが、1灯ついているLEDの色で残量を確認できます。
緑点灯:100-70% / オレンジ点灯:69-30% / 赤点灯:29%以下
※Qiワイヤレス充電には対応していません
1回の充電で約 7.5時間※使えます。ケースに戻しての充電を含めると合計 30時間。通勤・通学程度でしか使わないのであれば、ケース本体への充電は数日おきで間に合いそうです。また、緊急時には 10分の急速充電で2時間の使用が可能です。
※ ANCオンで5時間
通話テスト
Q30にはイヤホンにマイクが内蔵されており、ハンズフリー通話機能が実装されています。DNNアルゴリズムと片側3マイクによるクリアな通話品質を可能にしています。
両方のイヤホンにマイクが3つ(合計 6基)実装されており、雑音をカットした快適な会話を可能にしています。
何度も運転中に通話しましたが、車の騒音に負けることなく自然な会話ができました。声が変質したり途切れるような事もありませんでした。また片耳モードでも普通に会話ができました。
使い方
ケースをから取り出すだけで接続済みのデバイスとペアリングされます。初回はペアリングモードで起動します。
後はスマートホンの 設定を開き、Bluetoothから選択するだけで完了。
専用アプリ
1MORE MUSIC
開発: 1MORE Acoustic Technology(Shenzhen) Co., Ltd 評価 無料 |
操作方法
操作はタッチ式。イヤホンの背中側のロゴ部分をタップする回数で操作を行います
左(L) | 右(R) | |
---|---|---|
音楽操作 | ||
2回タップ | 再生 / 一時停止 | |
3回タップ | 音声アシスタント Siri、OKグーグル起動 |
|
長タップ | ANC機能切替 ※ | |
通話 | ||
2回タップ | 通話/電話を切る | |
3回タップ | 通話切替 |
※ 1more Musicアプリで設定したANCモードで、ノイズリダクション➡パススルー➡オフがローテーションして切り替わります
※ ケースに戻し、ケースのボタンを3回押すと再ペアリングモードに入ります
1more Music アプリからタッチ機能をカスタマイズする事もできます▼
装着検出機能と呼ばれる装着センサー(耳から外して一時停止、再装着で再生再開)も搭載されています。
操作・装着感
操作性について
充電ケースから取り出すだけでイヤホンの電源が入り、ペアリング済みのデバイスに接続する「自動ペアリング」機能が搭載されています。
ペアリングが完了するとパコンとイヤホンから音が聴こえます。私のタイミングだと耳に入れた時に、ペアリングが完了するタイミングでした。
またケースに戻すと自動的に充電が開始され、ペアリングが解除されます。デバイスとの接続に関しては、余計なプロセスは必要ありません。
イヤホンの操作感については、背面のハウジング部を軽くタッチ(ノック)すれば受け付けてくれます。操作は2回以上のタップとなっていますので、触れただけで誤作動するような事はありません。
装着感
一度装着するとフィットして重さを感じる事はありませんでした。日中はずっと装着しており、バッテリーが減るとケースに戻すといった使い方を続けていました。違和感や痛みはありませんでした。
夕方にはスポーツジムでも使いましたが、落ちたり緩んだりする事はありませんでした。
独特のスティックデザインですが、実際に耳に装着すると余計な存在感はありません。むしろカッコイイ▼
斜め正面から見た様子。ロボットチックですね▼
正面から見ると独特のデザインがいい。私は好きです▼
音質
ダイヤモンドライク・カーボン振動板ドライバを採用しています。
音質はエントリーモデルという下駄をはかせなくてもカナリ良いです。
もちろん解像度的には高級ハイエンドモデルには敵いませんが、余計な味付けをしている1万円台のイヤホンより整っています。
各音域で苦手が無く、中高音域ではクリアで楽器の音にかき消される事なくボーカルの声もハッキリと伝わってきます。声にパンチの無いヴォーカルの声も、バンド音の前にでて際立ちます。私が目安にしているメレディス・ブルックスのBitch(ビッチ)を聴くと、ギターのジャーン♪ジャーン♪に掻き消されることなくヴォーカルの声が前に出て気持ち良く聴けました。「歯擦音が気になる曲」いわゆるサ行が刺さる曲も気になりません。
低音域は、力もあり量も伝わってきますが、音質もそこそこハイレベルな低音が表現されています。また、しっかりと深い低音も聴こえます。低音はレンジが広く低音が好きな方にもおすすめできます。聞きたい音を聞かせてくれる優等生なチューニングに仕上がっています。
音場は平均的な広さに感じます。若干狭いかな?音の残響感が近いので、ライブ音源では音の鳴っているところが全体的に少し近く感じます。
せっかくなのでAppleミュージックの空間オーデオでチェックしてみました。しっかりと空間オーデオで没入感のあるサラウンドサウンドを実現できていると思います。
空間オーデオを体験するとサラウンド感が心地よく、Appleミュージックの中でも空間オーデオ対応の曲ばかりを選んで聴いてしまうんですよね。
ノイズリダクション機能
ノイズリダクションは、イヤホンの左右どちらかを長タップする事で切り替わります。スマートホン用の専用アプリ(1More music)からでも切り替えが可能です。
1More musicからは、ノイズリダクションのモードを予め設定しておく事ができます。
「ディープ」「マイルド」「WNR」「スマート」の4つのモードが選択できます。
マイルド:騒がしいカフェ、オフィス、通りなどに向いたモード。
防風ノイズ:ビ風切り音低減モードの事で、ノイズリダクションシステムよって発生するこもりを相殺し、風切り音を低減する事ができ、外部環境音も少し聞こえるというモードです。試しにサーキュレーターを強で回して、強制的に風切り音を再現してみましたが、明らかに風切り音だけが軽減されました。
スマート:周囲の環境に応じてノイズリダクションの強度を自動的に調整し、最適なリスニング体験を自動的に設定します。このモードがアダプティブANC機能となります。
ノイズを打ち消す性能は、最大 42dbまでの音量に対して効果があります。Q30に採用しているノイズキャンセリング方式は、同社が特許を持つQuietMax周波数分割ノイズリダクション方式。ノイズが集中する中低周波数帯域を対象としているとしています。
使ってみた感想は、汎用のチップセットによるノイズキャンセリング方式と比べると明らかに聞こえ方が違います。チップセットによるノイズキャンセリングでは、打ち消された後に外音が機械的に変質したノイズとして籠ったように残りますが、Q30では全体的にノイズを抑え込んだように感じます。
ノイズキャンセリング機能特有の耳への圧迫感は少な目。ANC疲れしにくいと感じました。
ノイズを打ち消す性能は、特に中低音域に有効です。電車のガタンゴトン音や車の通りの多い道路ではANCオンにした瞬間に静寂になります。
また カフェなどでも周囲の雑音、他人の会話もかなり打ち消してくれました。音楽を小さく鳴らしておけば、男性の話し声も聴こえません。
パススルーモード
パススルーモードは、デジタル的に外音を取り込む機能で、会話や環境音を聞きながら音楽を楽しむ事ができる機能です。
「外音が聞こえる状態で安全にジョギングしたい」「テレワークで宅配便のピンポンに対応したい」人などに人気の機能です。
外音を増幅して取り込むので少しデジタル的な音になります。歩いていて後ろから車が来た時に分かりますし、普通の音量で音楽を聴いていても、人との会話がかろうじて聞き取れます。
また、ノイズリダクション、パススルー機能ともに、風切り音カットの性能は秀逸だと思います。扇風機の前で試しましたが、綺麗に風切り音が消えます。
音切れ・音飛び・遅延
数日間、買い物や・仕事に持ち歩いていました。スマホに通知が届いた時に一瞬途切れる事がありますが、それ以外は途切れたり音飛びはありませんでした。
また左右のイヤホンの接続も強固で、右耳側を手で覆っても左側のイヤホンが切れる事もありません。
遅延に関しては「低遅延モード」を実装しています。ノーマルモードでも遅延が少なく、動画を観ても人の口の動きと音(声)のズレを目を凝らして見ても分かりませんでした。
まとめ・価格
1more Q30を使い続けた印象は、価格に対する機能と品質の高さが際立っています。ノイズリダクション機能に関しては、1万円台のイヤホンと同等にカットしてくれます。また手頃な価格で「空間オーデオ対応」のTWSは魅力です。気軽に空間オーデオを楽しむ事ができますね。
機能的には、同社が昨年発売した1.6万円のハイエンドモデル「1MORE Aero」とほぼ同じ。私はデザイン・音質的にはコチラの方が断然好きです。
1MORE PistonBuds PRO Q30の価格は¥7,990 (税込)。1MORE公式ショップのほか、Amazon、楽天で購入可能です。
※ メーカーさんの方からサンプル品をご提供頂いてのレビューとなります。金銭の授受などはありませんので、公正な視点で製品をレビューします。
タカシ
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