9月 18日、骨伝導ヘッドホンに特化したサウンド機器メーカーAfterShokz (アフターショックス)より、「OpenMove(オープンムーブ)」 が発売されました。実機が手元に届きましたので、使い倒してレビュー記事にしてみます。
OpenMoveは、Bluetooth接続による骨伝導式のワイヤレスイヤホンで、同社のエントリーモデル「Titanium(チタニウム)」の後継機種です。
旧モデルと比べ、約 20%の軽量化に成功しており、新たにイコライザーを採用し、上位モデルのAeropex と同じQualcomm製チップを採用するなど、大きく進化を遂げています。
耳を塞がないオープンイヤータイプなので、周囲の環境音を聞き取りながら音楽を楽しむ事ができるのが最大の特徴です。
最近の、在宅勤務やオンライン授業などのテレワークでは、周囲の音を聞きながら作業ができる事から、骨伝導イヤホンに注目が集まっています。通話中でも宅配便や家族の呼びかけなど、周囲の音が自然に耳に入るのがいいですね。
OpenMoveは、人の話し声をブーストして聴きやすくする「ボイスブーストモード」が搭載されており、2台の端末を切替え可能な「マルチペアリング機能」を採用するなど、テレワークで欲しかった機能が満載です。
ページコンテンツ
OpenMove(オープンムーブ)スペック
今回はメーカーの方から、レビュー用にサンプルをご提供頂きました
【OpenMove仕様】
型番:AS660
骨伝導技術:第7世代
チップセット:Qualcomm 3024
Bluetoothバージョン:V5.0
感度:96 ±3dB
動作範囲:10メートル
周波数帯: 2402MHz~2480MHz
周波数特性:20-20000 Hz
マイク感度:-40db±2db
スピーカータイプ: 骨伝導変換器
イヤホンのバッテリ容量:135 mAh
電池: リチウムポリマーバッテリー
充電時間:1.5時間
音楽再生時間:約 6時間
待機時間:約 10日間
防水・防滴:IP55
ガイド音声:日本語(英語、中国語、韓国語も可)
インピーダンス:8.0±0.5Ω
最大RF出力:4dBm
対応プロファイル:A2DP, AVRCP,HSP,HFP
最大周波数出力:0dBm
重量:約 29 g
サイズ:約121.5 x 100 x 45.4 mm
開封の儀
- OpenMoveイヤホン本体(AS660) x 1
- 耳栓 x 1
- 収納ケース x 1
- USB-Cケーブル x1
- ステッカー x5
- 取扱説明書など紙類
取扱説明書はマルチ言語仕様で、日本語でも詳細な使い方が書かれています
製品レビュー
筐体の質感は、プラスチッキーでは無く落ち着いた艶消しのホワイト
への字型の金属部分は、付属のステッカーで色を変える”着せ替え”が可能です
カラーバリエーションは、ホワイトとグレーの2色展開
筐体はコンパクトで、フレームの太さはUSBケーブル程度しかありません
バンド部は繊細で脆そうに見えますが、チタン合金製のフレームで頭にフィットするように設計されていて強度は十分です。
広げたり捻じったりしても元に戻ります
重量も約 29gと超軽量です
防水防塵性能 IP55等級の防滴対応。汗や雨程度の水ははじくので、ジョギングやジムでの使用にも耐えられます
収納袋はシリコンゴム風の素材で、水をはじきます
操作部
右耳の下側には、電源ボタンを兼ねたボリュームボタンと充電コネクト部を配置
マルチファンクションボタンは左耳のハウジング部に配置
骨伝導部は、肌触りがサラサラで気持ちいい。白ボディなので分かり難いですが、ボディとシームレスで接合されています
バッテリー・充電
右耳部分にあるポートにUSB-Cケーブルを使って充電します。
バッテリー容量は135 mAhで充電時間 1.5時間で満充電。チップセットはQualcommの3024を採用しており、再生時間は最大約 6時間
通話テスト
右耳のハウジング部と骨伝導部の下側には通話用のマイクが内蔵されています。搭載されているマイクは、イズキャンセリングCVC8.0に対応しており、周囲の雑音をカットしてクリアな音声通話が可能です。
買い物しながら通話してみましたが、かなりクリアにはっきりと声が大きく聞こえます。
イコライザーで、ボイスブーストモードに切替えると、相手の声がさらに強調されて聴き取りやすくなりました。
妻にZoomを使った語学オンライン授業で、OpenMoveを使って受講してもらいました。3時間の授業でも声が遠かったり聴き取り難い事もありませんでした。自然に会話ができたようです。
普段は、家の電話や宅配便などの周りの音が聞こえるよう、ネックバンド型のスピーカーを使っているのですが、やはり骨伝導イヤホンの方が声が近くで聞こえるのがいいですね。途中、生協さんの訪問も分かったとの事でした。
装着感
首の後ろを回して装着します。ヘッドホン本体が軽く、チタンの骨入りのヘッドバンドの柔軟性も高いので、装着に違和感はありません。
また首を振り回してもズレる事もなく、ジャンプしたり激しく動いても振れる事すらありません。
ちなみに眼鏡を掛けていても、干渉して痛くなったりしませんでした。
耳の前の頬骨にあたる感じがベストポジションなようです。耳の模型で解説すると上のような位置になります
使い方・操作感
イヤホン側だけで、音楽の操作がフルに可能です。マルチボタン1つで再生/一時停止、曲送り/曲戻しスキップが可能。音量操作と電源はボリュームボタンを使います。
電話機能に関しても通話・通話終了・リダイヤル・通話拒否など、デバイス本体を取り出す事なく全ての操作が可能となっています。
ボタンのレスポンスがとても早く、タイムラグなく操作を受付けてくれます。例えば早送りの為に2回タップしたら即次の曲が再生されます。
操作方法
マルチボタン | 内容 |
---|---|
音楽操作 | |
1回タップ | 再生/一時停止 |
2回タップ | 次の曲へスキップ |
3回タップ | 前の曲へスキップ |
2回タップ ペアリング中 |
言語切替 日本語・英語・中国語・韓国語 |
2秒長押し | 電源オン Siri、OKグーグル作動 |
通話 | |
1回タップ | 通話 |
2秒間長タップ | 電話を切る/通話拒否 |
2回タップ (音楽停止時) |
リダイヤル |
- ボリュームボタンの+は電源ボタンと兼用
- 音楽停止中ボリューム「-」「+」同時押しでミュート
- 音楽再生中ボリューム「-」「+」3秒間同時押しでイコライザーモード変更
- バッテリー残量は、音楽が停止している時に、ボリュームボタンのいづれかを1回押すと音声で教えてくれます
音質・音量
今まで骨伝導ヘッドホンは、耳を塞がないで音を聴き取れるだけのデバイスでしたが、AfterShokz製 のイヤホンでは音楽鑑賞できるレベルまで引き上げた ”次世代スペックの骨伝導ヘッドホン” です。
高音から中音域までバランスよくクリアに鳴ります。骨伝導ヘッドホンの性質上、密閉感が無いので低音域は苦手です。それでもEDMのキックを聴くと、しっかりと低音が出ているという印象です。
音の厚みや解像度に関しては、構造的な問題を考えると、必要十分だと思います。
付属の耳栓で耳の穴を塞ぐと、周囲の音から隔離され、頭の中で音が反響?増幅されるので、普通のイヤホンで聞いている状態に近い音が楽しめます。イコライザーで「イヤープラグモード」に設定すると、音質が耳栓に最適化され音量も一段小さくなります。
これは実際に体験しないと分からないと思いますが、何とも不思議な感覚です。
耳の穴を完全に塞ぐので、音は耳穴からは全く入りません。それにも関わらず綺麗に音楽が聞こえる。骨伝導技術の凄さを体感できます。
スポーツでの使用
骨伝導ヘッドホンは、周囲の環境音を確認できるので、ジョギングやスポーツジムで安全に音楽鑑賞をする事ができます。
また自転車では、合法的に音楽を聴く事ができるガジェットの1つです。
実際に私は普段から、自転車の時はAfterShokzの骨伝導イヤホンを使っています。音楽やラジオを楽しんでいますが、外音がしっかりと聞き取れるので、交通関係で怖い思いをした事がありません。
交通量の多い道路でも少し聴き取り難くなる程度で、しっかりと音楽を聴く事はできます。ラジオでもDJの話している内容が聞き取れます。
またスピードを出したり強風の時でも、風切り音に負ける事なく聴く事が出来ます。
音漏れ・その他
骨伝導ヘッドホンは振動で音を伝えるので、普通のイヤホンやヘッドホンと比べて音漏れが大きいというデメリットがあります。
しかしながらOpenMoveでは、かなり小さい音量で聞くことができるので、旧世代の骨伝導ヘッドホンに比べると音漏れも圧倒的に抑えられています。
マルチペアリング機能
OPENMOVEは、マルチポイントペアリングに対応しています。これは2台同時に接続して、両方の音が聞こえるという事では無く、2台をペアリングしておいて、切り替える事が可能という機能です。
例えばパソコンでWeb会議をしていても、スマートホンに来る仕事の電話に応答が可能という便利な機能です。
まとめ・価格・販売サイト
OpenMoveは、同社のエントリーモデルですが、通話性能やマルチペアリング機能など、テレワーク用途に関しては上位モデルのAeropex より使いやすくなっています。
もちろんスポーツ用途にも使えますが、テレワーク需要に沿った進化をしているという印象を受けました。
骨伝導ヘッドホンは、難聴などの耳が聴こえ難い方向けの特殊なデバイスとして誕生しました。しかし最近では、安全にサイクリングやウォーキング、ジョギングが出来る音楽デバイスとして定番になりつつありますね。
またWithコロナの状況下では、周囲の音を感じながらテレビや音楽鑑賞、プライバシー空間の確保など、活躍する場が増えています。
最近では、キッチンや部屋でも「ながら」使いしている人も増えているようです。
AfterShokzの骨伝導イヤホンは、定番化するほど大人気ですね。骨伝導イヤホンとしての性能に関しても、他社と比較にならない程に堅牢で高性能です。
販売は、家電量販店、Amazon公式ショップの他、AfterShokzの直販サイトからも購入が可能です。直販価格は 9,090円(税別)
AfterShokz公式ショップ➡AfterShokz OpenMove(オープンムーブ)
タカシ
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