中国のオーディオ機器ブランド「1MORE」の完全ワイヤレスイヤホン 『Aero(エアロ)』の、日本国内での発売が開始されました。手元に来ましたのでご紹介します。
『Aero』は、ヘッドトラッキング技術と内蔵ジャイロスコープを利用して、リスナーの頭の動きをリアルタイムで検出することで「空間オーデオ」を実現した完全ワイヤレスイヤホンです。「空間オーデオ」に対応しているイヤホンは、AirPods やBeatsなどApple社製品に限られていましたが、ようやく対応した製品が発売されたという感じです。ちなみにSONY WF-1000XM4では、空間オーディオ推奨デバイスには含まれていませんが、Dolby Atmosを「常に有効」にすることで空間オーディオ対応イヤホンとして利用できます。
また42dbまでのノイズキャンセリング機能、外音取り込み機能、イヤホンを外して一時停止機能などを搭載した最新ハイエンドTWSです。
ページコンテンツ
ざっくりレビューフラッシュ
イヤホン、ケースが超コンパクト
ノイズキャンセリング機能で騒音を大幅にカット
外音取り込み機能が秀逸
ダイヤモンドライクカーボンドライバー搭載
パンチの効いた重低音
繊細な高音域
透明感のある音質
ハイセンスなデザイン
6マイクでクリアな音声通話
ノイズリダクション機能の調節が可能
個人の耳に合わせたチューニング機能搭載
耳から外すと一時停止・再装着で再生機能搭載
DNNインテリジェントアルゴリズムHD風切り音耐性機能搭載
1回の充電で最高 7時間の使用が可能
Qi(チー)ワイヤレス充電に非対応
1MORE Aeroスペック
型番 | ES903-BLACK |
---|---|
イヤホンタイプ | カナル型 |
チップセット | ー |
Bluetootthプロファイル | HFP、HSP A2DP、AVRCP |
対応コーデック | AAC / SBC |
再生周波数帯域 | – |
音楽再生時間 | 約 7 時間 |
Bluetoothバージョン | 5.2 |
防水等級 | IPX 5 |
ドライバーユニット | φ10 mm |
インビーダンス | 不明 |
ノイズキャンセリング | QuietMax |
通話 | 6マイク通話ノイズキャンセリング |
イヤホン充電時間 | – |
ケース充電時間 | – |
バッテリー容量 |
410mAh |
ケース重量 | – |
イヤホン重量 | 約 4.9 グラム |
ケースサイズ | – |
開封の儀
【パッケージ内容】
- 1MORE Aeroイヤホン x 1ペア
- 収納充電ケース x 1
- イヤーピース 4種類
- USB-C充電ケーブル x 1
- 取扱説明書
取扱説明書は今主流のマルチ言語形式。日本語でも詳しく解説されています▼
製品レビュー
イヤホン本体
Aeroは、イヤホンとデバイス間がワイヤレスで接続し、なおかつ左右が完全に独立した Bluetooth 接続のカナル型のTWSです。
イヤホン本体は、Appleの AirPodsシリーズに代表されるスティックタイプ。いわゆる耳うどん型。
艶消しブラックで1More独特の先細り型のスティックデザインで、1MOREのロゴが薄っすらと見えます▼
カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色展開。
イヤーピースはAirPods Pro風の楕円形。市販のイヤーチップは使えません▼
IPX5の防滴仕様。汗や雨程度の水から防げる防水等級です。
※ ケースは防水ではありません
イヤーピースは、 XS / S / M / L の4 種類のサイズが用意されています▼
重さは実測で片側 約 5.0グラム▼
チャージケース
充電ケースは小型で、2枚貝のように開くデザイン。
ケースのサイズは、実測で 幅56.5x 高さ 62.3 x 厚さ25.4. ミリ▼
いつものようにリップクリームと並べてみます。サイズ感が伝わるかな▼
技適マークは蓋の裏側についていました▼
イヤホンを格納したケースの重さは約 52グラム▼
充電ポートはUSB-C。ケースにはバッテリーのインジケーターは付いていませんが、1灯ついているLEDの色で残量を確認できます。
緑点灯:100-70% / オレンジ点灯:69-30% / 赤点灯:29%以下
Qiワイヤレス充電にも対応しています。
1回の充電で約 7時間使えます。ケースに戻しての充電を含めると合計 28 時間。通勤・通学程度でしか使わないのであれば、ケース本体への充電は週に1回か2回くらいで間に合いそうです。また、緊急時には 15分の急速充電で3時間の使用が可能です。
通話テスト
Aeroにはイヤホンにマイクが内蔵されており、ハンズフリー通話機能が実装されています。DNNアルゴリズムと3マイクによるクリアな通話品質を可能にしています。
両方のイヤホンにマイクが3つ(合計 6基)実装されており、雑音をカットした快適な会話を可能にしています。
何度も通話に使っていましたが、自然な会話ができました。声が変質したり途切れるような事もありませんでした。また片耳モードでも普通に会話ができました。車の運転中も問題なく通話できました。
使い方
ケースを開けるだけで接続済みのデバイスとペアリングされます。初回はペアリングモードで起動します。
後はスマートホンの 設定を開き、Bluetoothから選択するだけで完了▼
操作方法
イヤホンの背中側のロゴ部分をタップする回数で操作を行います
左(L) | 右(R) | |
---|---|---|
音楽操作 | ||
2回タップ | 再生 / 一時停止 | |
3回タップ | 音声アシスタント Siri、OKグーグル起動 |
|
通話 | ||
2回タップ | 通話/電話を切る | |
3回タップ | 通話切替 |
※ 1more Musicアプリで設定したモードで、ノイズリダクション➡トランスペアレント➡オフがローテーションして切り替わります
※ ケースに戻し、ケースのボタンを3回押すと再ペアリングモードに入ります
1more Music アプリからタッチ機能をカスタマイズする事もできます▼
操作・装着感
操作性について
充電ケースを開くだけでイヤホンの電源が入り、ペアリング済みのデバイスに接続する「自動ペアリング」機能が搭載されています。
ペアリングが完了するとパコンとイヤホンから音が聴こえます。私のタイミングだと耳に入れた時に、ペアリングが完了するタイミングでした。
またケースに戻すと自動的に充電が開始され、ペアリングが解除されます。デバイスとの接続に関しては、余計なプロセスは必要ありません。
イヤホンの操作感については、背面のハウジング部を軽くタッチ(ノック)すれば受け付けてくれます。操作は2回以上のタップとなっていますので、触れただけで誤作動するような事はありません。
装着感
一度装着するとフィットして重さを感じる事はありませんでした。試用中は、日中はずっと装着しており、バッテリーが減るとケースに戻すといった使い方を続けていました。違和感や痛みはありませんでした。
夕方にはスポーツジムでも使いましたが、落ちたり緩んだりする事はありませんでした。
独特のデザインですが、実際に耳に装着すると余計な存在感はありません▼
斜め正面から見た様子。まぁ普通のスティック型イヤホンという感じです▼
正面から見ても、あまりハミ出る事なく大人しい雰囲気▼
音質
Aeroは、ダイヤモンドライク・カーボン振動板の、10mmのドライバを採用しています。
せっかくなのでAppleミュージックの空間オーデオでチェックしてみました。しっかりと空間オーデオで没入感のあるサラウンドサウンドを実現できていると思います。
空間オーデオを体験するとサラウンド感が心地よく、Appleミュージックの中でも空間オーデオ対応の曲ばかりを選んで聴いてしまうんですよね。
音質に関しても各音域で苦手が無く、中高音域ではクリアで楽器の音にかき消される事なくボーカルの声もハッキリと伝わってきます。低音域は、力もあり量も伝わってきますが、音質もハイレベルな低音が表現されています。また、しっかりと深い低音も聴こえます。低音はレンジが広く低音が好きな方にもおすすめできます。聞きたい音を聞かせてくれる優等生なチューニングに仕上がっています。
ノイズリダクション、トランスペアレント機能
ノイズリダクションは、イヤホンの左右どちらかを長タップする事で切り替わります。スマートホン用の専用アプリ(1More music)からでも切り替えが可能です。
1More musicからは、ノイズリダクションのモードを予め設定しておく事ができます。
「ディープ」「マイルド」「WNR」「スマート」の4つのモードが選択できます。
マイルド:騒がしいカフェ、オフィス、通りなどに向いたモード。
防風ノイズ:ビ風切り音低減モードの事で、ノイズリダクションシステムよって発生するこもりを相殺し、風切り音を低減する事ができ、外部環境音も少し聞こえるというモードです。試しにサーキュレーターを強で回して、強制的に風切り音を再現してみましたが、明らかに風切り音だけが軽減されました。
スマート:周囲の環境に応じてノイズリダクションの強度を自動的に調整し、最適なリスニング体験を自動的に設定します。このモードがアダプティブANC機能となります。
ノイズを打ち消す性能は、最大 42dbまでの音量に対して効果があります。Aeroに採用しているノイズキャンセリング方式は、同社が特許を持つQuietMax周波数分割ノイズリダクション方式。ノイズが集中する中低周波数帯域を対象としています。
使ってみた感想は、確かに汎用のチップセットによるノイズキャンセリング方式と比べ、明らかに聞こえ方が違います。チップセットによるノイズキャンセリングでは、打ち消された後に外音が機械的に変質したノイズとして籠ったように残りますが、Aeroでは全体的にノイズを物理的に抑え込んだような感じです。
そのため、ノイズとして僅かに聞こえる外音が自然で、長時間ノイズキャンセリングして聞いていても、聴き疲れし難いと感じました。
ノイズを打ち消す性能は、特に中低音域に有効ですが、カフェなどでも女性の話し声もかなり打ち消してくれました。
ノイズキャンセリング時の音質に関しては、ノイキャン時でもノーマル時の音に近く、楽曲の音が変質してしまう事はありませんでした。ホワイトノイズが入って気になるという事もありませんでした。
パススルーモードは、イヤホンを装着していても外音を取り込む機能で、会話や環境音を聞きながら音楽を楽しむ事ができる機能です。
こちらの機能については、単に音を取り込むのみならず、外音を増幅して取り込んでいるようです。普通の音量で音楽を聴いていても、人との会話がかろうじて聞き取れます。
まとめ・価格
ようやく手の届く価格帯に空間オーデオ対応のTWSが発売されましたね。気軽に空間オーデオを楽しむ事ができる時代に突入です。
1more Aeroを使い続けた印象は、価格に対する機能と品質の高さが際立っています。ノイズリダクション機能に関しては、強烈にカットしてくれる訳ではありませんが、ノイズを除去した後に漏れ聞こえる音に違和感がないのが気に入りました。
また、ノイズリダクション、パススルー機能ともに、風切り音カットの性能は秀逸だと思います。扇風機の前で試しましたが、綺麗に風切り音が消えます。
1more Aeroの価格は¥16,990。発売当初はAmazon、楽天で取り扱っています。Amazonでは、販売ページにて3,000円引きのクーポンを発行していますので、13,990円(税込)にて購入可能です。
タカシ
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