「iPhoneとAndroidどちらが優秀か?」という議論が絶えませんが、結局はiPhoneが少しずつ勢力を伸ばしているようです。筆者はどちらも使っているのですが、一長一短で共に良いも悪いも兼ね備えていると思っています。しかし、最近では「規制・制限のiPhone」「自由すぎて玉石混合のAndroid」の両社の特徴がヒートアップしすぎた為、歯止めが利かなくなっている状態だと感じます。今回は、その現状を少しまとめてみました。
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制限のiPhone
Androidに比べてiPhoneは、Apple社の規制が厳しいので、アプリ制作側や端末を使うユーザーも制限の中で楽しむしかないというのが特徴です。逆を返せば、様々な危険アプリなどからユーザーを守ってくれているとも解釈できます。
音楽アプリでの購入不可
iOSアプリにはAppleミュージックが存在するので、LINE・Amazonミュージックなど、他社提供の音楽サービスはアプリ内で音楽を購入する事ができません
例えばAmazonミュージックの場合、iPhoneアプリの方では無料のプライムミュージックのみで、ストアからの購入メニューがありません
Android版アプリはストアから最新の曲を購入することができます
次々とApp Storeから削除されるアプリ
iOSは、アプリの審査も日々厳しくなっており、少しアダルトなアプリや楽曲ダウンロードアプリ、少しグレーゾーンのアプリが次々とApp Storeから削除されています。例えばNagisaから配信されていた無料マンガアプリ「マンガ無双」「マンガ姫」ですが、iOS版がいつの間にかAppleのiTunes Store(App Store)から姿を消していました。
ニュースによりますと、このアプリはAppleの審査のときだけ「一般作品」を読むことができるようにしておき、審査通過後に、「アダルト漫画」を配信するというグレーな手法も行われていたとされています
しかし、このアプリもGoogleプレイストアでは未だに公開されており、アプリ説明にもBL(ボーイズラブ)など過激な内容も明記されています
無料音楽系アプリ壊滅
iOSアプリの今年の大きなニュースの一つは、無料音楽ダウンロードアプリ通称「Music Box系アプリ」がiTunesから姿を消した事でしょう。常にiTunes Storeでランキング上位にいた、人気の「Music box Ω(オメガ)」が消えた時には凄い騒ぎでした
その後、他のMusic Box系アプリが次々と姿を消し、今ではYouTubeにアップロードされた動画で音楽を聴くアプリしか残っていません
システム系のアプリ開発不可
iOSではアプリ開発にシステム系APIを提供していません。例えば留守番電話アプリなどは「Appleが電話回りのAPIを提供していないため、実装が難しい」とされており、現状では有料でキャリアの留守番電話サービスに加入するしか方法はないのが現状です
玉石混合の無法地帯Android
Android端末はiOSに比べて全てに関して自由度が高く、アプリの審査も緩いので面白アプリから際どいアプリ、果てはウィルスまでが混ざりカオス状態に陥っています
広告に毒された無料アプリ
Googleの指導が緩いこともあり、特に酷くなっているのが無料Androidアプリ内広告。以前は「神アプリ」とされていたアプリも次々と広告に毒されてしまい、通常使用が難しい状態に陥っています。「あからさま」な誤クリック狙い広告やポップアップ広告、アプリ画面を占領する広告バナーなど、Androidの無料アプリは本当に無法地帯化しつつあります
酷い例をご紹介します。
カメラアプリでシャッターボタンを超小さくして、しかもシャッター下に広告バナー。あからさまな誤クリック狙いアプリ
これでもGoogleプレイストアの審査は通ります
以前は「神アプリ」と呼ばれていた「ESタスクマネージャー」「ESファイルエクスプローラー」も今では広告が入りまくります。「広告を外したければプロ版を」というバナーが表示され続け課金圧力が酷い状態です
ヴィジェットをタップするだけでメモリーを解放してくれていた「ESタスクマネージャー」でしたが、今ではメモリーをクリアする度に巨大ポップアップ広告が表示されル酷い仕様になってしまいました
メモリークリアする度に、この状態
他の無料アプリの広告占有率も日々上がっており、アプリの操作画面が小さく使い難くなっています
外部apkをインストールすれば消されたアプリも使える
AndroidのPlayストアでもiOSアプリ同様に、音楽ダウンロードアプリなどは消されていますが、消されても名前を変えて何度も登場し続けています。またAndroid端末は、Playストアに置けないようなアプリや消されたアプリなどでも簡単にアプリ本体を探す事ができてしまいます。そのため外部のサイトやストアなどで提供されているAndroidアプリ(Apkファイル)からも、端末設定を変えるだけでインストールできますので、実質的にはどんなアプリでも無制限とも言えます。
非公式マーケットの代表例が「1Mobile market」。ここは何でもダウンロードできる上に、有料アプリまで無料で落とせてしまうグレーを通り越したブラックマーケット
一見Androidの自由度の高さは良さそうに見えますが、実際にはウィルスやマルウェアも多数混在しており本当に危険です。しかも、知らずに違法ダウンロードしてしまう可能性もあります
Androidに提供しない優良アプリも続々
インスタグラムの拡張アプリなどは、iPhoneにしか提供していないアプリがほとんどで、Androidでは本家アプリを使うしか道がありません
参考記事:Instagramで画像を保存するアプリなど拡張機能の便利4アプリ比較
このように、iPhoneアプリにしか提供しない優良アプリが日々増えてきている事も、Android離れを加速させている原因かもしれません
まとめ
筆者は、もともとAndroid派でしたが、両方使い続けている間に気持ちがiPhone側に大きく寄ってきている気がします。その主な原因は、記事内でご紹介したアプリの広告まみれ化です。無料アプリの退化は本当に酷い状態で、アプリが広告を取得・表示・再表示する為に明らかに重くなっているアプリも増えてきました。
無料アプリが競い合うように広告を貼りまくり、酷いアプリになると起動・終了ポップアップ広告から画面切り替えポップアップ、さらに画面上下に広告バナー+誤クリック狙いバナー。もう、悪意があるとしか思えない程の広告の波状攻撃
今では筆者は、ほとんどを有料アプリに移行し「ESシリーズ」のようにPRO版を薦めるアプリは課金して広告を非表示にしています
常にPro版を購入するまでバナーが表示される
現在のAndroid無料アプリは、「悪いアプリをユーザーは使わないので、自然淘汰され良いアプリが残る」というPlayストアの民主主義的な思惑が大きく外れた気がします。
「無料アプリは広告収入で成り立っている」というビジネスモデル自体が崩壊しつつあるのかもしれませんね。乗り換え案内系のアプリなどの「競合が多いアプリ」は日々進化しているので、悪質広告アプリの氾濫は残念です。
iPhoneでは外部SDが使えないなど、最初は腹が立った制限・規制ですが、最近のAndroidアプリの劣化に打ちのめされて以来「守られて管理されている」感が逆に安心するようになりました。iPhone端末に「留守番電話」が実装されるまでキャリアサービスに毎月払い続けるしかないですね。
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