私は企業や官庁向けのリース落ちパソコンのヘビーユーザーです。サーバ用PCや予備のパソコンが必要になった時、またはパソコンの処理性能はソコソコで構わないので本数が必要な時など、ほとんどの場合リース落ちパソコンを利用しています。
市販されている低価格帯のタワー型デスクトップPCは、CPUに非力な Celeron 搭載でメモリー4 GBの端末でも 約 4.5万円~と費用対効果が非常に悪いです。しかしリース落ちPCだと第三世代のCore-i5+メモリ8GB搭載でも 1万 2000円台から手に入ります。
処理性能のみで考えれば、コストパフォーマンスは抜群ですね。
今回、新しく1台購入しましたのでレビューしてみたいと思います。
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リース落ちパソコンとは
リース落ちPCとは、リース会社が法人向けに貸し出していたパソコンで、期間が終わって返却された後の不要となった端末の事です。
レンタルから返却された古いパソコンをリース会社が再販したものが リース落ち(切れ)、リースアップ品と呼ばれるパソコンです。
ほとんどの場合、個人情報保護のためにハードディスクが取り外されます。そのままハードディスクもOSも無しのジャンク扱いで販売されるPCもありますが、その場合第三世代 Core-i5を搭載していても 1万円を切る価格で入手が可能です。
秋葉原でもジャンクPCとして、HDDとメモリーが取り除かれて大量に同じPCが並んで売っているのを目にします。
しかしながらOS無しだと逆に高くつきますので、新たにハードディスクを付けてOSを再セットアップした状態にして、動作確認後に販売しているリース落ちPCが狙い目です。
ジャンク扱い品だと、起動の保証すら無いのでハズレたら怖いですしね。
私は中古パソコンとして再セットアップされたリース落ち品を購入して、速度アップのために HDDを SSDに換装して、場合によってはメモリーも増設して使っています。
ちなみに再セットアップされて販売されているリース落ちPCは “企業リース落ち品” と明記されていない場合がほとんどです。しかしながら大量に同じメーカーの同じ型番の製品が販売されていますので、慣れれば簡単に見分ける事が可能です。
富士通 D582 , D583 , D551 /DellのOptiPlex 7010 SFF , 9010 SFF , 9020 , 3050 , 5040 / HP 6200 Pro, 8000シリーズなど、スモールフォームファクターの小型デスクトップパソコンがリースPCとして使われる端末として有名です。
今回はリース落ちPCのド定番 !Dell の「OptiPlex 7010 SFF(Intel Core i5 3470搭載モデル)」をAmazonのマーケットプレイスで購入しました。
実機を徹底的にレビューしてみます。
DELL OptiPlex 7010 SFF
メーカー型番 | DELL OptiPlex 7010 SFF |
---|---|
ケース形状 | スモールフォームファクター |
マザーボード | Intel Q77チップセット搭載 |
OS | Windows 10 Pro 64bit |
CPU | Intel Core i5-3470 (3.2GHz) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 2500(CPU内蔵) |
メモリ | 8 GB (DDR3) |
内部ストレージ | 240 GB(SSD) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
モニター出力 | D-SUB15 DisplayPort x 2 |
電源ユニット | 240W(80PLUS Bronze) |
メモリ | PC3-12800 DDR3 SDRAM |
インターフェイス | USB-A 3.0 x 4 USB-A 2.0 x 6 有線LAN:RJ-45 PS/2ポート x 2 VGA×1 DisplayPort x 2 |
サイズ | 36.0×17.5×41.7cm |
重量 | 最小構成 9,400 g |
今回購入した筐体は、最初から新品のSSDに換装済みで 1万 6,610円(税込み・送料別途 540円)でした。
同じ構成の1TBハードディスク搭載のモデルと悩んだのですが、SSDを別途に購入して換装するより安くあがるのでコレにしました。
開封
中古PCに 開封の儀も何も無いと思いますが一応
段ボールに梱包材がビッチり詰まっていて、箱ごと落としても大丈夫なほど堅牢です▼
セット内容は、パソコン本体と電源ケーブル、リカバリーDVD、保障内容が書かれた紙、納品書
よくよく見ると少しだけ剥げている所もありますが、使用感が全く感じられず新古品と言っても疑われない程に綺麗です。ちなみに注文から発送までは毎回 3-5日間くらいかかり、 商品到着は4日から6日間待たされます。
中古パソコン業者は 色々な構成モデルを販売していますので、注文が入ってから組み立てて、セットアップ後に発送しているのだと想像ができますね。
筐体
前面
フロントは中ほどに USB-Aポートx 4、3.5インチステレオジャック、マイク入力▼
左上部にDVDマルチドライブ▼
外側にシールでWIndowsのシリアルナンバーが貼られています▼
背面インターフェイス
- USB-Aポート3.0 x 4
- USB-Aポート2.0 x 2
- 有線LANポート
- PS/2ポート x 2
- 3.5インチステレオジャック
- マイク
- VGA×1
- D-SUB15×1
- DisplayPort x 2
内部
ケースを開けて内部を覗いてみます。OptiPlex シリーズは、中へのアクセスが簡単で、あらゆるパーツの交換がワンタッチでできます。
ケースの蓋もハンドルを持ち上げるだけで開きます▼
ひととおり隅々までチェックしましたが、しっかりとクリーニングされており、埃や汚れなどは全くありません。
CPUファンはノートパソコンに使われるような、薄型のシロッコファンが使われています。
前面のグリッド部にケースファンが付いており、ケース背面にファンはありません▼
メモリースロットは4つ、2 GBのメモリが 4枚挿さっており合計 8 GB▼4 GBのメモリが2枚だと思い込んでいました。2スロット空きがあれば 16 GBに増設しようと考えていたので少し残念..
このケースは、HDDの脱着がワンタッチで簡単にできます。
2.5インチSSD変換ブラケットを使ってKINGMAX のSMV 240 GBに換装されていました。
このSSDは、東芝製チップを採用しており、高コスパな事から最近 Amazonで売れ筋のSSDですね▼
この機会にCPUグリスを塗り直そうとヒートシンクを外しました。
CPUのグリスがカピカピに劣化していると思いましたが、塗りたてのようにヌルヌルしていました。さすがに 6年型落ちでグリスが全く劣化していないとは考え難いので、中古PC業者さんが塗り直してくれたのだと思います。
このまま使う事にしました。見えない所まで気が利く良い業者さんですね。感心しました。
小型のスモールフォームファクター型のケースですが、ロープロファイル(Low Profile)対応の省スペースビデオカードを挿してゲームをプレイする事も可能です。
私は OptiPlex 7010を使い続けて長いですが、エアフロ―が設計どおりに機能しているようで、コンパクトなケースにも関わらず、排熱システムが非常に優秀です。企業向けPCにOptiPlex 7010 のケースが採用されている理由もうなずけます。
処理性能
CPU
CPUには Intel 第3世代(Ivy Bridge)の4コア 4スレッドのCore i5-3470 を搭載しています。
Core i5-3470のPassmarkスコアは 6,712。7年落ちCPUとは言え腐ってもCore iシリーズ!まだまだ現役で使えます。
最新の廉価デスクトップに搭載されている、Gemini Lake世代のCeleron J4005 のPassmarkが 1,560、Coffee Lake世代のPentium Gold G5600が 5,683 と比較すると現役っぷりが分かると思います。
ちなみにPentium Gold G5600搭載のPCは、記事掲載時点ではセール価格でも5.5万円以上します。
ベンチマーク
このパソコンでヘビーなゲームをプレイしようと考える人は居ないと思いますが、一応軽めのゲームベンチマークの「ドラクエXべンチ」を走らせてみます。
標準品質 1280×720で「スコア:2713」で評価:やや重い
CINEBENCH R20:
CPU:1015 pts
シングルコア:275 pts
ランキングで見ると、ノート用省電力プロセッサ Corei5-5300Uの上で第四世代Core i7-4850HQの下に入っています。
ストレージ性能
ストレージは、SATAの SSDに積み変わっているので快適です。
定番の「CyristalDiskMark」で計測してみます▼読み込み/書き込み共に一般的なハードディスクドライブの 2.5-3倍程度出ています。
起動
起動時間は、電源ボタンを押して約 11-13秒!なかなかの速度です。
ファンの音は、起動しているのか疑うほどに静かで、 SSDドライブなのでハードディスクの音もありません。かなりの静穏パソコンです。
しかしながらCINEBENCHでマルチスコア計測した時など、重い処理をしている時にはケースファンが激しく回る事がありますが、それほど気になる大きさではありません。
通常のブラウジングやオフィス文書を作成する程度では、ファンの音がするような事はありません。
ちなみにOptiPlex 7010は縦置き、横置きのどちらでも可能なケースとなっています。
横置き時▼
Windows 10 Proがクリーンインストールされた状態で、システムを確認すると「プロセッサ:Intel Core i5-3470 3.20GHz」「実装メモリ:8.00 GB」と販売スペックに嘘はありません。
Microsoft Office互換のWPS Office 2013がインストールされていました。
VGA出力で画面解像度は1920 x 1080 FHDに設定して使いました。動作はサクサクと快適で、ブラウジングや動画鑑賞、オフィス文書作成など、何のタスクを実行しても待ち時間はありません。
Bigfarm という歴史の長いブラウザゲームをプレイしてみました。このゲームはブラウザゲームとは言え、ゴチャゴチャしてくると非力なPCではカクカクで操作が厳しくなります。しばらくプレイしてみましたが、幾つもの処理が重なっても快適に遊べました。
消費電力は通常時で65-68W程度、アイドル時で25Wでした。Core i7搭載のモデルだと消費電力がグンと上がるので、日常使いならCore i5程度に抑えておくのが得策だと思います。
リース落ちパソコンのメリット・デメリット
費用対効果が非常に高い!
企業で使用していたので使用感が無く程度が良い端末が多い!
オフィスで使用していたのでタバコ汚れが無い!
古い規格なのでメモリが安い!
簡単にカスタマイズができる!
内部ストレージに新品が使われている確率が高い!
場合によってはPCの知識が必要
型が古いので HDMI出力端子が無い場合がある
「中古」という貧乏くさい冠詞が常に付きまとう
リサイクルマークが無い場合が多い
私は長年何台も買っていますが、ドライバエラーで入れ直しを1回した程度で、それ以外は全てそのまま使えています。
ハズレに当たった事はありませんね。今の中古パソコン業者さんは、懇切丁寧にアフターケアもしてくれるので、あまり心配する必要もないと思います。
リース落ちPC「 DELL OptiPlex 7010 SFF」まとめ
ちなみに私がリース落ち品を利用するのは、デスクトップのみでリース落ちのノートPCは購入した事はありません。
この OptiPlex 7010 SFFは今まで何台も(6-8台?)購入しており、自宅でも Core-i3搭載で8千円で購入した1台がサーバとして机の下で活躍しています。
遠近法で小さく見えますがケースは全く同じです▼
このサーバパソコンはHDDからSSDに換装して使っています。SSDへの換装方法はコチラの記事を参照してください▼
自分でSSD換装やグラボを挿すのは面倒だという方でも、今回のようにSSD換装済み品やグラボ「NVIDIA GeForce GTX1050Ti 」などを積んでゲーミングパソコンとして販売しているリース落ちPCもあります。
今まで何台もいじってきましたが仕事でベストな構成は、メモリーを4GB 4枚挿して16 GB、SSD換装+ロープロファイル対応の4,000円台のグラボ※を挿して、HDMIポートを増設した筐体が快適でした。それだけ頑張っても2万円台で済んだと思います。
※グラボはGeForce GT710 LP以上のモデルを挿せば、ある程度のゲームは遊べます。
リース落ちの中古パソコンは侮れません。中古という事で二の足を踏んでしまう方も多いと思いますが、法人向けの仕様なので堅牢で、最新の廉価モデルより安心して使えています。
今回記事に使用したOptiPlex モデルはこちら▼
1 TBのHDDを搭載したモデルは安いです▼
ビデオカード(GeForce GTX1050Ti)載せモデル▼
この他にもOptiPlex 7010と検索すると様々な構成モデルが販売されています(楽天-DELL OptiPlex 7010)
ちなみにIntel第四世代搭載のモデルは「OptiPlex 9020」となりますが、記事執筆現在(2020/03) 価格は3万円~と少し割高になります(楽天-DELL OptiPlex 9020)
タカシ
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