サウンド機器メーカーEarFun (イヤー・ファン)より、完全ワイヤレスイヤホン 『EarFun Free Pro 3 』が発売されました。
端末が手元にやって来ましたので、数日間持ち歩いて聞き続けてみました。使用感を共有したいと思います。
EarFun Free Pro 3は、ビジュアル機器アワード「VGP 2023 金賞」を受賞したモデルです。SoCにQualcomm QCC3072を搭載した完全ワイヤレスイヤホンです。
ページコンテンツ
ざっくりレビューフラッシュ
10分の充電で120分の再生が可能
有線・ワイヤレスの2種類の充電対応
左右片側での利用に対応
ANC機能で外音をシャットアウト
aptX Adaptiveコーデック対応
マルチポイント対応
ケースを開けただけでペアリング完了
ゲームなどにも使える音のズレが少ない低遅延モード
重低音に迫力がある音質
1回の充電で最高 7.5時間の使用が可能
CvC8.0のノイズキャンセリング通話マイク搭載
Qi(チー)ワイヤレス充電に対応
アンビエントサウンド機能が限定的
EarFun Free Pro 3 スペック
チップセット | Qualcomm QCC3072 |
---|---|
Bluetootthプロファイル | HFP、HSP A2DP、AVRCP |
対応コーデック | AAC、SBC、aptX Adaptive、 LC3 |
再生周波数帯域 | 不明 |
通信距離 | 約 15 m |
音楽再生時間 | 約 7.5時間(ANCで6時間) ケース込:33時間(ANCで27時間) |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
低遅延モード | 55ms |
防水等級 | IPX 5 |
ドライバーユニット | φ7 mm |
インビーダンス | 不明 |
イヤホン充電時間 | イヤホン:1.5時間 ケース:2時間(有線) ケース:3.5時間(ワイヤレス充電) |
ケース充電時間 | 有線:約 2時間 ワイヤレス:約2.5時間 |
バッテリー容量 |
ケース:420 mAh イヤホン:40 mAh |
ケース重量 | 41 g |
寸法 | 67 x 26.5 x 30 mm |
開封の儀
【パッケージ内容】
- EarFun Free Pro 3イヤホン x 1ペア
- イヤーチップ:XS / S / M / L / XL 各1ペア x 2種類
- 低反発イヤーピース 1組
- 替えのイヤーフック
- 収納充電ケース x 1
- USB-C充電ケーブル x 1
- 取扱説明書などの紙類
製品レビュー
イヤホン本体
イヤホンとデバイス間がワイヤレスで接続し、なおかつ左右が完全に独立したBluetooth接続のカナルタイプのTWSです。
イヤホン本体のデザインは楕円形でイヤーフックがあるタイプ。ちなみに前モデルのFree2Sでは丸型のいわゆる「お団子型」でした。
本体カラーは艶消しブラックとシルバーの2色成型で「earfun」のロゴが刻印されています▼
重さは実測で片側約 5.3グラム▼
イヤーピースは、2種類用意されており、 XS / S / M / L / XLの 5種類。密閉率が高いウレタン素材のが1組ついてます▼
イヤーピースを外したベース部は円形▼内側は丸っこくなっており、耳の形にフィットしやすく遮音性が高いデザインです
IPX5の防滴仕様。汗や雨程度の水から防げる防水等級です。Free2SではIPX7の完全防水でした。風呂で使いたい人以外は防滴で十分だと思います。
チャージケース
充電ケースは超小型でポケットにポンと入ります。
いつものようにリップクリームと並べると小ささが分ると思います▼
ふたを開けるとリセットボタンがあります。
ケースの底には、PSEと技適マークがついています▼
イヤホンを格納したケースの重さは約 41.5グラム▼
充電ポートはUSB-C。ケースにはバッテリー電池残量のインジケーターは、1灯だけついているLEDの色で確認できます。
緑:>30%、 オレンジ:<30%、赤:<10%、赤点滅:5%未満大雑把に30%以上が緑というインジケーターは厳しい。緑を信じて持ち出しても 残量が30%ギリギリだと、あっという間にバッテリー切れになりそう。せめて25%刻みにして欲しかった。
1回の充電で約 7.5時間※も使えます。ケースでの充電を含めると合計 33時間。ケース本体への充電は週に1回程度で済むので、充電し忘れても大丈夫そうです。
さらに10分の充電だけで 120分間の使用が可能になります。ピンチの時でも、少し待つだけで復活すのが嬉しいですね。
※ANCオンの場合は約 6時間の再生となります
ケースへの充電は、置くだけ充電のQi(チー)ワイヤレス充電にも対応しています▼
EarFun Audioアプリ
EarFunの独自アプリ「EarFun Audio」を利用する事で、イコライザー機能やファームウェアアップデート、操作の再配置などが可能となります。
以前はアプリの使用にはアカウントを作成する必要がありましたが、現在はログインをスキップできるようになりました。
EarFun Audio
開発: Earfun Technology (HK) Limited 評価 無料 |
専用アプリでは、イコライザー機能の他にもタップ操作のカスタマイズが可能です。
通話テスト
Free 3 Pro はイヤホンにマイクが内蔵されており、ハンズフリー通話機能が実装されています。
cVc8.0 通話ノイズリダクション機能が搭載されており、高品質な音声通話を可能にしています。かなり自然な会話ができます。
実際に数日間仕事の通話で使っていましたが、お互いの声が明瞭に聞こえてストレスは全く感じませんでした。Web会議やテレワークで使えるレベルだと思います。
使い方
操作方法
イヤホンの背中側をタップする回数で操作を行います
左(L) | 右(R) | |
---|---|---|
音楽操作 | ||
1回タップ | 音量下げる | 音量上げる |
2回タップ | 再生 / 一時停止 | |
3回タップ | 前の曲へスキップ | 次の曲へスキップ |
2秒間長押し | ANC/外音 切替 | Siri、OKグーグル起動 |
通話 | ||
2回タップ | 通話/電話を切る | |
3回タップ | 通話切替 | |
2秒間長押し | 通話拒否 |
※ リセット:ケースを開いてケースのボタンを8秒間長押し。紫にLEDが点滅したらリセット完了
操作・装着感
操作性について
充電ケースを開けただけでイヤホンの電源が入り、ペアリング済みのデバイスに接続する「自動ペアリング」機能が搭載されています。
収納時はケースに戻してフタを閉めると、ペアリングが解除され自動的に充電が開始されます。デバイスとの接続に関しては、余計なプロセスは一切必要ありません。ただしイヤホンのハウジング部がタッチセンサーとなっているので、下手に触れるとボリュームが変わったりゲームモードに切り替わったりしてしまいます。
装着感
耳の形に合わせた人間工学に基づいた設計(エルゴノミクスデザイン)で、イヤホンも軽くフィットするので装着していても違和感はありません。ジョギングや街歩きで装着し続けましたが、しっかりとフィットして落ちたり緩んだりする事はありませんでした。また長時間装着していても痛みはありませんでした。
耳にガッチリフィットして隙間が無い程です。私の耳も下の耳の模型と同じようにピッタリフィットしました。アジア人の耳はだいたい同じなのかな?▼
正面から見ると少し出っ張って見えます▼
イヤーフックは耳の内側に引っ掛けます▼イヤーフックは、別に大きいタイプと無しのゴムだけのモノも付いています。
音質
7mm径のウール複合素材ダイナミック振動板を搭載しています。
音の印象は、低音が強く元気の良いチューニングです。高音域の抜けや透明感もあり綺麗な音質です。中音域もピアノやヴァイオリンの音色も綺麗に響きます。
重低音は、力強くてキックの効いたEDMを聴くと脳が揺れるような低音が楽しめます。
そこそこ解像度も高く、メリハリがハッキリしており、どちらかと言えばばドンシャリ系です。そのため中音域の一部に苦手な音域があるようで、女性歌手によっては、楽器に埋もれて聞こえにくい曲もありました。
声にパンチの無いヴォーカルの声は、バンド音の陰に隠れてしまい際立ちません。メレディス・ブルックスのBitch(ビッチ)を聴くと、ギターのジャーン♪ジャーン♪の隙間に何か呟いているようにしか聴こえません。
Kポップ、ライブ音源など、派手さを楽しみたい方にオススメのイヤホンです。特にキックの効いたEDM好きな人は良いチューニングだと思います。
専用アプリのEQ機能を使えば、低音を弱めてヴォーカルを活かすといった、好みの音域を強調する事ができます。
音切れ・音飛び・遅延
買い物や・仕事に2週間近く持ち歩いていました。途切れたり音飛びで気になるようなことはありませんでした。ただし、スマートホンに通知が届く時は途切れる事がありますが、他のイヤホンでも良くある現象なので気になりませんね。
遅延に関しては「ゲーミングモード」を実装しています。しかし低遅延モードにするまでもなく、ノーマルモードでも遅延が少なく、動画を観ても人の口の動きと音(声)のズレを目を凝らして見ても分かりませんでした。FPSなどコンマ何秒を争うゲーム以外では使う事は少ないと思います。
一般的に低遅延モードは伝達距離が短いので、動画視聴やゲームプレイ時以外は、オフにしておく事を推奨されています。低遅延モードはセンシティブなようで、外出時に使うと音が途切れる事がありました。
ANC機能、アンビエントサウンド
ANC(アクティブノイズキャンセレーション)は、左のイヤホンの2秒間クリックする事で切り替わります。ANCオン ➡ノーマルモード(ANCオフ)➡ アンビエントサウンドの順で切り替わります。
ノイズキャンセリングのノイズ(騒音)をキャンセル(打ち消す)性能は、エントリーモデルでは低音域に限られています。最大43dbまでの音量に対して効果があります。
集音用に左右2つずつのマイクを搭載したハイブリッド方式(フィードバック/フィードフォワード)を採用。電車や車の騒音に対する打消し率が非常に高いです。
ハイエンドモデルのノイキャンイヤホンには歯が立ちませんが、エントリーモデルの中では実用に耐えられる性能です。
電車の中でノイズキャンセリング機能をオンにすると「ゴーガタンゴトン」という音が「サー」っという音が聴こえる程度までカットされます。音楽を聴いていると、電車の騒音が全く気にならなくなります。
ノイズキャンセリング時の音質に関しては、ノイキャン時でもノーマル時の音に近く、楽曲の音が変質してしまう事はありませんでした。ホワイトノイズが入って気になるという事もありませんでした。音楽を鳴らさない状態で電車で居眠りしましたが、デジタル耳栓として使えました。
外音取り込み機能(アンビエントサウンド)については、性能は限定的です。音楽を切っても、イヤホンをしたまま会話は厳しいです。
風切り音にも強い設計とありましたので、扇風機の前でアンビエントサウンド機能を使いましたが、パサパサ音はしますね。風が強い日にアンビエントサウンド機能はお勧めしません。ちなみにANCオン、ノーマルモード時は風切り音はしません。
マルチポイント機能
マルチポイント接続とは、2台の機器と同時接続し、それぞれで通話も音楽も受信できる機能。
例えば、PCでオンライン会議を終了した後、スマートフォンで音楽再生を始めるだけで再生機器を切り替えられます。スマートフォンが電話を着信した際には自動でスマートフォンの通話に切り替わり、そのままハンズフリー通話をすることも可能。2台の機器でイヤホンを使う場面で接続の切り替えがいらず、使用する事が可能です。
まとめ・価格
EarFun Free Pro 3は、廉価モデルFreeシリーズの最上位モデルという少し不思議な位置付けになります。
前モデルのFree2SではQCC3040チップを採用していましたが、Free Pro 3ではQCC3072チップを採用した事によりANC機能が付き他の機能もパワーアップしています。
ワイヤレスイヤホンとしての欲しい機能をぎゅっと詰め込んでいますね。ANC機能、アンビエントサウンド、通話ノイズキャンセリング機能、長時間再生、低遅延モード実装、aptX Adaptiveコーデック対応、Qi(チー)ワイヤレス充電、マルチポイント対応など
唯一実装していない機能は、耳から外して一時停止、再装着で再生再開する「装着検出機能」くらいです。それ以外に非の打ち所がない程に良くまとまっていると思います。
ちなみに今後のアップデートでLE Audioに対応予定です。
タカシ
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