サウンド機器メーカーEarFun (イヤー・ファン)より、ANC機能付きの完全ワイヤレスイヤホン 『EarFun Air Pro』が発売されました。
早速手元にやって来ましたので、使い倒してレビューしたいと思います。
EarFun Air Proは、ハイブリッド式のANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)機能を実装しており、38㏈までの周囲の雑音を除去しての音楽鑑賞が可能です。
また環境音をデジタル的に取り込む「アンビエント機能(Ambient)」も搭載しています。イヤホンを装着したままでの会話が可能で、交通量の多い通りを歩く時などでも、周囲の音を感じ取りながら安全な音楽鑑賞が可能となっています。
ページコンテンツ
レビュー・フラッシュ
低周波数帯の雑音カット率が高い
操作が加速度センサー式で誤操作が少ない
耳から外すと一時停止機能が便利
1回の充電で最高 9時間の使用が可能
力強くて繊細な重低音
音が変質しない外音取り込み機能
IPX5防水でシャワーでの使用も可能
10分の充電で90分の再生が可能
ケースを開けただけで接続機能が便利
Airoha社のMCSync技術で接続持続性が強い
音楽操作が限定的
EarFun Air Proスペック
今回はメーカーの方から、レビュー用にサンプルをご提供頂きました
モベル番号 | TW302 |
---|---|
Bluetootthプロファイル | HFP、HSP A2DP、AVRCP |
対応コーデック | AAC、SBC |
再生周波数帯域 | 20Hz – 20,000Hz |
通信距離 | 約15 m |
音楽再生時間 | 約 9 時間 |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
ノイズキャンセリング方式 | ハイブリッド方式 フィードバック/フィードフォワード |
防水等級 | IPX 5 |
ドライバーユニット | φ10 mm |
インビーダンス | 不明 |
イヤホン充電時間 | 約 1.5 時間 |
ケース充電時間 | 約 2 時間 |
バッテリー容量 |
ケース:500 mAh イヤホン:60 mAh |
ケース重量 | 約 53グラム |
ケースサイズ | 約 67 x 55 x 31 mm |
開封の儀
【パッケージ内容】
- EarFun Air Proイヤホン x 1ペア
- イヤーチップ:S/M/L 各1ペア
- 収納充電ケース x 1
- USB-C充電ケーブル x 1
- 取扱説明書などの紙類
取扱説明書はマルチ言語になっており、日本語でも詳しく解説されています▼
製品レビュー
イヤホン本体
イヤホンとデバイス間がワイヤレスで接続し、なおかつ左右が完全に独立したBluetooth接続のカナルタイプのTWSです。
いわゆる耳からウドン系のスティックタイプのデザインを採用しています▼
ハウジングからスティックにかけて、ガンメタリックのプレート状のデザインで「earfun」のロゴが入っています。メカメカしくて近未来的です▼スティック先端には通話用のマイクが内蔵されています
装着部は丸っこくなっており、耳の形にフィットしやすく遮音性が高いデザインです▼
内側の球形部分には、外すと一時停止機能用の光センサーと、ノイズキャンセリング用マイクが配置されています▼
重さは片側約6.1グラム▼TWSイヤホンとしては一般的な重さですが、ノイズキャンセリング機能付きタイプだと軽量な方です
イヤーピースは、S / M / Lの3種類のサイズが用意されています▼
イヤーピースを外したベース部の太さは約 5.5ミリの真円型▼
このサイズなら耳の穴が小さい人でも問題なく使えます▼
防水等級はIPX5。「噴流に対して保護」という規格レベル。水中での使用はできませんが、水洗いやお風呂・シャワー程度では使う事ができます。
※ ケースは防水ではありません
チャージケース
収納ケースは小さい石鹸みたいなデザイン。ズボンのポケットに捻じ込めるサイズです▼
ケースのサイズは、実測で 高さ54.6 x 幅 66.5 x厚さ30.5 ミリ▼
ケースの蓋側には、PSEと技適マークがついています▼
イヤホンを格納したケースの重さは約 53 グラム▼
充電ポートはUSB-C。ケースにはバッテリーのインジケーターは付いていませんが、LEDの点滅回数で残量を確認できます。
3回点滅:100-60% / 2回点滅:59-30% / 1回点滅:29-5% / 素早い点滅:5%以下
イヤホン収納部の間にはペアリングボタンが設置されており、ペアリングデバイスの再設定などの時に長押しします▼ここに付いているLEDはペアリング確認用となっており、ペアリングモードの時は緑と白に交互に点滅します
イヤホンはケースに磁気でロックされています。
知らない間にカバンの中で飛び出してしまい、スマホとペアリングされていて、使いたい時にバッテリーが無くなっているという事態が防げますね▼
1回の充電で約 9時間も使えます。ケースでの充電を含めると合計 32時間。通勤・通学程度でしか使わないのであれば、ケース本体への充電は10日に1回程度で間に合いそうです。
さらに10分の充電だけで 90分の使用が可能になりますので、充電が切れても諦める必要が無く、少し待つだけで復活すのが嬉しいですね。
※ ノイズキャンセリング機能オンで約 7時間、通常モードで約 9時間の使用が可能です
通話テスト
EarFun Air Proはイヤホンにマイクが内蔵されており、ハンズフリー通話機能が実装されています。
両方のイヤホンにマイクが3つ実装されており(外側のフィードフォワードマイクと内側のフィードバックマイク、スティック先の通話用マイク)雑音をカットした快適な会話を可能にしています。
実際にZoom飲み会で使いましたが、お互いの声が明瞭に聞こえてストレスは全く感じませんでした。在宅ワークで使えるレベルだと思います。
また持ち出して買い物しながら通話してみました。混雑して騒がしい店内でしたが、ノイズキャンセリング機能により周囲の雑音を取り除いてくれるので、スマホに耳を当てる通常通話のように自然な感じで会話ができました。
通話相手は、こちらがイヤホンで通話している事にすら気が付いていませんでした。
使い方
操作方法
イヤホンの背中側をタップする回数で操作を行います。Air Proはタッチ式のセンサーでは無く、加速度センサーを採用しているので、手に持った時の誤操作を防ぐ事ができます
左 | 右 | |
---|---|---|
音楽操作 | ||
2回タップ | Siri、OKグーグル起動 | 再生 / 一時停止 |
3回タップ | ANC切替 ※ | 次の曲へスキップ |
通話 | ||
2回タップ | 通話/電話を切る | |
3回タップ | 通話拒否 |
※ ノーマル/アンビエント/ノイズリダクションの3つのモードを切り替えます
操作・装着感
操作性について
充電ケースを開けただけでイヤホンの電源が入り、ペアリング済みのデバイスに接続する「自動ペアリング」機能が搭載されています。
フタを開けてから耳に入れる前に、全ての工程が終えています。
またケースに戻すと自動的に充電が開始され、フタを閉めるとペアリングが解除されます。デバイスとの接続に関しては、余計なプロセスは一切必要ありません。
イヤホンの操作感については、加速度センサー式なので適当に叩けば受け付けてくれます。加速度センサーなので、首を振ったら誤操作されそうですが、酔う程首を振っても大丈夫でした 😮
操作系で残念なポイントは、ボリューム調整機能と、曲戻りスキップ機能が無いことくらいです。
また耳からイヤホンを外すと一時停止され、再度耳に入れると再生が再開される機能が実装されています。買い物の時にはレジで片側を外すだけOKです。
慌ててイヤホンを外して会話をした後、どこまで聞いたっけ?とか、聞きたかった曲が終わってしまっているという事がないですね。
装着感
人間工学に基づいた「エルゴノミクスデザイン」で、ジャンプした程度では、全くズレません。スポーツジムに持って行きましたが、ピタッとフィットして落ちたり緩んだりする事はありませんでした。
最初に見た時は球形部分やデザインが異質に感じましたが、実際に耳に装着すると違和感がありません。
むしろシャープなフォルムが気に入りました▼
正面から見ても大きいという感じはありませんね▼
音質
振動板にPEEK+PUの複合振動板を採用した10mm径ドライバを搭載しています音の全体的な印象は、素直で余計な味付けをしていない素直なチューニングです。中・高音域は、クリアで音の広がりが感じられ、曇りや篭りがありません。気になる点は、中音域の押し出しが少しだけ弱いかな?という程度。
このイヤホンの魅力は、力強くて繊細な重低音だと思います。脳が揺れるようなズンズンした低音寄りの曲でも、丁寧に楽器の特徴をしっかりとらえた弾むように低音が聴こえます。
パガニーニのバイオリンから派手なEDMまで、長時間あらゆるジャンルの曲を聴いてみましたが、苦手が無い印象です。
音切れ・音飛び・遅延
Airoha社の左右同時伝送”MCSync技術 (Multi Cast Synchronization)”を搭載した最新チップを採用しており、混雑した都市部でも途切れにくい接続性を確立しています。
数日間、買い物や・仕事に持ち出して使いましたが、一度も途切れたり音飛びはありませんでした。
また左右のイヤホンの接続も強固で、右耳側を手で覆っても左側のイヤホンが切れる事もありません。
遅延に関しては、人の口の動きと音(声)のズレがあるかな?程度です。目を凝らして見ないと分からない程度です。大画面モニターで視聴すれば、少し気になるかもしれません。
ゲーム用途に使うには、音ゲーやコンマ何秒を競うFPSでは少し厳しいかな?
ノイズキャンセリング、アンビエント機能
アクティブ・ノイズ・キャンセリング(ANC)
EarFun Air Proが採用しているANC(アクティブノイズキャンセリング)の方式は、ノイズと逆位相の音を再生して打ち消す「フィードフォワード方式」と、イヤフォンの内側に搭載したマイクでノイズを拾って、ノイズと音楽を足したものの逆位相を作る「フィードバック方式」を組み合わせたハイブリッド型です。
通常、エントリーモデルのイヤホンでは「フィードフォワード方式」のみを採用している場合がほとんどで、ハイブリッドタイプは貴重です。
左側のイヤホンを3回タップで、ノイズリダクションON ➡ アンビエントON ➡ ノーマルモードの順で切り替わります。なお、各モードは、音声で確認できます。
ノイズキャンセリングのノイズ(騒音)をキャンセル(打ち消す)性能は、低音域に限られています。最大38dbまでの音量の雑音をカットしてくれます。
ノイズキャンセリング機能の対応周波数は公表されていません。他のノイキャンイヤホンと聞き比べてみると、恐らく上は1,000Hz程度までの周波数に対応していると思われます。ちなみに1,000Hzは、女性の話し声程度と言われています。
ノイズカットの性能は、エアコンの音や電車のモーター音、車のエンジン音などの低周波数のカット率は非常に優秀でした。
ちなみにSONYなどのハイエンドモデルは、雑音抑制周波数 40Hz~1,500Hz程度です。
ノイズキャンセリング時の音質に関しては、ノイキャン時でも音が変質したりする事が無く自然に聴けました。私の耳では、ノイズキャンセリング時にホワイトノイズが入って気になるという事もありませんでした。
アンビエント機能(Ambient)
外音取り込み機能(アンビエント)は、イヤホンを外す事なく環境音をデジタル的に聞き取る機能です。
概してアンビエント機能は、デジタル割れしたり環境音が変質しがちですが、Air Proでは自然な音が耳に届きます。イヤホンに穴が開いたような感じで、音が聴こえるようになります。
音楽を止めるとイヤホンを装着したまま会話ができます。このモードを使っても、外音を取り込みながら安全に音楽を聴くには、音量をある程度下げる必要がありますね。通常音量で、車の接近に気が付く程の取り込み機能ではありません。
また技術の性質上仕方ないのかと思いますが、風が強い日は風切り音が気になって使えない機能です。
まとめ・価格
EarFunのイヤホンはこれで3本目ですが、エントリーモデルのTWSとして最先端を走っていると感じます。
今回のAir Proに関しても、最新技術を採用し、細部まできめ細かく作り込まれています。欠点を探す方が難しいくらいに仕上がっています。
下位モデルの「EarFun Air」と比べると、明らかに音質も向上しており、タッチ操作から加速度センサー操作へと大きく進化しています。
また新たにノイズキャンセリング機能、アンビエント機能が追加されて、上位モデルの「PRO」として誕生したようです。
EarFun Air Proの価格は¥7,999。Amazonで購入可能です。
タカシ
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