サウンド機器メーカーEarFun (イヤー・ファン)より、ANC機能付きの完全ワイヤレスイヤホン 『EarFun Free Pro』が発売されました。
早速手元にやって来ましたので、数日間持ち歩いて聞き続けてみました。
EarFun Free Proは、同社のエントリーモデルFreeの上位機種で、超コンパクトなボディに多くの機能を搭載したTWS(完全ワイヤレスイヤホン)です。一番の特徴は、ANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)機能を実装しており、周囲の雑音を抑えた音楽鑑賞が可能です。
また外部の環境音をデジタル的に取り込む「アンビエント機能(Ambient)」や、遅延を抑える「低遅延モード」を実装するなど、かなり欲張った贅沢スペックになっています。
ページコンテンツ
ざっくりレビューフラッシュ
4マイクでクリアな通話ができる
低遅延モードで音のズレが少ない
1回の充電で最高 7時間の使用が可能
10分の充電で120分の再生が可能
ANC機能付きにも関わらず小型軽量
音が変質しない外音取り込み機能
IPX5防水でシャワーでの使用も可能
ケースを開けただけでペアリング完了
ゲームなどにも使える低遅延モード実装
前の曲へスキップ機能がない
ANC機能でカットできる音域が限定的
操作が煩雑で慣れが必要
EarFun Free Proスペック
今回はメーカーの方から、レビュー用にサンプルをご提供頂きました
モデル番号 | TW301 |
---|---|
Bluetootthプロファイル | HFP、HSP A2DP、AVRCP |
対応コーデック | AAC、SBC |
再生周波数帯域 | 20Hz – 20,000Hz |
通信距離 | 約15 m |
音楽再生時間 | 約 7時間 ANCモード:約 6時間 |
Bluetoothバージョン | 5.2 |
ノイズキャンセリング方式 | ハイブリッド方式 フィードバック/フィードフォワード |
防水等級 | IPX 5 |
ドライバーユニット | φ6.1 mm |
インビーダンス | 不明 |
イヤホン充電時間 | 約 1.5 時間 |
ケース充電時間 | 約 2 時間 |
バッテリー容量 |
ケース:400 mAh イヤホン:50 mAh |
ケース重量 | 約 42 グラム |
ケースサイズ | 約 67 x 25 x 31 mm |
開封の儀
【パッケージ内容】
- EarFun Free Proイヤホン x 1ペア
- イヤーチップ:XS/S/M/L 各1ペア
- イヤーフック:S/M/L 各1ペア
- 収納充電ケース x 1
- USB-C充電ケーブル x 1
- 取扱説明書などの紙類
取扱説明書はマルチ言語になっており、日本語でも詳しく解説されています▼
製品レビュー
イヤホン本体
イヤホンとデバイス間がワイヤレスで接続し、なおかつ左右が完全に独立したBluetooth接続のカナルタイプのTWSです。
イヤホン本体は、超小型の丸型デザインで「earfun」のロゴが入っています
本体はガンメタで質感はメタル風▼
内側は丸っこくなっており、耳の形にフィットしやすく遮音性が高いデザインです▼
重さは片側約 4.5グラム▼ノイズキャンセリング機能付きTWSとしては超軽量です
イヤーピースは、XS / S / M / Lの 4種類のサイズが用意されています▼
イヤーフックは最初に付いているスモールサイズの他、ラージとイヤーフックなしのシリコンゴムのみの合計3タイプ▼
イヤーピースを外したベース部は楕円形▼
防水等級はIPX5に対応しています。「噴流に対して保護」という規格レベル。水中での使用はできませんが、水洗いやお風呂・シャワー程度では使う事ができます。
※ ケースは防水ではありません
充電ポートはUSB-C。Qi(チー)ワイヤレス充電にも対応しています▼
チャージケース
充電ケースは超小型で、ピルケース程度のサイズしかありません。胸のポケットにポンと入ります▼
リップクリームと並べるとサイズ感が分かりやすいかな?▼
ケースのサイズは、実測で 奥行 25 x 幅 66.5 x厚さ31 ミリ▼
ケースの底には、PSEと技適マークがついています▼
イヤホンを格納したケースの重さは約 41グラム▼
充電ポートはUSB-C。ケースにはバッテリーのインジケーターは付いていませんが、LEDの色で残量を確認できます。
緑:100-60% / オレンジ:59-30% / 赤:29-5% / 赤点滅:5%以下
イヤホンはケースに磁気でロックされています▼
1回の充電で約 7時間※も使えます。ケースでの充電を含めると合計 32時間。通勤・通学程度でしか使わないのであれば、ケース本体への充電は週に1回程度で間に合いそうです。
さらに10分の充電だけで 120分間の使用が可能になります。充電が切れても、少し待つだけで復活すのが嬉しいですね。
※ ノイズキャンセリング機能オンで約 6時間
通話テスト
EarFun Free Proはイヤホンにマイクが内蔵されており、ハンズフリー通話機能が実装されています。
両方のイヤホンにマイクが2つ実装されており(外側の通話マイク+内側のフィードバックマイク)雑音をカットした快適な会話を可能にしています。
実際にZoomで知り合いと雑談してみましたが、お互いの声が明瞭に聞こえてストレスは全く感じませんでした。在宅ワークで使えるレベルだと思います。
また外に持ち出して、コンビニで買い物しながら奥さんと通話してみました。ENCノイズキャンセリング機能により周囲の雑音を取り除いてくれるので、通常の通話のように自然な会話ができました。
使い方
操作方法
イヤホンの背中側をタップする回数で操作を行います▼
左(L) | 右(R) | |
---|---|---|
音楽操作 | ||
1回タップ | 音量下げる | 音量上げる |
2回タップ | 再生 / 一時停止 | |
3回タップ | ANC切替 ※ | 次の曲へスキップ |
2秒間長押し | 低遅延モード切替 | Siri、OKグーグル起動 |
通話 | ||
2回タップ | 通話/電話を切る | |
3回タップ | 通話切替 | |
2秒間長押し | 通話拒否 |
※ ノーマル/アンビエント/ノイズリダクションの3つのモードを切り替えます
※ リセット:ケースに入れて左右を10秒間長押し
操作・装着感
操作性について
充電ケースを開けただけでイヤホンの電源が入り、ペアリング済みのデバイスに接続する「自動ペアリング」機能が搭載されています。
フタを開けてから耳に入れる前に、全ての工程が終えています。
またケースに戻すと自動的に充電が開始され、フタを閉めるとペアリングが解除されます。デバイスとの接続に関しては、余計なプロセスは一切必要ありません。
イヤホンの操作感については、背面のハウジングを適当に叩けば受け付けてくれます。操作系で残念なポイントは、曲戻りスキップ機能が無いことくらいです。
また超多機能なので、左右のイヤホンに別々の機能が割り当てられており、操作が煩雑で慣れが必要ですね。
装着感
耳の形に合わせた「エルゴノミクスデザイン」で、軽量でフィットします。少しくらい走る程度では全くズレません。スポーツジムに持って行きましたが、ピタッとフィットして落ちたり緩んだりする事はありませんでした。
装着した時は違和感や痛みはありませんでした。付けているのを忘れる程小さくて軽量です▼
正面から見ても耳からハミ出る事もなく、自然な感じで悪目立ちしません▼
音質
PEEK+PUの複合振動板を採用した6.1mm径ドライバを搭載しています中・高音域は、澄んでいて音の広がりが感じられ、曇りや篭りがありません。小型ボディの割に低音域もしっかり出ていますが、音圧が少し弱いです。ジャンルによっては、押し出しが弱く、軽く聞こえる傾向があります。
そのためダンスミュージックなど、ズンズンしたキックを楽しみたい人には、少し物足りなく感じるかもしれません。
全体的なチューニングが、余計な味付けをしていないので、クラッシック音楽などに向いていると思います。またボーカルの声が際立って聴こえ、正面に定位するのでポップスやアニソンなどの鑑賞にも良いと思います。
特に女性ボーカルの声が生き生きと前に出てくる印象です。音質はクリアで綺麗ですよ。
音切れ・音飛び・遅延
数日間、買い物や・仕事に持ち歩いていました。スマホに通知が届いた時に一瞬途切れる事がありますが、それ以外は途切れたり音飛びはありませんでした。
また左右のイヤホンの接続も強固で、右耳側を手で覆っても左側のイヤホンが切れる事もありません。
遅延に関しては、左耳のイヤホンを2秒間長押しで、遅延を100ms(0.1秒)以下に抑える「低遅延モード」に切り替わります。
低遅延モードどころか、ノーマルモードでも遅延が少なく、動画を観ても人の口の動きと音(声)のズレを目を凝らして見ても分かりませんでした。
低遅延モードは伝達距離が短いので、動画視聴やゲームプレイ時以外は、オフにしておく事を推奨されています。
低遅延モードはセンシティブなようで、音が途切れるので確認したらオンになっている事がありました。
ノイズキャンセリング、アンビエント機能
アクティブ・ノイズ・キャンセリング(ANC)
EarFun Free Proは、外の騒音を抑える ANC(アクティブノイズキャンセリング)機能が実装されています。
左側のイヤホンを3回タップする事で、ノイズリダクションON ➡ アンビエントON ➡ ノーマルモードの順で切り替わります。なお、各モードは、英語音声で確認できます。
エントリーモデルのTWSなので、ノイズキャンセリングのノイズ(騒音)をキャンセル(打ち消す)性能は、低音域に限られています。
最大28dbまでの音量の雑音をカットしてくれます。ちなみに40dbで静かな住宅街レベルの騒音です。28dbまでの音量に対応というのは、あまり効果が薄そうに感じますが、街中でオンにすると、ノーマルモードから1段階くらい騒音がカットされるのが実感できます。
エアコンの音や電車のモーター音、車のエンジン音などの低周波数のカット率は非常に優秀でした。
ノイズキャンセリング機能の対応周波数は公表されていません。他のノイキャンイヤホンと聞き比べてみると、恐らく上は500Hz程度までの周波数に対応していると思われます。ちなみに500Hzは、男性の話し声と言われています。
ちなみにSONYなどのハイエンドモデルのANC機能は、雑音抑制周波数 40Hz~1,500Hz程度です。
ノイズキャンセリング時の音質に関しては、音が変質したりする事が無く自然に聴けます。またANCでホワイトノイズが入る機種も多いですが、私は特にホワイトノイズを確認できませんでした。
ちなみに採用しているANC方式は、ノイズと逆位相の音を再生して打ち消す「フィードフォワード方式」だと思われます(非公表)
アンビエント機能(Ambient)
外音取り込み機能(アンビエント)は、イヤホンを外す事なく環境音をデジタル的に聞き取る機能です。
概してアンビエント機能は、デジタル割れしたり環境音が変質しがちですが、Free Proでは自然な音が耳に届きます。イヤホンに穴が開いたような感じで、外の音が聴こえるようになります。
音楽を止めるとイヤホンを装着したまま会話ができます。このモードを使っても、外音を取り込みながら安全に音楽を聴くには、音量をある程度下げる必要があります。通常音量で聴いていると、車の接近に気が付く程の外音取り込み機能ではありません。
また技術の性質上仕方ないのかと思いますが、風が強い日は風切り音が気になって使えない機能です。
まとめ・価格
Free Proの印象は、とにかく小さい!男性だとズボンのポケットに入れて気軽に出かけられます。ノイズキャンセリング機能でカットできる音域が限定的ですが、それでも電車や車の騒音は上手にカットしてくれて、気持ちよく音楽鑑賞ができます。
とにかく低価格で、最新技術を詰め込んだ高コスパTWSだと思います。
今年1月に発売された下位モデルの「EarFun Free」と比べてみましたが、デザインが洗練されており、明らかに音質も向上しています。
新たにノイズキャンセリング機能、アンビエント機能が追加されて、上位モデルの「PRO」として誕生したようです。
EarFun Free Proの価格は¥5,999。Amazonにて購入可能です。
タカシ
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