サウンド機器メーカーEdifier(エディファイア)より発売されている、完全ワイヤレスイヤホン 『NeoBuds Pro 3』が手元にやって来ました。日常的に持ち歩いて使い続けてみました。使用感を共有したいと思います。
NeoBuds Pro 3は、Edifierの旗艦シリーズの最新モデル。最大-50dBの強力なノイズキャンセリング性能が特徴で、BA型+φ10mmダイナミックドライバー搭載でクリアで解像度の高い音質を実現しています。
今モデルからはマルチポイント機能に対応し、バッテリーの持ちが倍近く伸びています。また操作方法がタッチ式からピンチ式へと変わるなど大きく進化しています。
ページコンテンツ
ざっくりレビューフラッシュ
15分の充電で180分の再生が可能
BA型+φ10mmダイナミックドライバー搭載
ケースのLEDのカラーを設定できる
力強い重低音とクリアで透明感のあるサウンド
LDACコーデック対応
外音取り込み-アンビエントサウンド機能実装
本格的な適応型ANC機能搭載
装着検出機能
ANCマイクとビーム・フォーミングでクリアな通話
1回の充電で最高 9 時間使用できる
IP54防水・防塵で雨・汗を防ぐ
360°空間オーデオ機能搭載
低遅延のゲームモード搭載
マルチポイント機能実装
イヤホンからの音楽操作が限定的
Edifier NeoBuds Pro 3 スペック
Bluetootthプロファイル | A2DP、AVRCP、HFP |
---|---|
対応コーデック | LDAC、LHDC5.0、SBC、AAC |
再生周波数帯域 | 20Hz-40KHz |
音圧レベル(感度) | 92±3dB SPL (A) |
インピーダンス | – |
通信距離 | 約 10 m |
再生時間 | ANC OFF:約9時間+27時間=36時間 ANC ON:約6時間+18時間=24時間 |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
低遅延モード | あり(ゲームモード) |
装着検出機能 | あり |
防水等級 | IP 54 |
マイク数 | 8個 |
マイク感度 | – |
ドライバーユニット | バランスドアーマチュアドライバー(BA型) φ10mmダイナミックドライバー |
インビーダンス | 不明 |
イヤホン充電時間 | 約 1時間 |
ケース充電時間 | 約 1時間 |
バッテリー容量 | – |
ケース重量 | 59g(充電ケース) |
サイズ | イヤホン 35mm*21mm*27mm 充電ケース 67mm*55mm*30mm |
開封の儀
【パッケージ内容】
- NeoBuds Pro 3イヤホン x 1ペア
- イヤーピース 7 セット
- 収納充電ケース x 1
- ケース用ポーチ
- USB-C充電ケーブル x 1
- 取扱説明書などの紙類
製品レビュー
イヤホン本体
NeoBuds Pro 3は、左右が完全に独立したBluetooth接続のカナルタイプのTWSです。
イヤホンデザインは「スティックタイプ」の変形進化型です。本体は艶あり+艶消し形成のブラック▼
スティック部には「EDIFIER」のロゴマークが入っています▼
グリル部は円形で直径が太め▼
イヤーピースは細かくサイズが分かれており、7セットもあります。自分なりのサイズにピタッと合うので密閉率が期待できます。
カラーバリエーションは、ブラックの他スターライト(ホワイト)もあります
重さは片側約 5.6グラム▼
チャージケース
充電ケースは平べったい石鹸のような形状。ポケットに押し込むには少し大きいです
いつものようにリップクリームと並べたサイズ感▼
ケースの後ろ側には「EDIFIER」のロゴが刻まれており、USBポートも配置されています▼
ケースのフタの裏に技適マークがついています▼
イヤホンを格納したケースの重さは約 58グラム▼
充電ポートはUSB-C、Qiワイヤレス充電には対応していません。
ケースにはインジケーターは、1灯だけついていますがバッテリー残量は確認できません。ペアリングモード時にはLEDが左から右へと流れるように点滅します。充電中・満充電も表示は変わりません。
1回の充電で約 9時間※ も使えます。ケースでの充電を含めると合計 36時間。通勤・通学程度でしか使わないのであれば、ケース本体への充電は週に2回程度でよさそうです。
さらに15分の充電だけで 180分間の使用が可能になります。ピンチの時でも少し待つだけで使えるのが嬉しいですね。
※ANCがオンの時は約6時間、ケースを含めて24時間です
Edifier Connectアプリ
Edifier の独自アプリ「Edifier Connect」を利用する事で、イコライザー機能やゲームモード(低遅延)の切替などが可能となります。
Edifier Connect
開発: BEIJING EDIFIER TECHNOLOGY CO.,LTD. 評価:3 無料 |
このイヤホンはアプリ必須です。多機能なのでイヤホンから全ての機能を操作・変更はできません。自分なりにアプリで設定して使う事をお勧めします。
アプリからは、ANC機能の強度・イヤホン感度・ゲームモードで低遅延設定、イコライザー調整が可能です。
通話テスト
通話に関しては、AI搭載のスマートノイズキャンセリング技術と片側4つのマイクロフォンを使用しており、ビーム・フォーミング・アルゴリズムによって、周囲のノイズをキャンセルしたクリアな通話が可能としています。通話に使ってみましたが、通話品質はスマートホンでの直接会話に近い感覚で通話ができました。
外で歩きながら使っても風切り音も緩和されます。少しくらい騒がしい店内でもお互いの声が明瞭に聞こえてストレスは全く感じませんでした。
Web会議やテレワークでも余裕で使えます。
使い方
操作方法
イヤホンからの操作は、スティックの側面をつまむピンチ方式に変わりました。AppleのAIrPodsと同じ形式で、クリック音や操作感も似ています。
以前のタッチセンサー式のように誤操作するような心配がなくなったのはポイントが高いです。
左(L) | 右(R) | |
---|---|---|
音楽操作 | ||
1回ピンチ | 再生/停止 | |
2回ピンチ | 次の曲へスキップ | |
3回ピンチ | 前の曲へスキップ | |
長ピンチ | ANCモード切替 | モード切替 ゲーム、音楽、空間オーデオ |
通話 | ||
2回ピンチ | 通話/電話を切る | |
2回ピンチ | 通話拒否 |
※再ペアリング:イヤホンをケースに戻し、ケースのボタンを3回押し
タップの感度も調整可能
左右のイヤホンのタップ操作はアプリから変更可能です。ANC機能の切替に関しては、ローテーション項目を増やす事ができます。
デフォルトでは高ノイズキャンセリング→アンビエントサウンドのみで、ノイズキャンセリングOFFが無いのでアプリで要変更です。
装着検出機能と呼ばれる装着センサー(耳から外して一時停止、再装着で再生再開)も搭載されています。
操作・装着感
操作性について
充電ケースを開けただけでイヤホンの電源が入り、ペアリング済みのデバイスに接続する「自動ペアリング」機能が搭載されています。
接続完了時には「コネクテッド」という音声で知らせます。収納時はケースに戻してフタを閉めると、ペアリングが解除され自動的に充電が開始されます。デバイスとの接続に関しては、余計なプロセスは一切必要ありません。反応速度も速く、あっという間に電源がオン➡ペアリングまでが完了しています。
装着感
装着感は、機能モリモリな分少し重量がありますが、重さを感じる事もなく負担にはなりませんでした。
また耳にフィットしたので、長時間装着していても痛みや違和感はありません。耳に入れている事を忘れてしまう事もあるくらい自然でした。
また、ウォーキングやジムのトレッドミル、買い物の時にも装着し続けましたが、落ちたり緩んだりする事はありませんでした。
メカニカル風のデザインに見えますが、装着すると悪目立ちしません▼
正面から見てもスマートです▼
斜め前方から見ても不自然さはありませんね。メーカーロゴがシンプルでアクセントになっていて良いですね▼
音質
音の出力に関しては10mm多層振動板ダイナミックドライバーと高音域をカバーするBAドライバーとのハイブリッド仕様。旗艦モデルなだけあって、情報量が多くクリアーで透明感が高く曇りや篭りが無いというのが第一印象です。
アコギやヴァイオリンなどの弦楽器の伸びも綺麗で、強く弾けば弦と弓の擦れる音(トランジェント)も聞き取れる解像度があります。
また密閉率が高く重低音に迫力があります。どちらかと言えばドンシャリ系の派手な音質ですが、中音域もしっかり出ています。
ヴォーカルの中音域が他の楽器にかき消されてしまうような事もありません。ヴォーカルの押し出しが強く、声量の弱い女性ヴォーカルの声でも明瞭に聞き取る事ができます。
低音域は、ズンズンと下品に鳴らすだけではなく、丁寧に楽器の特徴をしっかりとらえて聴こえます。
ドンシャリ系ですが「歯擦音が気になる曲」いわゆるサ行が刺さる事もありませんでした。前モデルは結構女性ボーカルのサ行が刺さり、気になりましたので、この改善は嬉しいです。
透き通った透明感がある音質ですが、ハイトーンボイスの女性ヴォーカルの声が、キンキン耳障りに聞こえる事もありません。
音場の広さに関しては、ライブ音源では各会場の広さが伝わってきます。
コーデックに関しては、私はiPhoneを持ち歩いているのでAACコーデックで聴いてみました。試しにAndroidでLDACで聴くと、音の解像度と音圧がグィーンと一回り大きく広がる感じです。どうせ聴くならLDACがお勧めです。
専用アプリのEQ機能を使う事で、音の傾向を変える事もできます
デフォルトでは「ボーカル」「ダイナミック」「低音ブースト」「高音ブースト」が用意されています。「カスタマイズ」からは各周波数帯の出力を調整できます。
ANC機能
最大-50dBの「ワイドバンドマルチチャネルANC技術」で、あらゆる環境ノイズを強力に低減します。
高ノイズキャンセリング、低ノイズキャンセリングとアンビエント(外音取り込み)モードなど、好みや環境に合わせて選べる幅広いオプションが揃っています。ANC(アクティブノイズキャンセレーション)は、左のイヤホンのスティック部を長ピンチする事で切り替わります。
とにかく強力にノイズキャンセリング機能が働きます。1万円台以下のノイキャンイヤホンと比較すると、明らかに一段上の性能です。
さすがに帯域5000Hzは大げさで、中高音域は少し漏れ聞こえてきます。車や電車・航空機の音はかなりカットされます。電車でANCオンにすると、孤独を感じて寂しいくらい静かになります。
ノイズキャンセリング機能特有の耳への圧迫感も少なく感じました。
アンビエントサウンド機能
アンビエントサウンドは、デジタル的に外音を取り込む機能で、会話や環境音を聞きながら音楽を楽しむ事ができる機能です。
「外音が聞こえる状態で安全にジョギングしたい」「テレワークで宅配便のピンポンに対応したい」人などに人気の機能です。
アンビエントサウンドは3種類のモードが用意されています。人の声の音域を強調して取り込む「ボーカル強化モード」、音楽がバックで流れているように環境音を変える「背景音を強調モード」、平均的な「バランスモード」
かなり自然に音がスルーして聞こえますが、バランスモード以外は少しデジタル的な音に感じました。
ヘッドトラッキング機能搭載の没入型360°空間オーディオ
Neobuds Pro 2は、ヘッドトラッキング機能を備え360°空間オーディオを実現しています。
アプリのシーンモードで「空間オーデオ」に設定する事で切替が可能です。
空間オーデオというより、ヘッドトラッキングを楽しむための機能ですね。動くとスマートホンの方向から音が聴こえます。
空間的な広がりを楽しめるモードではありませんでした。
音切れ・音飛び・遅延
人混みや満員電車などでも使いましたが、音切れ・音飛びするような事はありませんでした。遅延に関しては、ゲームプレイに最適な「ゲームモード」を搭載しています。
ゲームモードを使うまでもなく、動画鑑賞程度ならノーマルモードでも遅延は全く感じません。Netflixで映画を観ても人の口の動きと音のズレは感じませんでした。ゲームモードは、コンマ何秒単位の反応が必要なFPSゲームなどでしか必要なさそうです。
マルチポイント機能
マルチポイント接続とは、2台の機器と同時接続し、それぞれで通話も音楽も受信できる機能。今モデルから対応しました。
この機能は例えば、PCでオンライン会議を終了した後、スマートフォンで音楽再生を始めるだけで再生機器を切り替えられます。
スマートフォンが電話を着信した際には自動でスマートフォンの通話に切り替わり、そのままハンズフリー通話をすることも可能。2台の機器でイヤホンを使う場面で接続の切り替えがいらず、使用する事が可能です。
まとめ・価格
Edifier Neobuds Pro3を使った印象は「とにかく強力なノイズキャンセリング機能が欲しい」「高音質で音楽を聴きたい」という2つの性能を優先する人には特にオススメできます。
前モデルの「Neobuds Pro2」と使い比べましたが、音質・操作性など、各段に進化していました。特に音質のチューニング改善がバランスが良くなっており、どのジャンルの曲にもフィットします。
エントリーモデルには真似できない、良いノイキャンイヤホンですよ。
Edifier Neobuds Pro3の価格は¥19,980。Amazonと楽天にて購入可能です。
タカシ

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