毎年、夏山から秋山シーズンに入ると”道迷いによる遭難”のニュースが次々と飛び込んできます。
登山道の整備されている人が行き交う観光登山に行くだけ!アルプスの険しい岩肌を上る登山でなければ大丈夫!と考えがちですが、むしろ里山レベルの低山の方が遭難者が多数でています。
お手軽観光登山の聖地「高尾山系(東京都八王子市)」でも年間の遭難者は100名以上という数字になっています。
山は平地と比べて暗くなるのが圧倒的に早いので、少し迷って夕方マゴマゴしている間に辺りは真っ暗になってしまいます。
真っ暗な登山道は、低山といえどもヘッドランプを持っていなければ、スマートホンのライトだけでは非常に危険です。
迷子でパニックになって、少し足を踏み外しただけで簡単に滑落してしまいます。低い土の崖でも落ちるとダメージは大きいですし、這い上がるのは大変です。
数年前には、お子さんとコンビニに寄って弁当を買い、気軽に登山道に入って遭難した悲しい事件もありました。
道迷い遭難のニュースを見るたびに「GPSアプリを入れて登っていれば、間違いなく避けられた」と残念な気持ちでいっぱいになります。
そこで今回は、道迷いしない為のGPS山ナビアプリと簡単な使い方をご紹介します。
お年寄りや初心者の方が登る場合、ご家族がインストールして使い方をレクチャーしてあげて下さい。
ページコンテンツ
簡単な下準備チェックリスト
先日は、登山アプリ(ヤマップ)をインストールしていたのに、お年寄り夫婦が数日間遭難していたというニュースがありました。
コメント欄では「アプリの使い方を知らない?」「使い方を間違えている」という指摘で溢れていました。確かにヤマップをインストールしていれば、地図と方向だけで簡単に下山できたと思える位置でしたので、恐らく使い方が違っていたのだと思います。
各マップアプリは多機能で、使いこなせば色々と活用できて登山が楽しくなります。しかしながら、ここでは「遭難しないための基本的なナビ機能の使い方」のみを解説します。どのアプリも共通の基本的な機能です。
オフラインマップのダウンロード
オフラインマップとは、携帯の電波が入らない所でも使える地図の事です。家で予め該当地域のオフラインマップをダウンロードしておく事で、山の中ではGPSからの情報だけで現在位置をナビゲートしてくれます。
恐らく前述した老夫婦は、事前にオフライン地図をダウンロードしていなかったのが原因では無いかと思います。電波の入らない山の中で、慌ててアプリを開いても何も映りません。
登山用のアプリでは、該当の山のマップをダウンロードして一度開いておくだけです。登山地図をダウンロードして登山計画を立てている様子
登山開始時にアプリもスタート
道迷いしてからGPSアプリを開いても、予めオフラインマップをダウンロードしていれば地図上で現在位置の確認が可能です。
しかしながら、マップを開いただけでは来た方向(コース)が分からず、身の振り方を考えるのに苦労します。
GPSアプリは、GPSロガーとして歩いた道のログも記録してくれますので、必ず登山スタート時にアプリを起動して「記録スタート」をするようにして下さい。その後は、アプリを終了せずにバックグラウンドで起動し続けます(画面は消して大丈夫)
例えば今歩いて来た道とは別に「巻き道ルート」がある事もわかります
山と高原地図アプリの「ルート記録開始」
Yamapはダウンロード済み地図の「のぼる」
その他下準備
それ以外にも簡単に登山計画を立てたり、(オンライン)登山届の提出は必須です。
しかしながら、今回はナビアプリだけあれば遭難しない!というコンセプトなので省略しておきます。
ただしスマートホンの電池が無くなったらアウトですので、別に紙マップを印刷しておくと安心です。
無料で紙マップの作成・印刷方法はコチラ
GPS山アプリリスト
簡単に使える順に並べています
山と高原地図
圧倒的な情報量!
開発:Shobunsha Publications, Inc.
評価:
無料 (アプリ内課金あり)
昭文社より出版されている登山地図の「山と高原地図」のアプリ版。「山と高原地図」は50年以上のロングセラー出版物で、登山・ハイキング用地図の定番です。1マップが500円のアプリ内課金で購入することができ、全61エリア(1500山)が用意されています。月額400円で全マップが使える「山と高原地図ホーダイ」プランもあります
携帯(スマホ)が圏外や機内モードでも使用が可能で、コースタイムや水場の位置、高山植物などの見所も明記されているので、純粋な登山地図として登山計画に必携アプリです。ちなみに私は山行前に本版とアプリ版の両方を用意します。
「高尾山」はダウンロード時に無料で付いてきますので、試しにインストールしてみて下さい。
とにかくシンプルで情報量が多いので、初心者、お年寄りでも簡単に使えてオススメです。
具体的な使用レビュー記事も作成しています
機能 | 有無 |
---|---|
オフラインマップ機能 | 〇 |
登山届機能 | X |
ナビ機能 | 〇 |
登山コース表示 | 〇 |
コースタイム表示 | 〇 |
GPSログ機能 | 〇 |
音声ガイド | X |
コース情報量 |
YAMAP(ヤマップ)遭難防止に役立つ登山GPSアプリ
コレクター心をくすぐる低山も網羅したお手軽アプリ!
評価:
無料 (アプリ内課金あり)
GPSログを記録しながら登ると、自分が登った山が記録に残るのでコレクション的な喜びも満たしてくれます。
それでも通常マップで十分に間に合いますし、無料会員でも不便は感じません。多機能なアプリなので、たまに登山するだけでしたら無料会員でも十分に活用できます。山アプリというより登山総合サービスです。
具体的な使用レビュー記事も作成しています
機能 | 有無 |
---|---|
オフラインマップ機能 | 〇 |
登山届機能 | X |
ナビ機能 | 〇 |
登山コース表示 | 〇 |
コースタイム表示 | 〇 |
GPSログ機能 | 〇 |
音声ガイド | X |
コース情報量 |
ヤマレコ
細かい機能が魅力的!
評価:
無料 (アプリ内課金あり)
登山・アウトドア用GPSとして使える登山地図アプリ。「みんなの足跡」は地図上にヤマレコの登山者が歩いたログがオレンジで表示される機能で、登山道が整備されていない低山や藪山などで便利です。
日本山岳ガイド協会の運営する「コンパス」と連携しているので、オンライン登山届を出す事もできます(有料会員のみ)
課金要素は、オフラインマップもダウンロード枚数制限、広告の非表示、写真の保存容量やオンライン登山届機能のほか、あらゆる機能制限の解除です。無料プランではオフラインマップは2地域分と非常に少ないので、登山の都度ダウンロードしなおす事になります。
また「いまココ」アプリで現在地を確認できるので、高齢者の登山でも家族が安心です。
人気のない登山道では、コースを外れると音声で教えてくれるガイド機能が結構使えます。
2020年5月にWear OS 2.0以降のスマートウォッチにも対応しました。
※ 課金はサブスクリプション方式プレミアムプラン【¥3,600 /年 : ¥360/月】(データ20GBプラン)
機能 | 有無 |
---|---|
オフラインマップ機能 | 〇 |
登山届機能 | 〇 |
ナビ機能 | 〇 |
登山コース表示 | 〇 |
コースタイム表示 | 〇 |
GPSログ機能 | 〇 |
音声ガイド | X |
コース情報量 |
ジオグラフィカ | 登山用GPS
音声ガイドが便利なサバイバルアプリ!
評価:
無料 (アプリ内課金あり)
ルートはヤマレコのトラック(GPSログ)を取り込んで地図に表示する事も可能で、トラックログ(GPSログ)としも優秀です。高度や速度、時間、消費カロリーも測定して記録してくれます。
課金要素は、トラックログ(GPS)の記録回数やダウンロード地図のタイル枚数。サブスクではなく買い切りなので、本格的に使う方は課金をお勧めします。
このアプリはどちらかと言えば、藪山(やぶ山)など、登山道が整備されていないサバイバル登山にオススメのアプリです。
機能 | 有無 |
---|---|
オフラインマップ機能 | 〇 |
登山届機能 | 〇 |
ナビ機能 | 〇 |
登山コース表示 | △ |
コースタイム表示 | △ |
GPSログ機能 | 〇 |
音声ガイド | 〇 |
コース情報量 |
道迷いしない登山GPSアプリまとめ
登山での遭難は、道迷いからの滑落というパターンが圧倒的です。
今ではコンパスと登山地図を使えなくても、登山アプリがあれば大丈夫ですね。とにかくインストールして、オフライン地図を落として、現地でスタートするだけ!それだけで助かります。
私も登山道をはずれた時、Yamapに何度も助けられました。
登山道っぽい道ですが何かが違う?と思ってYamapを確認すると
「!!!!!」▼
登山アプリでは衛星位置情報システムを正確に掴んでくれる事が大前提ですが、実はスマートホンによってGPSの精度が大きく違います。
中華製の安いSIMフリースマートホンは、大きく位置情報がズレる場合があります。
山仲間からの情報によると、コロナの自粛で山は閑散としています。
普段なら道迷いしても、他の登山者の後をついていけばよいですが、今は自力で登山道を探せる必要があります。
そんな状況ですので、今回は記事にしてみました。モバイルバッテリーはお忘れなく!
タカシ
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