以前に比べて電池の持ちが良くなってきたAndroid端末ですが「ゲームをプレイすると電池がすぐなくなる」「急速充電しているはずなのに遅い」など、充電に関する悩みは尽きません。そこで今回は、充電に関する勘違いを含め、Android端末を激早充電する方法を検証しながらご紹介します
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ACアダプターとケーブルを見直す
ACアダプターはOutputのA(アンペア)を参照してください。0.5A(500mA)や1Aなどでは急速充電する事はできません。
急速充電するために、一番最初に見直したいのがACアダプターとUSBケーブル。高出力のUSBアダプターを購入しただけで急速充電できているつもりになっていませんか?
画像:2.1A出力の2USBポート付きACアダプター
実はケーブルが急速充電に対応していなければ、高出力アダプターも全くの無意味です
例えば100均で買ってきたリールケーブルなどは、特に速度がでません
ケーブルによる電流の違いを計測してみます
100均リールケーブルの電流量
最大2.1A出力のACアダプターに100均のmicroUSBケーブルを使って充電してみました
5.21Vで0.31A。最大2,100mAに対して310mAとは寂しいですね
これでは幾ら充電器に挿し込んでいても、満充電まで気が遠くなる程時間が掛かります。
スマホのバッテリーが平均的な1,400mA/3.7Vだとして計算すると、0%から満充電まで523分かかる計算になります。
Bluetoothヘッドホンなどの家電に付属しているMicroUSBケーブルなども、同様に500mA以下の速度にしか対応していない事が多いので使いまわしをしないようにして下さい。
急速充電対応のケーブルの電流量
同様にスマホに付属していた急速充電対応ケーブルで計測
5.1V前後で1.08A。百均リールケーブルの約3倍の電流量▼
スマホのバッテリーが平均的な1,400mA/3.7Vだとして計算すると、0%から満充電まで196分かかる計算になります。
今回充電した時のスマホのバッテリー残量が67パーセントで計測しました。
スマホはバッテリーが満タン近く(80パーセント)になると、微弱な電流を継続的に与えることによって電力を蓄える方式(トリクル充電)に切り替わり充電速度が遅くなります。
充電機器の確認方法
Android端末は、「AC」と「USB」という2つの充電モードを備えており「AC」モードで充電できるUSBアダプタ・ケーブルは急速充電モードに対応しています。
確認方法は、充電している状態で「設定」画面を開き「一般」の「端末情報」内にある「ステータス」を表示します。Android5以上の場合「設定」→「端末情報」内の「電池の状況」
「バッテリーステータス」という項目に充電中(AC/USB)のどちらかが表示されていると思います
これがAC充電となっていれば合格、急速充電に対応しています。AC充電に対応しているケーブルを購入したい場合、急速充電対応のケーブルと明記されている商品を探してください。またパソコンのUSBポートから充電する場合、500mAまでしか給電速度がでずにUSB充電と表示されます。まれにAC充電と表示されますが、速度はでていません。
電流量チェックアプリ
電流計を使わずとも充電速度が計測できるアプリも存在します。計測に少し時間が掛かり、若干誤差もありますがダメなケーブルを判定する程度でしたら十分に使えます。
若干時差・誤差が・・▼
Quick Charge対応のチェック
最近では「Quick Charge」という急速充電規格に対応したスマートホンが多数販売されています。最新のバージョンはQuick Charge3.0となっており、恐ろしい程の急速充電が可能となっており、空の状態から30分で80%以上充電できてしまいます。
Quick Charge3入出力対応のモバイルバッテリーに充電した様子
2.92Aもの速度で充電できています▼
Quick Charge対応の端末の場合、QC(Quick Charge)対応のUSB(USB-C)ACアダプターとケーブルを用意する必要があります。自分の端末の「Quick Charge対応」仕様を調べてみて下さい。
最近では「Quick Charge対応」のケーブルの価格が下がってきていますので、対応・非対応に限らずしっかりとしたメーカー品を使う事をお薦めします。(Amazonベーシック・Anker・Aukeyなど)
リビングなどの常設充電ステーションは、USB充電器はQuickCharge3対応ポート付きのUSB充電器を設置しておく事が主流になっています。
私のPCデスクの充電ステーション▼
5ポートの合計出力が8A。QC未対応のポートでも2.5Aの速度で充電できます
独自の充電形式の中華スマホ
最近の中華スマートホンは、大容量バッテリーを搭載する事がトレンドになっています。それに伴い急速充電のために独自の急速充電を導入しているメーカーが増えています。
中華メーカーの多くはQuick Charge(QC)形式では無く、付属の充電アダプターで独自に電圧や電流を上げる形式を取っています。
その為、日本で主流の5V形式の急速充電器やQC3の充電アダプターを使っても低速充電になってしまう場合があります。
『OUKITEL K6000 Plus』という端末の場合、付属のUSB充電器は5V/7V/9V/12V ,2Aという仕様でQuick Charge3.0には対応していません
日本のコンセント用のアダプターを装着する事で使用できます▼
9.81V 1.98Aの速度で急速充電できました▼
しかしながら市販の5Vの急速充電器を使ってもあまり充電速度はでません。
5.03V 1.22A▼
純正充電器を使うと19.42Wの超急速充電できるのに対して、5Vの急速充電器では6.13Wとかなり遅いです。
※Quick Charge3の充電器を使っても電圧は上がりませんでした(5V/1.25A程度)
公称ではQCには未対応の端末でも、QC3の充電器で充電してみると速度がでるスマホもありました5V/2.15A(端末:Ulefone Gemini Pro)▼
2本差し注意
急速充電対応のUSBアダプターを使っていて、ケーブルもAC対応なのに速度が出ないという方は、USBアダプターの使い方を再確認してみてください。同時に幾つもの端末に充電していませんか?
USBアダプターの場合、「合計アンペア数」で2.1Aという表示になっています。合計2.1A対応のアダプターにiPadとスマホを同時充電した場合、iPadは最低でも1.2Aの電流量が必要ですので、スマホ側には最大0.9Aしか割り当てられないという事になります
スマホはケースから出して裸で充電
ここから先は「スーパー急いで充電したい時」の緊急テクニックになります。スマホを充電している時に、端末本体が熱くなりますが、この熱は電気から変換されたものですので、放電しながら充電している状態になります。
その熱を極力減らすために、スマホをケースから出して充電するとケース内に熱が籠らないので効率よく充電する事ができます
室温に注意
リチウムイオンバッテリーの最適な温度範囲は16°C〜22°Cとされれています。室内温度を22度~25度以内に保って、端末に熱を持たないようにケースを外して充電すると更に効率がアップします
冬の朝の室内は少し気温が足りない
機内モードに設定
スマートフォンは電源をオンにしていると、常にWifiやモバイルデータ通信の電波を探しつづけますので、その電力を消費させないために機内モードに設定すると効率的に充電する事ができます
とにかく急ぎたい場合には、究極の省エネ状態の電源オフにして充電
まとめ
色々な情報をまとめましたが、結局はスマホ端末・ケーブル・充電器がそれぞれ急速充電に対応している事が大切です。3年以上前の端末ですと、早くて1.5Aが精一杯の仕様がほとんどです。
充電しながら端末を使っているのに、バッテリー残量が減ってゆくという不思議な現象になってしまう事があります。これは、端末が熱を持った事による放電もありますが、大抵の場合ケーブルが急速充電に対応していない事が原因です。充電量より消費量の方が多いという事になりますね。
筆者の周りでも、高出力・大容量のモバイルバッテリーを持っているにもかかわらず、百均のケーブルを使用していて、充電が遅い事を嘆いている友人が何人も居ました。
このエントリーはAndroid端末に限らず、iPhone/iPadなどリチウムイオンバッテリー充電の全般に対応した内容です。iPhoneの場合、かなりの数のライトニングケーブルを試しましたが、Apple認証のライトニングケーブル以外で急速充電に対応できるものはありませんでした。
機内モードや部屋の温度などの小ワザよりも、とにかくケーブル代をケチってはいけないようです。
※Android端末を購入した時に付属しているケーブルは、ACモード対応で急速充電できるものがほとんどです。
充電できなくなったAndroid端末を復活させる方法はこちら▼
タカシ
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